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船外機メンテナンスのご依頼について
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トーハツ/マーキュリー8/9.8馬力(2st)

マリーナでメンテナンス後、2回目の使用で不調になってしまったシープロ9.8馬力【和歌山県有田郡Kさん】

ゴムボくらぶです

 

和歌山県有田郡のKさんからシープロ9.8馬力のメンテナンス依頼を頂きました。

ありがとうございます。

 

つい最近お近くのマリーナさんにメンテナンスに出したばかりなそうなのですが、納品後2回目の出航時に不調となり「ガコン!」という異音と共にエンジンが停止してしまったそうです。

その後は始動も困難だったとのこと。

再度そのマリーナに修理に出すのはさすがに不安だということで当店に送っていただきました。

 

おまかせ

 

 

型式:3K9

製造年月:12年4月

 

マリーナでメンテナンス後、2回目の使用で不調になってしまったシープロ9.8馬力【和歌山県有田郡Kさん】

さて、マリーナさんはどんな仕事をしているのか見せてもらおうじゃないかw

マリーナさんでは一般的な定期メンテナンスを行ったようです。

 

カウルを開けてまず目に飛び込んできてあれ?っと思ったのが

プラグコードが上下逆に付いてます。

納品後、そのままの状態なのか?Kさんが不調後に触ったのかはわかりませんが、入庫時はこういった状態でした。

 

今回、サーモスタット問題の解決までご依頼頂いてます。

ヘッドボルトの固着があると思いますが、固着あれど「ゴムボくらぶ必殺技!」で解決して交換します。

 

各部を最初に考察して必要なパーツをチェックします。

このパーツが錆びてるのは常に目に入るので気になります。

こういった直接調子の良し悪しには関係しない見た目の部分については、一般的な金銭感覚でパーツ代を考えて「この金額なら私だったら交換しておいて欲しいな」と思ったら私の判断で交換しておきます。

 

 

エンジン側の燃料ホースを接続するコネクター(エンジンメール)が変形しており燃料が漏れてます。

こちらも交換。

 

 

ヘッドボルトは4本固着していました。

よほど年製が新しい物以外は過去にグリスアップを行っていなければ高確率で固着ボルトはあります。

 

外れた7本のボルトもこんな状態で固着と紙一重です。

 

そして、ここで問題が発生!

ヘッドカバーが何をやっても外れない。

先の工程に進めません。

 

かなり頑張りましたが、これ以上ヘッドカバーを生かすことを考えつつ作業を続けるのはシリンダーブロックを損傷する可能性が高い為、ここはヘッドカバーの再使用は諦めてカットして外すことにしました。

こういった場合はパーツの費用を考えた上で、生かすパーツと諦めるパーツを適切に判断する必要があります。

一番お客様が無駄にパーツ代を負担しなくて良い方法を考えます。

 

ヘッドカバーをカットして取り外し完了。

ちなみにヘッドカバーは5~6千円、シリンダーブロックは44000円です。

 

御開帳~

水路の塩詰まり無く、酷い腐食も無くまずまず良好な状態です。

船外機は水路の腐食がどうか?ってとこが重要になってきます。

 

サーモスタット固着状態でアウトです。

 

クランクケースヘッドのボルト、1本折れました。

このボルトは高確率で固着しており、しかも重度であるケースが多いです。

あとで抜きましょ。

 

クランクのオイルシールを交換するのでピストンまで抜きました。

カーボンが蓄積してピストンリングの状態が良くないですね。

吹き抜けがあるのが見て取れます。

 

滑走しないと言っておられましたが、こういった原因になるとパワーダウンしていたとこもあり良好な状態にメンテナンスをすることで本来のパワーになります。

 

良好な状態にになりました。

 

全てのネジ山にケアを行います。

 

今後は固着しないように最善の処理をして組付けますので、後のサーモスタット管理は安泰になります。

 

マリーナさんでキャブ清掃をしたようですが全てやり直します。

キャブ清掃のやり方は人それぞれであり、自分でやっておかないと絶対的な信頼が出来ませんので。

 

ドレンのとこに汚れが溜まってます。

 

ドレンボルトのガソリンが流れる穴が汚れで詰まってます。

この穴が詰まっているとドレンを少し緩めてもガソリンが出てきません。

清掃して貫通させておきます。

このようにキャブ清掃のやり方は人それぞれなんです。

 

パイロットスクリューの状態

大事な部分ですので少しの汚れの付着でも不調に直結します。

 

燃料フィルターの状態

かなり汚れが溜まってます。

交換します。

 

納得できる状態になりました。

 

お次は燃料タンクのメンテナンス

 

エアーベントのOリングが切れてますので交換。

燃料ホースの状態も良くないので交換します。

 

マリーナさんでインペラを交換していますが、こちらも再度分解してチェックします。

画像はロアケースの固定ボルトですがグリスアップはしていないですね。

このボルトは過去固着の事例があり、私はバラした殆どのボルトをグリスアップして組んでいます。船外機に於いてボルトのグリスアップは非常に有効なメンテナンスです。

海中に浸かる部分は特に絶対グリスアップしておく必要があります。

 

インペラは交換したばかりなので問題ありません。

 

インペラケースのボルト

グリスアップはしてなく濡れてるだけのようです。

組付け時はグリスアップして組みます。

 

アノードの状態がかなり良くないです。

メンテナンスに入ってアノードがこの状態で交換してないのはちょっとヤバいですね。

固着してそうだから見て見ぬフリしたのだろうか。。。

ちなみに外装のあちこち塗装が浮いておりますが、アノードがこんな状態だと防蝕防止の効果が薄れ影響します。

 

ボルトのネジ山をケアして当然アノード交換です。

 

シフトロッドのグロメットが切れてましたので交換しておきました。

 

スロットルケーブルや進角テーブルのリンクロッド調整など全てを良好な状態で組み上げます。

ロープも交換してリフレッシュ。

 

完璧です!

 

最後に始動確認・キャブセッティングを行います。

マリーナさんでキャブセッティングも行ったいうことでしたが全く合っていませんでした。

船外機は過去に同機種をどれだけ扱ったスキルがあるかという経験値が重要でそれによって故障例やノウハウが蓄積されます。

 

最初からゴムボさんのとこに出しておけば良かったと後悔されておりました。

 

一発始動で絶好調になりました。

外装もできるだけ綺麗にしましたので気持ち良く使っていただけると思います。

 

ご利用ありがとうございました。

 

あちこち痛んだシープロ9.8を蘇らせます!塩害や恐ろしや~【福岡県鞍手郡・Kさん】

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