ゴムボくらぶです
山口県下関市のKさんからトーハツ2馬力のメンテナンス依頼を頂きました。
ありがとうございます。
現状不具合はないものの購入から2年使用とのことで、そろそろメンテナンスに出しておこうといった感じでご入庫いただきました。
型式:3BV(MFS2C)
製造年月:令和2年1月
トーハツ2馬力・使用後はしっかりと水通しを!【山口県下関市・Kさん】
Kさんがボートを購入した当初の話になります。
当時、使い方をよく把握しておらずボートを海に浸ける前に陸上でエンジンを掛けていたとのことです。
その時にインペラを焼き付かせてしまったらしい。
指さしている部分のプラスチックが溶けています。
その時は他所でインペラ交換をしたそうですが、検水口のホースが無くなっています。
恐らく検水口の詰まりをチェックする時にホースを外してそのまま付け忘れてますね。
ボートを入水してすんなりとエンジンが掛かるように、陸上で1回エンジンを掛けておくということを考えがちですが、水冷式は絶対水無しでエンジンを掛けてはいけません。
インペラが焼きつくまでに1分も掛かりません。
2馬力ボートを始める方が多い昨今、Kさんの一例を注意喚起として書かせていただきました。
まず、インペラの状態をチェックしておきます。
あれ?
ガスケットが一部破れて無くなっています。
前回のインペラ交換時に破れてますね。
ガスケット破れたなら交換しましょうよ!
インペラボルトはグリスアップをせずに組み込まれており塩嚙み状態。
突っ込みどころ満載の仕事してますね。
こういった修理って、ぶっちゃけお客さんはどんな修理をしたか分かりません。
他所でどんな仕事をしたかはその後うちに入ると全部分かります。
マリンの看板上げてるなら看板に恥じない仕事をしましょう!
2馬力だからってナメちゃいかんですョw
肝心のインペラですがこんな感じでした。
約2年使っており、ゴム質がやや固くなっておりました。
交換します。
ネジ山はだいぶ塩嚙みしてます。
ネジ山掃除をしてから、塩嚙み防止処理をして組み上げます。
破れていたガスケット交換。
Oリングも交換します。
年製が新しいからエンジン下ろす必要は無いかなと思ってましたが、ドライブシャフトのスプラインの状態を見ると。。。下ろしてメンテナンスする必要がありました。
スプラインって情報が詰まってます。
結構塩が溜まってますね。
令和2年製にしては塩が溜まっています。
以前は使用後に水通しをしていなかったそうで、主にその時に溜まった塩だと思われます。
注)現在はちゃんと水通しをしているとのことです。
海水の塩は強力です。
使用後は水通しをしないと短期間で塩が溜まり水路を塞いでしまいますので重要です!
サーモスタットケース内部もこの通りです。
エンジン下ろした時はシフトレバーの分解メンテナンスをしておきます。
クランクケースヘッドのメンテナンスと塩掃除をして綺麗になりました。
こちらも綺麗に塩掃除完了。
サーモスタットケース内部も綺麗に清掃して。。。
サーモスタットも良好に動いております。
タペットも調整しておきます。
その他の主な作
アノードが白くなっていたらワイヤーブラシで清掃を。。。。
オケ!
入庫時、エンジンオイルが多かったです。
エンジンオイルがこのぐらい多過ぎると内圧が高まってクランクシールからエンジンオイルが滲み出てしまい、周辺がオイルで湿ってしまいます。
エンジンオイルは適量で。
●エンジンオイル交換
●ギヤオイル交換
●プラグ交換
溶けてしまった部品
溶けた部品を交換して、検水口のホースも取り付けました。
試運転
【冷間始動】2回で始動
【温間始動】1回で始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
トーハツ2馬力・定期メンテナンスでトラブルを未然に防ぎましょう【福岡県糟屋郡・Wさん】