ゴムボくらぶです
兵庫県神戸市のOさんからヤマハ2馬力2ストのメンテナンス依頼を頂きました。
ありがとうございます。
お知り合いの方から譲り受けたとのことですが、現状ガソリンが漏れているとお聞きしています。
フルチェックしていきましょう。
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型式:6A1
製造年月 1995年07月
ヤマハ2馬力(6A1)・最終的に全バラすることになりました【兵庫県神戸市・Oさん】
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6A1をメンテナンスするのはこの個体で3機目となります。
今回の個体はどんな状態でしょうか。
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こちら燃料タンクの中
長年使っていなかったようですね。
残った混合油が腐敗してますので徹底的に清掃します。
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燃料ホース、カッチカチ
こういったゴム類は劣化していますので交換です。
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キャブレターの中もかなり汚れております。
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バルブシートも完全に詰まっております。
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取り合えずフロートバルブを清掃してみましたがメッキも剥がれているので交換しときましょう。
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燃料フィルターがヤバいです。
フィルターとなる網の部分が破れておりフィルターの意味を成しておりません。
当然交換
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綺麗になりました。
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駆動系のメンテナンス
6A1のドライブって海水が浸透しないようにカバーが付いているんです、抜いてみるとオイルが溢れ出てきました。
あちゃ~、オイルシール逝ってるわ。
エンジン下ろし確定。
メンテナンスに入れていただく前に概算いくらぐらいですか?
と聞かれることが多いですがエンジンを下ろす必要があるか無いかで費用が変わってくるところもあり、エンジンを下ろすことで必然的にガスケットなども必要になってきます。
こういった状況というのは実機を見てみないと分かりません。
特にヤマハはパーツ代が高いですから困ったもんです。
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ギヤオイル白濁しとります。
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インペラの状態は意外にも悪くなかったですが、いつ交換された物なのかも不明なためここは割り切って新品に交換しておきます。
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オイルシールを交換するにはごっついライナーを外さないといけませんが、固着しており外れません。
こういった場合はライナーやその下にあるプラスチックのプロテクターも壊して外すしかありません。
部品の構成数が多いためおのずと交換部品が多くなります。
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ようやくライナーが外れました。
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そして姿を現したオイルシール
塩がかなり蓄積しており冷却水を吸い上げる水路も塞がっています。
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塩をこさぎ落としていくとこの通りです。
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オイルシール交換完了
ライナーやプロテクターの再組付けにはグリスアップをします。
余談ですが、船外機ってボルト以外にもグリスアップをすべきポイントが多々あるんです。
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新しいインペラ
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さて、クランクのオイルシールを交換します。
水路に腐食は無く良い状態です。
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もう、クランクシール交換するならピストンまで抜きます。
最終的にフル分解。
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ピストンリングの溝、汚れてますね
清掃しときましょ。
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良い状態になりました。
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クランクベアリング下側
若干異音が出ています。
交換しておきます。
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STOPスイッチの劣化ですが、これは同機種で過去にもありました。
交換しておきましょう。
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常に目に入る部分なので新しくなると気持ちが一新します。
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切れそうという訳でもありませんでしたがロープが新しいと安心感がありますし、気持ちが良いですよね。
数百円の投資です。
交換します。
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グリスを新しくすることによって引っパる時の抵抗も少なくなりスムーズになります。
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珍しく画像がブレてしまった(汗)
すいません。
これからこのヤマハ2馬力を使うにあたりご存知かどうかは分かりませんが、
チョークの使い方を載せておきます。
冷間始動時以外は画像のようにレバーを右向きにしておきます。(分かり易いよう白点をつけておきました)
チョークを使う時は白点と反対側にレバーを向けます。
そして、エンジンが掛かったら白点の方向にレバーを向けます。
冷間時でもわりと始動性が良いので、まずはチョークを使わずにロープを引っ張ってみて掛からなかったらチョークを左向きに動かすようお願いします。
最後にちょっと小話を。。。
ヤマハは正直パーツ代が高いです。
他メーカーの純正品でも同じ物ってことがわりとあり、そういった部品は他メーカーの純正部品を使用することで費用を抑えることが出来ます。
今回、そういった知識を活用し他メーカーの純正部品を使ってし上げているところが複数あります。
勿論、純正部品なので品質的には全く問題ありません。
ご利用ありがとうございました。