こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
静岡県静岡市・Oさんよりトーハツ2馬力の修理依頼を頂きました。
製造年月:30年4月
型式:3BV(MFS2B)
では、見ていきましょう
シフトレバーの固着修理
まずはシフトレバーの固着修理から始めます。
完全固着ではないものの動きはかなり固くこれでは快適に使えません。
サクサクばらして戦闘態勢に入ります!
工具を当てて叩きながら抜いていきますが、気をつけないといけないことがいろいろとありますので神経使います。
抜けてきました。
ヨシッ!
抜けました。
ブログで書くと簡単ですが実はかなりの時間掛かってますw
幸いにもシフトレバーの変形などはありませんので再度使えます。
Oリングを交換しシール性の高い強力マリングリスを入れます。
グリスニップルのネジ山からシフト軸までの間も塩まみれでしたのでキッチリ清掃しておきます。
塩の侵入経路となる内側からもガッツリガードしておきます。
ウォーターパイプのグロメットも交換しました。この部分をきちんと処理しておかないと組付け後にアイドルポートから通常以上に水がブシュブシュ出ます。
インペラ交換
年製はまだ新しいものの使用回数は多い感じがしましたので、この機会にインペラも交換しておきます。
インペラボルトが折れないようにベストを尽くしましたが残念ながら1本折れました。
折れボルトを抜くにはまずポンンプベースを外さなければなりません。
ポンプベースが外れたところ
ポンプベースを外す作業は周辺が傷つきやすいですのでガムテープを4重にして養生します。
強烈な塩嚙みですね
ポンプベースを外しても折れボルトは簡単には外れませんのであの手この手で外します。
オイルシール類を交換
Oさんが以前ギヤオイルを交換した時に白濁があったとの情報を聞いており、その辺りも見ておいてくださいと言われています。
上の画像は今回私が抜いたギヤオイルで白濁はありませんでした。
しかし遠方から当社を選んで頂き送料を掛けて送って頂いていることを考えると大丈夫だろうという曖昧な感じでお返しするわけにはいかなく、このメンテで確実に安心をお返しする必要があります。
海水の侵入経路となるオイルシールやOリング類を交換することにします。
ちなみにペラ軸にはラインが巻き付いていました。
ペラ側のオイルシールは手前にベアリングがあってその奥にオイルシールがあるため、まずベアリングを外さないといけません。
ベアリングを外してオイルシールも外しました。
オイルシールを組む時には内側にシリコン系のグリスを塗ります。
私はWAKO’Sのラバーグリスを使っています。
そして通常オイルシールは外側は何も塗らなくて良いのですが、水中で使うものですので念には念を。。。
ということと、取り付ける時の滑りを良くするために液体ガスケットを塗ります。
ここは柔らかめのシリコン系液体ガスケットを使うのが最適です。
ドライブシャフト側はポンプベースを交換することにします。
●新品のポンプベースは最初からオイルシールとシフトのOリングが組み込まれています。
ポンプベースは外すと傷つく場合が多いので完成度を考えると交換した方が良いです。
インペラやケース内部のOリングなどを交換します。
キャブレター清掃
キャブレターを清掃しておきます。
ちなみにキャブレターの清掃はパーツクリーナーのみで済ましたり、安いキャブクリーナーを使うと汚れが落ちずに無駄な時間と労力になりがちなので、効果が確かなものを使うことをおすすめします。
私は↓のキャブクリーナーとパーツクリーナーを使ってます。
チャンバー内に少し汚れが溜まっていますね。
メインジェットが固着しておりメインノズル共に外すことが出来ませんでした。
今回、取り付けたままで清掃しましたが組付け後の確認では現状エンジンの調子は絶好調でした。
現状、メインジェットが外れないからといってキャブレターごと交換する必要はありませんが、今後メインジェットを外さないと調子が良くならないといった症状が出た時には交換する流れになります。
燃料フィルターはゴミ少々
清掃しておきます。
その他の作業
舵の重さを調整する画像のノブが固着しておりましたが復活させることができました。
アノード交換(画像は交換前)
プラグ交換
タペット調整
サーモスタット点検OK
各部グリスアップ
ギヤオイル交換
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2回始動
【温間始動】アクセルはRESTART位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
トーハツ2馬力・インペラボルト折れた~【福岡県糟屋郡・Wさん】