こんにちは、D2(@gomubo_club)です
山口県・ぷろぺらさんからホンダ2馬力船外機のメンテナンス依頼を頂きました。
おまかせでOKとのことなので、一通りのチェックを行いメンテナンスを行うことにします。
今回、ホンダ2馬力の定番作業であるステンレスボルト化&ステンレスヘッドカバー化も同時に行います。
ステンレスボルトはYES 安原エンジンサービス様がオリジナルで販売されているステンレスネジセットを使用します。
S足からL足に変更
ぷろぺらさん所有のボートはS足が適正なのですが、購入当初はSやLの規格がよく分からずにLをオークションにて購入してしまったとのこと。
S足が適正であるボートにL足をつけても使用できますが、抵抗が増えてスピードが出辛いうえに、船首が上がり易いというデメリットがあります。
そういったことを踏まえてぷろぺらさん、いずれはS足に変更したいということでした。
今回のメンテナンスではエクステンションケースを交換しますので、S足に変更するつもりならば、この機会に同時に作業を行った方が工賃の面で無駄がありません。
金額面等、プロペラさんと話し合ったうえで、今回メンテナンスと同時にL足からS足への変更もすることになりました。
型式:BZBF(BF2D4)
製造年月:17年1月
ホンダ2馬力メンテナンス開始
まず、エンジンの掛かりやアイドリングの安定性を見るためにバラす前にエンジンを掛けてみます。
チョークを引いてアクセルはSTART位置で1回でエンジン始動して、エンジンの掛かり良いです。
アイドリングも安定しています。
では、始めます。
製造から14年経っているのできっと内部はかなり錆びているだろうなと思いながらカバーを開けてみると意外や意外、殆ど錆びが無い綺麗なエンジンです。
マフラーボルトも錆びていません。
各部の状態から見ても、使用頻度の少ないエンジンだと思われます。
初期型のBF2D4はエクステンションケース上部の構造が弱く割れる事が多いため、ぷろぺらさんの目の前で割れていないかを確認してみます。
やっぱり・・・割れています。
ぷろぺらさんはこの割れに気づいていなかったようです。
遠心クラッチが繋がると、もろに負荷が掛かる部分です。
マイナーチェンジされたBF2D6以降の機種ではこの部分が肉厚になり強化されているので、問題無いのですが、初期型のBF2D4は注意が必要です。
ケースキッドエクステンション交換確定
ホンダ2馬力メンテナンス・エンジン外し。固定ボルトが腐食
初期型ホンダ2馬力では鬼門とも言えるエンジン固定ボルト4本。
このエンジンはどうだろうか?
やはりかなり錆びていますね。
外から見える1本のみ前オーナーさん?がステンレスに交換していましたが、残り3本はなかなかの腐食状況。
2本は外れたものの最後の1本は山が崩れ過ぎて、9mmソケットを叩き込んでもも外れない。
こうなるとボルトの頭をドリルで飛ばす方法が手っ取り早く、ドリルで頭を飛ばしました。
エンジン下りました。
塩の固着もなく綺麗ですね。
ホンダ2馬力の定番作業
ステンレスヘッドカバー&ステンレスボルト交換でピカピカになりました。
初期型のBF2なのでパワーアッププレートが標準装備です。
ホンダ2馬力メンテナンス・燃料フィルター点検&清掃
錆びが付着してかなり汚れていますね。
前オーナーさん、あまり使っていなかったゆえに携行缶内が錆びて燃料タンク内に入ってしまったのでしょうか。
このような状況を踏まえて、ガソリンタンク内及び燃料ホース内も清掃します。
ホンダ2馬力メンテナンス・キャブレターオーバーホール
キャブレターガスケットセットを使って、ガスケット類は全て交換しオーバーホールをします。
チャンバー底に汚れが溜まっています。
これは、チャンバー内に残ったガソリンが長期間経って物質が変化したものです(黒くなっている部分)
ぷろぺらさんは購入後、この状態で乗られておりエンジンの調子は良かったようですが、燃料フィルターやキャブレター内の状態を見ると海上でトラブルにならずに良かったなと思います。
こういった汚れをメインジェットが吸い込んだらエンジン停止してしまいますから。
頑固にこびりついていましたが、清掃して綺麗になりました。
キャブレターの清掃には泡タイプがおすすめ!
ホンダ2馬力メンテナンス・シャーピン点検&交換
シャーピンだいぶ曲がっていますね、当然交換します。
ホンダ2馬力メンテナンス・エクステンションケース交換
ケースキットエクステンションの内容
冒頭に書いたようにエクステンションケースの上部が割れているため交換します。
エクステンションケースは単体部品としての供給が無く「ケースキットエクステンション」として周辺のパーツがセットになっている部品になります。
左側が今まで付いていたものです。
新たに組み付けるエクステンションケースは矢印の部分が肉厚となり強化されており、マイナーチェンジ後のBF2D6以降のものと同じ部品になります。
これもう割れる心配はありません。
ホンダ2馬力メンテナンス・L足からS足へ変更
ドライブシャフトを抜くためにロアケースを分解します。
ドライブシャフト側ギヤ
ペラ側ギヤの奥にはベアリングが入っています。
L足用のドライブシャフトとS足用のドライブシャフト。
これだけ長さが違うのですね。
L足からS足への変更にはマフラーを固定しているブッシュも部品が違う為、交換が必要です。
マフラーも抜いて組み替えます。
塩害も無く、錆も少なく綺麗ですね。
適所をステンレスボルトに変更しながらエンジンまで組み上げました。
割れていた部分のボルトも六角からHEXに変わりました。
ステンレスボルトセットに付属されている青い液体は、緩め止め防止にエンジン固定ボルトに塗ります。
ホンダ2馬力メンテナンス・スターターロープ交換
恐らく新品から一度も交換していないと思われるスターターロープ。
劣化していますね。
当然交換します。
ホンダ2馬力メンテナンス・L足からS足へ変更完了
S足になりました。
アンダーカバーからロアケースまでの間は新品になりましたので綺麗ですね。
ホンダ2馬力メンテナンス・始動性やアイドリングチェック
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて1回始動
【温間始動】アクセル・アイドリング位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
スロー調整・アイドリング調整
ホンダ2馬力メンテナンス・交換部品
ご利用ありがとうございました。
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