ゴムボくらぶです
山口県下関市のUさんからホンダ2馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
3年ほど前に海上で突然オイルがダダ洩れになってしまったらしく、その後は使うこともなく保管していたというホンダ2馬力。
修理をしてまた使おうということで今回お持ち込みいただきました。
オイル漏れ以外もおまかせメンテでご依頼いただいていますので、一通りメンテしていきます。
製造年月:22年5月
型式:BZBF(BF2D6)
では、見ていきましょう!
オイル漏れの原因を探る
お聞きしている情報としてはジワジワと漏れたのではなく一気にドバ~と漏れたらしいです。
こういった漏れ方はレアなケースなのですが原因は一体何なのでしょうか?
現状エンジンオイルは入っていない状況でしたので、試しにエンジンオイルを入れてみます。
すると。。。
ヘッドカバーの付近から漏れだしました。
これはヘッドカバーが怪しいですね。
エンジンを下ろす
エンジンを下ろしていきましょう。
よく錆びてます。
プレートもサビサビ
ヘッドカバーもサビサビ
エンジン固定ボルトはこの通り
当然普通に緩めて外すことは不可能なので、この作業は何回やっても大変ですねぇ~
どうしてもボルトが抜けなかったので、クラッチケースやアンダーカウルも一緒に下ろしました。
ボルトの頭だけでなくネジ山も塩害を受けて固着していますね。
ようやくエンジン単体になりました。
ヘッドカバーに大穴が!
腐食した部分が海上でボロっと剥げ落ちてオイルがダダ洩れになったという状況ですね。
タペット調整をしてステンレスヘッドカバーに交換しました。
キャブレターの清掃
お次はキャブレターの清掃をしておきましょう。
チャンバーが大変なことになっております。
真ん中のボルト緩むかな。。。
何とか真ん中のボルトを緩ますことができてチャンバーを外せましたが、
最初のやり方を間違ったら益々山をなめてドツボに嵌るパターン。
吸い込み口側もだいぶ汚れが溜まっています。
暫く浸け置きして清掃します。
燃料タンクの内部や燃料フィルターの清掃もしておきます。
エアーベントの消耗部品は交換
ロアケースの固定ボルトが折れた~!
ホンダ2馬力の鬼門であるロアケースの固定ボルトが折れました。
このボルトはほんと塩嚙みし易いです。
D4やD6は特に要注意
このボルトは固着している場合、ドライブシャフト側のオイルシール交換など必要に迫られない限りは無理に外さない方が賢明ですね。
通常このボルトが折れてしまったらロアケース交換という流れになりますが、ロアケースは万円超えの価格なので、できれば現物修理で何とかしたいところ。
折れボルトを修正するために分解します。
ステンレスボルトで残っている部分が長いのでなかなかの難しさ。
最終的には、ねじ山を再生することができました。
ここまで分解しているのでオイルシールを交換しておきましょう。
内側にはラバーグリス(シリコン系グリス)を塗って羽根のかじりを防ぎます。
船外機は塩害によるアルミ腐食などがありますので外周には液体ガスケットを塗って組んでおいた方が安心です。(銅の部分のオイルの流れる溝を塞がないように薄く塗ります)
もちろん今回も液体ガスケットを塗って組んでいます。
オイルシールにはシリコン系の液体ガスケットがオススメ↓
その他の作業
●ギヤオイル交換
●エンジンオイル交換
●プラグ交換
●スターターロープ交換
●イグナイターメンテナンス
●シャーピン交換
●プレート交換
●ブローバイホース交換
●各部グリスアップ
ステンレス化ゴムボ仕様
試運転
【冷間始動】チョークを引いて2回で始動
【温間始動】1回で始動
【吹け上がり】良好
スロー調整・アイドリング調整
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
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