ゴムボくらぶです
福岡県福岡市のAさんからマーキュリーシープロ9.8馬力のメンテナンス依頼を頂きました。
ありがとうございます。
新品購入して3年目というシープロ9.8馬力。
過去、海上でアクセルを開けた時にエンストしたことがあるそうですが、その後の調子は良いらしいです。
過去のメンテナンス歴はギヤオイルを交換したぐらいとのこと。
では、見ていきましょう!
型式:3K9
製造年月:31年3月
シープロ9.8馬力のメンテナンス・このヘッドガスケットは安心です!
最近はシープロ9.8馬力のメンテナンスも増えてきました。
カウルを開けてまず気づいたのが、プラグコードが上下逆についています。
通常プラグコードが逆になっているとピストンの圧縮タイミングと点火タイミングがずれるので不調のはずなのですが、何故かシープロは正常時と変わらず動くようです。
これは謎です。
勿論、組付け時には正常に戻しますョ。
サーモスタットの点検です。
ヘッドボルトは緩むかな?と心配しましたが固着は1本も無く11本全て無事緩みました。
ヘッドボルトの状態を観察してみるとボルトへの海水侵入は無く錆皆無です。
素晴らしい。
31年製はメタルガスケットになっています。
このガスケットは以前のものとは材質が違い対策品になっています。
サーモスタットの動作確認をしてみたところ問題無く良好でした。
清掃しておきます。
ヘッドを開けたら水路の清掃やカーボンの除去をしておきます。
おっけぃ!
ヘッドボルトはグリスアップして組付けました。
このガスケットでボルトをグリスアップしておけば、固着することは無いと思います。
プラグを交換してプラグコードを正常に取り付けました。
こちらが付いていたプラグですが碍子の部分が割れています。
見え易いようワイヤーブラシで磨きました。
細かい部分なので、一見見落としがちですがこういった部分もよーく点検しないといけません。
電極部分が減っています。
こちらは新品のプラグ。
電極の隙間が一定です。
そして、OH!
ギヤオイルが白濁しております。
一体どこから!?
ここからではない。
各部の状況を考察すると、シフトのOリングからのようです。
このタイプのポンプベースはOリングへの塩嚙みが結構あります。
インペラボルトは塩嚙み少々
ついていたインペラ。
3年経ちますので交換です。
Oリングを交換して塩掃除をします。
シリコングリスを塗っときます。
インペラ交換。
キャブレターも勿論清掃しておきます。
組付けてからパイロット調整をしますが9.8のキャブレターは調整がシビアなのでストライクゾーンが狭いです。
その他の主な作業
●グリスアップ
80g用2ウェイタイプグリースガン
2ウェイタイプは画像のようにピストル形状とストレートと組み換え可能なタイプです。
80gの耐水グリース
シープロはアクセルワイヤーのグロメットが良く切れますね。
グロメットを交換するにはアクセルワイヤーを一度全部バラさないといけないです。
アクセルワイヤーの調整はテーブルが進角する動きを考えつつやらないといけません。
これでバッチリ!
●ギヤオイル交換
試運転
【冷間始動】チョークを引いてSTART位置にて2~3回で始動
【温間移動】1回で始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
淡水使用のはずのシープロ9.8馬力が大変なことになってます!【新潟県長岡市・Fさん】