ゴムボくらぶです
鳥取県のIさんからヤマハ20馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
地元のショップでメンテナンスをしたそうなのですが、中・高速運転をしているとオーバーヒートの警告ランプが点灯するとのことです。
ショップに相談したところペラが悪いと言われて交換したそうなのですが解決せず。。。
といった経緯があります。
＊当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております（技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます）
型式：6AHK
製造年月:08年05月
ヤマハ20馬力・オーバーヒートの警告ランプが点灯する原因は？【鳥取県・Iさん】
ショップの方でキャブ清掃やインペラ交換など一般的なメンテナンスを行ったとのことです。
ただ、何故かサーモスタットの点検はしていないそうです。
となればサーモスタットの故障か水路の塩詰まりが考えられます。
そのショップの店主さんは検水は出ているのでサーモスタットは悪くないと強気で言われてたそうなのですが、検水とサーモスタットの動作は関係なくその認識は間違ってます。
サーモスタットの点検をしてみたところ開きません。
アウトです。
水路が綺麗だったのでホッとしました。
塩詰まりが原因であればエンジン全バラして塩清掃しなければいけませんので。
エンジンアノードの状態が悪いので交換します。
メンテナンスを依頼されてどこまでするかはショップ次第ですが、他店はこんなもんかと思います。
タイミングベルトの交換歴が無さそうなので交換しておきます。
恐らく1度も交換して無いでしょう。
切れたら終了です。
コイルの錆を落としておきましょう。
アノード・サーモスタット・タイミングベルト交換
落とせる錆はこのぐらいまでですね。
ギヤオイル交換もしているとのことでしたが白濁してます。
規定量250mlのところ100mlしか入ってません。
水面に油膜が出来るとのことですのでオイル漏れの原因を考察していきます。
当たり前ですが漏れているのはエンジンオイルかギヤオイルのどちらかです。
ドライブシャフトハウジング下部がオイルまみれになってます。
良く観察するとこれは上からではないです。
ポンプケース周辺にも油分混じりの汚れが付着してます。
ギヤオイルが外に流出してるようですね。
ロアケースのオーバ―ホールをしましょう。
ロアケースのオーバーホールはそれなりに大変です。
特に年製が古い物は。。。
ギヤオイルが白濁しててもオイルだけ交換して知らん顔ってショップが現実的には多いと思います。
例えばこういったパーツ
ボルトを外せば簡単に外れるかと言うとまず外れません。
インペラは交換してるので再利用します。
インペラを交換してるのみでOリングやらも交換して無いし清掃もしてないしでやっつけ仕事感満載w
オイルシールやOリングなど交換完了。
ポンプベースは塩害少なくしっかりしてます。
こちらも交換完了
黒くなっている所は海水が侵入した後です。
Oリングの当たり面などを整地します。
組みます組みます。
OK!
ロアケースについているアノードです。
真っ白け
アノードはいつも綺麗にしていることで最大限の効果を発揮します。
キャブも清掃済みなはずですがロアケースがあんな状態でしたのでこちらも見ておかないと不安です。
結構汚れてる
清掃した？
上蓋を開けるとこちらも結構汚れてます。
大事な部分ですョ
納得いくまで清掃しました。
キャブも見ておいて良かった。。。
その他、気になったとこはチェックしました。
スイベルはグリスっ気がなかったのでグリスアップ。
始動性・吹け上がり・検水共にOKです。
ヘッドの温度も計ってみましたが正常です。
これで大丈夫です。
安心して使ってください。
ご利用ありがとうございました。
