ゴムボくらぶです
岡山県岡山市のUさんからホンダ2馬力の修理・メンテナンス依頼を頂きました。
ありがとうございます。
購入から1年と新しいですが、アクセル全開にするとクラッチが滑ってスピードが出なくなるとのこと。
Uさん自身でエンジンを下ろして原因を探ってみたらしく、エンジンオイルが漏れておりクラッチケース内にオイルが溜まっているらしいです。
その他、おまかせコース承りました。
型式:BAAC(BF2DH)
製造年月:2021年07月
ホンダ2馬力・購入から1年でオイル漏れ・原因は一体!?【岡山県岡山市・Uさん】
エンジンオイルが漏れていると聞いてますのでまずはエンジンを下ろしました。
クラッチシューのアップ
真っ黒になってますね。
フムフム。。。
クラッチシューが当たる相手側。
こちらも真っ黒になってます。
ゴムのカスのような物がたくさんあります。
オイルシールを見てみると予想通りここから漏れてますね。
オイルシール交換完了。
クラッチシューも交換です。
購入から1年ですが各部の状態から使用頻度は高いのが分かります。
この機会に各部をメンテナンスして1回リセットしておきましょう。
タペットのクリアランスは基準値の範囲より広くなってましたので調整しておきました。
ステンレス化もしながら組み上げてます。
エクステンションケース内部には結構塩が溜まってました。
ケース内部から出てきた塩
走行中に異音がしているかもしれないと言われておりましたが、固まった塩は石のように固いのでこういった塩からシャラシャラ・カラカラと異音がしていたのかなと思います。
ドライブシャフト・マフラー共に錆びてますが、今ならまだ戻ります。
このように。。。
キャブレターの清掃もしておきましょ~
パイロットスクリュー汚れてます。
デリケートなパーツなので少しの汚れでも不調に繋がりますのでしっかりと清掃しておきます。
カウルの外からでもガソリンの残量が分かるようにカスタムされています。
これは便利ですね!
錆びていたイグナイターも綺麗になりました。
ロープ交換
ギヤオイル交換
白濁無し
シャーピンは少し曲がってたので交換しておきました。
オイルシールがダメになってしまった原因は!?
購入からまだ1年なのに何故オイルシールがダメになってしまったのでしょうか?
ゴムボ、考察します。
当初、漏れたエンジンオイルが付着してこのように黒くなってしまったのかと思いましたがどうも違うようです。
クラッチケースはオイルで黒くなったのではなく焼けています。
そして、ケース内部に散乱したゴムのカス。
組み上げ後にエンジンを始動してみるとアイドリング回転数が高い。
アイドリングで2300~2400回転ありペラが動いています。
クラッチが繋がるのが2350~2400回転ぐらいなので、丁度繋がるか繋がらないかといった状態です。
この状態だとクラッチシューが摩擦で熱を持ってしまいます。
クラッチシューが摩擦で熱を持つ→その熱がオイルシールまで伝達される→オイルシールがイカれる→オイルシールのリップ部分がダメになってカスが飛び散る
という流れだと思います。
アイドリングが高いと始動性は良くなりますが遠心クラッチという方式故に、高くし過ぎるとこういった弊害が出てきます。
当然、アクセル操作で船を立てるとか微速で流し釣りをするとかそういった釣り方にもリスキーです。
ホンダ2馬力のアイドリング回転数の基準値は2000回転です。
アイドリング回転数は一定ではなく多少は上下しますが、2100回転台までで調整した方が良いです。
以上、ゴムボの考察でした。
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
ホンダ2馬力・中古購入は最初にメンテナンスをしましょう【山口県下関市・Nさん】