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トーハツ/マーキュリー2馬力/3.5馬力(4st)

トーハツ2馬力・ギヤオイルに海水混入してオイルシール交換に!【福岡県北九州市・第五海遊丸さん】

こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です

 

福岡県北九州市・第五海遊丸さんから、トーハツ2馬力の定期メンテナンスのご依頼いただきました。

第五海遊丸さんといえば、2馬力ボートによるファミリーフィッシングでお馴染みのユーチューバーですね!

第五海遊丸さんのYouTubeチャンネルはコチラです。

第五海遊丸さんのトーハツ2馬力は以前に初回メンテナンスに出して頂いており、それから約1年半。

初回メンテからの釣行回数は約30回とのこと。

以前のメンテナンスはコチラ

 

今回で2回目のメンテナンスとなります。

去年、キャブのオーバーフローがどうしても直らなかったため、第五海遊丸さん自身でキャブを交換し現在は調子良く動いているようです。

その他の箇所も含め、全体的にそろそろ点検をということでご入庫頂きました。

 

メンテナンス内容

●おまかせメンテナンス

 

型式:3BV(MFS2B)

製造年月:29年1月

 

インペラボルトのグリスアップ

まずはインペラボルトの再グリスアップから始めます。

この4本のボルトは一度グリスアップしたら、あとは次回のインペラ交換まで何もしなくて大丈夫というものではなく定期的な再グリスアップをすることでボルト折れを回避します。

グリスっ気があることによって固着を遅らせるイメージ。

理想としては年に1度のグリスアップですね。

 

上の写真は既に4本とも緩ませたあとですが、僅か1年半で塩噛みがやばかったです。

特に右端の1本は神経使ってかなり慎重に緩めました。

実際ねじ山として機能しているのは下から10mm~15mm程度なのですが、その上の部分にがっつり塩が噛むことで強力に固着します。

タップを立て直してネジ山を綺麗にします。

こんなに結晶がついてきました。

インペラ自体はまだゴムが柔らかく変形も無かったので、今回交換の必要はないと判断しました。

次回のメンテで交換するのがちょうど良いかと思います。

ボルトを綺麗に掃除して。。。

耐水グリスを塗って組みました。

 

グリスアップをすることで一定の固着防止になっているのですが、なんせ塩噛みしやすいトーハツ2馬力。

もう少し長期間、理想としては次回のインペラ交換まで手放しで安心できる対策が無いものかと日々考えていました。

そこである方法を思いつきました。

今回、第五海遊丸さんにモニターになってもらうことになりましたので、第二の対策のテストをしてみることにしました。

グリスアップに加えてダブルの塩噛み対策!

次回分解時に効果が確認できれば、今後はその方法も取り入れていく予定です!

 

 

ドライブシャフトのスプラインもこの通りグリスっ気がなくなってますので清掃して再グリスアップをします。

スプラインが固着して抜けなくなってしまうとしまうとホント大変ですからね。

 

ギヤオイルに海水混入

そして、題名にもありますようにギヤオイルを抜いてみると、なんと海水混入によって白濁していました。

ほぼ海水に入れ替わっています。

暫く置いておくとこのように海水とギヤオイルが分離します。

少しギヤオイルが残っていたため何とか壊れずに持っていたようです。

 

海水がケース内部に混入する要因となるルートはドライブシャフト側のオイルシールであったり、シフトロッドのOリングであったりと複数あるのですが、今回はこの黄色丸のところからでした。

プロペラシャフト側のオイルシールですね。

ハウジングを外し内側から見たところです。

ベアリングの奥にオイルシールがあるのですが、オイルシールについているスプリングが外れています(穴の中)

本来このスプリングの力によってオイルシールとプロペラシャフトとの気密性が保たれています。

なんらかのタイミングでスプリングが外れてしまい、気密性が失われたことが今回の要因です。

滅多にあることではありませんがたまに起こります。

 

忘れてならないのがシャフトのチェック

シャフト自体に傷があったりとか何か問題があればオイルシールを交換してもまた同じことが起こりますから。。。

くまなくチェックしましたが、問題となるようなところはありませんでした。

ベアリングを外してオイルシールを外すとこのようになります。
このオイルシール交換作業は経験がないとちょっと難しいかなと思います。

*ちなみに予めオイルシール・ベアリング・外側のOリングが組まれたハウジングASSYも販売されています。

器具を使って圧入します。

アダプターはKTC/17のコマがジャストフィット。

垂直にコンコン叩いて入れても入りますが、リスクを考えたら圧入の方が堅いです。

 

念のためオイルシール外周に液体ガスケットを塗布。

プロペラシャフトと接触する部分は耐水グリスを塗布。

オイルシールを組み終えたところ

お次はベアリングを組みます。

ベアリングは再利用できないので交換となります。

これからもう若干ベアリングを中に入れます。

外側のOリングも交換。

 

ギヤオイルを入れて完了です(ドレンガスケット2枚交換)

シャーピンOK

割りピン交換

 

キャブレター清掃

数か月前ぐらいに第五海遊丸さん自身でキャブを交換していますので、中は綺麗でしたが一通り清掃しておきました。

燃料フィルターは汚れ少々

パーツクリーナーで清掃します。

 

 

サーモスタット点検

塩害は大したことなくゴムパッキンも綺麗で動作良好です。

黄色矢印の部分がキッチリ開いています。

清掃して組付け

ケース内部は結晶が溜まっていましたので清掃しておきます。

ケース内部はどうしても海水が溜まってしまうので結晶がついてしまうのは仕方ないです。

ガスケットは交換となります。

 

その他の作業

●エンジンオイル交換

 

試運転

【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2回始動

【温間始動】アクセルはRESTART位置にて1回始動

【吹け上がり】良好

【検水】良好

アイドリング調整

 

 

交換した部品

ご利用ありがとうございました。

トーハツ2馬力・シフトレバーに塩溜まってました。【福岡県古賀市・Mさん】

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