ゴムボくらぶです!
福岡県北九州市の第五海遊丸さんからトーハツ2馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
4か月間エンジンを始動していなく動画撮影時にエンジン始動を試みてみたところ、なんとスターターロープが重くエンジンが掛からないという事態になりました。
その時の様子がコチラです↓
原因は一体何なのでしょうか?
では、見ていきましょう!
製造年月:29年1月
型式:3BV(MFS2B)
スターターロープが重い原因は?
しらじらしく話を進めてきましたがゴムボくらぶ愛読者ならもうお気づきのはずw
ここ最近で3機目の同じ症状の修理になりますが、スターターロープが重い!
はドライブシャフトの固着の疑いが極めて高いです。
誤解が無いように説明しておくとこれは使い方が悪い!とかトーハツはダメだ!ということではなく、海で使えば塩害は仕方なく他の水冷式船外機も基本的な構造は同じなので同様の故障をする可能性はあり、どのメーカーであっても一長一短あると考えます。
ニュートラルの状態でもペラが回りません。
ロアケースを抜きます。
スコっと抜けたら楽なのですが、
スターターロープが重い=ロアケースが抜けない・エンジンも外れないという状態になっており、個人でこの固着修理をやってみようという場合は相応のスキルがないと苦戦すると思われ最悪ロアケース交換という場合も想定されますのでご注意を。
徐々に外れていきます。
無事外れました。
クランクケースヘッドを外します。
グリスと塩と汚れ
クランクシャフトも錆びてます。
オイルシールを1個外したところ。
この下にもう一つオイルシールが入ってます。
無事摘出
船外機のオイルシール交換時は外周に液体ガスケットを塗って組み込むのが得策です。
こちらのシリコン系の液体ガスケットがおすすめです。
内側にはラバーグリス
シフトレバーのグリスアップ
エンジン下ろしついでにシフトレバーのグリスアップもしておきます。
簡単に抜けるうちに分解グリスアップをしておくのが得策ですね。
水路は綺麗
インペラ交換
前回分解時に施工した塩嚙み防止対策が効果を発揮しており塩嚙み皆無です。
新しいインペラに交換します。
再び塩嚙み防止対策を施工して組付けます。
その他の作業
フライホイルが錆びていたので
塗装しておきました。
キャブレターの清掃をしておきました。
●エンジンオイル交換
試運転
【冷間始動】チョークを引いて2回で始動
【温間始動】1回で始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
ご利用ありがとうございました。
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