ゴムボくらぶです
愛知県佐倉市のSさんからトーハツ5馬力2ストのメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
中古で入手されたトーハツ5馬力
現状普通にエンジンも掛かるとのことですが、これから10年20年と使っていきたいとのことでフルオーバーホールのご依頼を頂きました。
最初はエンジンの中身を全て新品にして欲しいとのご希望でしたが、エンジン内部の機械物に関しては交換する必要があるかどうかは目視で確認できるため、内部を確認してからの判断で良いのでは?というご提案をさせて頂きました。
シリンダーブロックやクランクシャフトなどは部品代もかなり高いため、状態が良好であればそこにお金を掛けるのは無駄な費用だと思ったからです。
内部を確認してみて問題がある状態であれば勿論交換します。
逆に現状良好な状態であっても、末永くトラブル無く使っていく上で交換しておいた方が良いパーツなどもあります。
このあたりは私におまかせ頂いて、オーバーホールを進めさせていただくこととなりました。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)
型式:369(M5B)
製造年月: 15年6月
トーハツ5馬力・フルオーバーホール・10年20年使えます仕様にいたします!【愛知県佐倉市・Sさん】
年製のわりには腐食も少なく状態は良いようです。
新品と比べて遜色のないレベルに仕上げます。
CDIはある日突然壊れることがありますので、こういったパーツも交換しておきます。
エキサイターコイル、錆びも無くかなり状態良いです。
シリンダーブロックで重要なのは水路腐食の有無とライナーの状態。
水路に腐食は無く非常に良い状態です。
オイルシールなどの消耗部品は状態がどうであれ交換しますが漏れてます。
今回交換するパーツ約60点です。
ヘッドカバーの状態、良好なので清掃でOKです。
ピストンには表面的な薄傷が入ってます。
べアリング錆びてます。
内部の金物はこれだけ交換します。
バッチリ
シリンダーは爪に掛かる傷も無く良好な状態ですので交換する必要はありません。
シリンダーにはライナーという鉄のスリーブが入っており、アルミ製であるピストンに表面的な薄傷程度が付いている場合でもライナーには傷は入りませんので、ピストン側だけ交換すればOKです。(このあたりはケースバイケースです)
ギヤ回りをやってきましょう。
ドレンボルトの溝がナメ気味でマイナスドライバーでは緩めることが出来ませんでした。
タガネで外しましたが新しいボルトに交換しておきます。
インペラはこんな状態でした。
スラストホルダー完全固着
この部分はグリスアップ必須箇所でペラのナットを締め過ぎてはいけません。
ガタツキが無くなる程度の締め具合が適正です。
スラストホルダーは溝がテーパーになっているため、固く締め込むとどんどんめり込みます。
こちらのベアリングもサビサビ
ポンプベースです。
左:改良版
右:販売当時物
写真のように改良版は溝が切ってます。
このように現行品は改良されているパーツが結構あり、こういった情報はトーハツ販売店だと情報を入手することが可能でバッチリ仕上げる為には非常に有効です。
プロペラシャフト側のベアリング
各ねじ山を綺麗に清掃してグリスアップして組みます。
後々、ボルトが固着しない為の大事な作業です。
スラストホルダーも新しくなってバッチリ良い状態です。
シフトレバーも勿論オーバーホール
キャブレターのオーバーオール
キャブクリーナーは信頼のヤマルーブを使います。
綺麗な金色に戻りました。
燃料ポンプもオーバーホールしときます。
この機種はヘッドボルトが錆びて固着し易いためステンボルトに変更します。
効果の持続性やかじり防止を考えてワコーズのスレットコンパウンドを塗布します。
かなりいい感じで仕上がってきましたが、ペラが非常に残念な状態です。
塗っときました。
アノードの効果が無いため、錆び易い箇所です。
こういった部分なども勿論交換。
新品と比べても遜色ないグッドコンディションになりました。
最後はキャブセッティングをします。
今時期はまだチョークを使わずアクセルも開けない状態で掛けた方が良いです。
バッチリ仕上がりました^^
ご利用ありがとうございました。
トーハツ5馬力・未使用品ではありますが最初にメンテナンスを【愛知県佐倉市・Sさん】