ゴムボくらぶです
和歌山県和歌山市のTさんからトーハツ9.8馬力のメンテナンスのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

型式:3K9
製造年月: 平成22年9月
トーハツ9.8馬力・ヘッドボルト10本固着です!【和歌山県和歌山市・Tさん】

シープロ9.8と同じ3K9です。
トーハツ製では最終年製ぐらいかな?
現状、不調はないもののオーバーホールをとのことで送っていただきました。

ん?、プラグコードが上下逆に刺さってます。
全体的に塩害が少なく状態良さそうですね。

ヘッドボルトに殆ど錆も無く綺麗ですが、この年製のヘッドガスケットは改良前のタイプなので恐らくヘッドボルトの固着はあるでしょう。
他店は避けて通るヘッド開けですが、長期的に安定したメンテナンスをしていくには定期的にヘッドを開けて塩清掃ができることやサーモスタット管理をきちんとしてけることは必須事項。
当ゴムボくらぶは長く使っていけるようヘッドを開けて後の管理を安泰にします。

サクっとエンジンおろしました。
下部の水路綺麗です。
クランクケースヘッドは1本ガッツリ固着してました。

ドライブシャフトハウジングの状態も良好です。

ヘッドボルト11本中、緩んだのは1本のみでした。
ヘッドガスケットのラインを中心に錆が出ているのが分かります。
10本固着してますので、引き出しを開けつつクリアしていきましょう。

固着ボルト、9本外しました。
あと1本は必殺技でも外れません。
う~む、次の方法を考えます。

1本の固着を外すためにエンジンを全バラしないといけないこともあります。
固着を外すのは簡単ではありませんョ。


水路の塩が少なくシリンダーブロックはまだしっかりしています。

ピストンやベアリングのチェックをします。
リングの張りもOKです。

左側:改良前のヘッドガスケットとサーモスタット
右側:改良後のメタルガスケットとサーモスタット

これは排気カバーのボルトですがこのボルトも良く固着しますのでステンレス化します。

電装関係、状態良いです。

今後はサーモスタット管理が容易になります。

こちらも塩清掃完了。

インペラはどうかな?

良い交換時期ですね。


OK!

ギャオイルは交換してから使ってないとのことでしたがおまかせコースである以上、チェックしないと気になるので抜きました。
OKです。

キャブブレターの清掃

左右共にスペーサーが入ってませんでした。
スペーサーが無いとしっかりキャブレターの締め付けができません。

このようににスペーサーが入ります。

奥に見える白いグロメットを糸で固定しているとのことですのでチェックします。
考察するとロックの金具が曲がってます。
なるほど。。。
このように曲がるとシフトレバーを動かす度にグロメットが外れるる方向に力が掛かるはず。
だから糸で止めていたんですね。
曲がった金具をまともな形に鈑金してからグロメットを交換します。

ロープとアンカー交換しておきます。

組み上げ完了♪

ご利用ありがとうございました。