ゴムボくらぶです
大阪府和泉市のKさんからトーハツ2馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
バケツ運転とアタッチメントでの塩抜きを同時に使用して水を回したところエンジンオイルが白濁してしまったとのことです。
オイル交換を2回して白濁は落ち着いたが、心配なので見て欲しいということで送っていただきました。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

型式:3BV(MFS2B)
製造年月:平成27年7月
トーハツ2馬力・バケツ運転とアタッチメントの同時使用はNGです【大阪府和泉市・Kさん】

Kさんのトーハツ2馬力は以前私が販売した個体で、それからお付き合いをさせていただいてます(外部タンク仕様)
各部を見ると非常に大切にされているのが分かります。
販売した個体がその後大切にされていると嬉しいですね。

さて、バケツ運転とアタッチメントを同時に使用して水を回したらエンジンオイルが白濁したとのこと。
何故白濁したのか?
このエンジンの構造から考えると白濁するというのはちょっと考え辛いのですが、白濁したそうなので何かしらの要因があったのでしょう。

まずは、分解する前にエンジンオイルとガソリンを入れて調子を確認してみることにします。
アイドリングも安定しており特に不調はありません。
どうして白濁したのかを考えてみますが、トーハツ2馬力はヘッドとシリンダーブロックが一体型なのでヘッドガスケットが抜けるとかはありません。
ガスケットをへだててクランク室と水路が隣接している箇所ってオイルパンのガスケットぐらいしかありませんが水圧でガスケットが抜けるということは考えにくく、仮にそうであればオイル交換してもその後も白濁し続けるはずです。
視野を広げてエンジンオイルが白濁する可能性がある要因というところで考えると、ブローバイホース、吸排気からの流入(ピストンリングの隙間から)ぐらいしか考えられないんですが、状況的に見てそれらの可能性も極めて低いです。

う~む、念の為圧縮も計りましたが問題ありません。

各部のチェックをしていきましょう。

割れや亀裂なども特にありません。
各部をチェックしましたが白濁するような原因は特になく、各部問題無い状態でしたのでこちらの調査は終了とします。
では、エンジンを下ろしたタイミングでその他のメンテナンスもやっていきます。

クランクケースヘッドの状態

綺麗になりました。


シフトレバーのオーバーホールやっときます。

片側Oリング切れてました。

ウォーターパイプのチェック
OK
グロメットは排圧でほぼほぼダメになってますので交換します。

海で使ってれば溜まるべき箇所に必ず塩害が蓄積しますので、数年に一度のペースで定期オーバーホールをするのがBESTだと思います。

キャブレターの清掃

何か溜まってますが、これは塩分です。

サーモスタット動作OK

水路は全体的に綺麗でした。

インペラ交換しときます。

OK!

ギヤオイル交換、OK

バッチリ絶好調でございます♪
末永く大事に使っていってください。
ご利用ありがとうございました。
トーハツ2馬力・キャブ再セッティングで絶好調になりました~【岡山県岡山市・Kさん】