ゴムボくらぶです
愛媛県四国中央市のSさんからシープロ9.8馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
自己メンテナンスでサーモスタット交換にチャレンジしたところ、ボルト2本を折ってしまったとのこと。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

製造年月:平成26年10月
型式:3K9
シープロ9.8馬力・あちゃ~!自己メンテナンスでやっちまった~!【愛媛県四国中央市・Sさん】

平成26年製とまだ新しいのでまぁ大丈夫だろうという感じでチャレンジしてみたんだと思います。
私の感覚で言うと旧ガスケットが入ってて海水使用の場合、使用回数10回未満とかそんんな極浅なレベルな使用回数でないと固着があると考えた方が良いです。

折れたボルトにマイナスを切って緩めようとしたようです。
六角の頭で緩まないものがマイナスではまず緩みません。

そして、最も問題なのがこちらです。
ボルトが折れて逆タップを入れて、更に逆タップも折れてしまってます。
こうなるとどうしようもなくなってしまいます。
負のスパイラルをやってしまってます。
そして、折れた逆タップをヤスリで削ったのでしょう。
シリンダーが削れて低くなってしまってます。
ドリルの穴ズレも酷いですし、こうなると例えこのネジ穴が何とかなったとしても仕上がりが低クォリティなのは間逃れません。
ヘッドまわりは重要な心臓部です。
「なんとかなった」という危うい状態で使うよりも、今後安心して使っていくことを優先しシリンダーブロックを交換することにしました。
ちなみに、逆タップは軽度な固着しか緩めることが出来ません。
硬度が高いツール故に「これ以上回したら折れる」という上限を把握して使わないと高いリスクを伴います。


ピストンは気になる傷も無く立派なもんです。
ご自身でオーバーホールをされる予定だったようでいろいろとパーツを注文されてました。
パーツも一緒に送って来られてますので、ピストンリング等も交換して組み上げます。

クランクロアのベアリングが若干ゴロ感がありましたので交換して組みます。

新品のシリンダーブロック
ピカピカ!

ヘッドカバーに深い傷が入ってました。
アルミはデリケートなのでタガネを当てて良い箇所とダメな箇所があります。
大事な愛機、自己メンテナンスでする箇所と業者に依頼する箇所は分けて考えた方が品質を下げずに維持していけるかなと思います。

バッチリ仕上がってきてますよー

クランクケースヘッドのオイルシール交換。

新品は気持ち良い

インペラ及びドライブシャフト側のオイルシールは交換されたとのことですが、プロペラシャフト側のオイルシールは交換されてないそうです。

プロペラシャフト側のオイルシールを外したところ。
このオイルシールは固いんですよね。

交換完了♪

キャブレターをキッチリ清掃してからセッティングをします。

ロープが短くリコイルの巻き数も合っていなかったので交換&調整しました。
今回、最初から当店に出して貰ってたら固着ヘッドボルトを外せてシリンダーブロック交換にもなって無く費用も抑えらたところでしたが、勉強代と思って。
バッチリ仕上げてますのでまた大事に使っていってくださいませ^^
ご利用ありがとうございました。