ゴムボくらぶです。
兵庫県三木市のMさんからシープロ9.8馬力のメンテナンスのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

型式:3K9
製造年月: 平成15年5月
10年間動かしていないシープロ9.8馬力をバッチリ復活させます!【兵庫県三木市・Mさん】

10年ほど動かしていない状態とのことです
メンテナンスが終わったら船舶登録されるそうなのでバッチリ仕上げていきましょう。

アクセルワイヤーのグロメット、経年劣化してますので交換しておきます。

燃料ホースに亀裂が入ってます。
ゴム製品は年数が経つと仕方ないですね。
交換しておきましょう。

そして、電気系が腐食しています。
ここもやり替えましょう。

エンジン固定ボルトの固着
固着しているボルトはそこそこあるだろうと予想はしていました。
ちなみに固着の要因は複数あります。
●塩噛みによる固着
●錆による固着
●電蝕による固着
●カジリによる固着
など。
要因によってやり方も変わるため「固着を制するには固着を知る」
です。

エンジン下りましたが、結構塩害腐食がありそうです。

ある程度塩を落としました。
クランクケースヘッド周辺は最も腐食し易い箇所です。
クランクケースヘッドはパーツ交換すれば良いですがエンジン側の腐食が問題です。
ちなみに2本のボルトは勿論固着してます。

ハウジング及びアンダーケース側。
こちらも腐食しています。

さて、ヘッドボルトですが11本全て固着しています。
平成15年製で海水で使ってて、一度もヘッドを開けたことが無ければだいたいこうなります。
では、あの手この手で外していきましょう。

ステージ1の方法で外したヘッドボルト9本。
残りの2本は同じ方法だと外れませんので別の方法でいきます。

ここまで来るのが大変です。
ようやくヘッドカバー開きました。

ヘッドカバーも腐食してましたので交換です。
元々亀裂が入っていたようですが割れ面は塩害で白くなっているいることが分かります。
塩害が進むとアルミの中に浸透するんですよね。
ヘッドカバー交換です。

サーモスタットはこんな状態でした。
現行形状のサーモスタットに変わります。

10年動かしてないのでベアリング大丈夫かな~
と思いましたが異音・ガタも無く大丈夫でした。
リングの吹き抜け無し。
オイルシール交換しときます。

腐食している部分を削って補修・強化します。
コーティングをすることで強度が出ますし腐食を食い止めることができます。

ヘッドガスケットは現行のメタルガスケットに変わります。
ヘッドボルトはステンレス化、グリスアップして組みますが以前使ってたWako’sのスレコンは潤滑が良い故のちょっと思うところがあり、今は私が思うBESTだと思うグリスを使います。

ハウジング・アンダーケースの補修・強化完了。

エンジン側も完了♪
これで大丈夫です。

お次は足廻りいってみましょう(元車屋の表現法w)
ドライブシャフト側のオイルシールからギヤオイルが漏れています。
ロアケースもオーバーホールしましょう。

インペラだいぶ経年劣化してました。

なんと、このボルトが折れるのは初めてです。

プロペラシャフト側のオイルシール
状態良くないですね。

交換完了。

ドレンボルトがなめ気味です。
これ取り付けると緩められなくなりそう。
交換しておきます。

アノードだいぶ減ってますので交換。

フラッシングアタッチメントを取り付ける所ですが、固着してましたので解除して清掃しておきました。

燃料系の清掃。

ロープ交換。

絶好調です。
ハイパワーの9.8馬力!
これから楽しみですね^^

OK!ご利用ありがとうございました。