ゴムボくらぶです
福岡県福岡市のKさんからトーハツ2馬力のメンテナンス依頼を頂きました。
ありがとうございます。
帰航時に突然エンジンが停止してしまい、その後全く掛からなくなったとのこと。
幸いにも出航地の近くまで戻って来ていたので、その後はオールで漕いで無事帰航したとのことです。
岸に近かったのが不幸中の幸いでした。
一体何が原因なのか!?
型式:3BV(MFS2B)
製造年月:26年8月
トーハツ2馬力・海上でこの故障は恐ろしい!【福岡県福岡市・Kさん】
エンジンが掛からないのは何が原因なのかを探っていきます。
圧縮はあるか?
燃料はきてるか?
火は飛んでるか?
など、各部を点検していったところエンジンに燃料が来ていないということが分かりました。
原因が絞られます。
ハイ、原因見つけました。
ロッカーアーム折れ。
これ、過去にもトーハツ2馬力で同じ故障がありました。
これで2回目の事例となります。
エンジンオイルはちゃんと入っていましたが。。。構造的にちょっと弱いかもしれません。
2馬力船外機の殆どはオイルポンプが無く、スリンガという水車のようなものでオイルをエンジン内に飛散させて全体を潤滑をしています。
このような構造なのでエンジンオイルの管理はシビアにしないといけないのは勿論のことですが、オイルの質も重要です。
オイルポンプが無いゆえに2馬力船外機は特に保護性能が高いオイルの使用をお勧めします。
私が過去使ったオイルの中でこれは良いと思い、個人的に自分のトーハツ2馬力に使っているエンジンオイルをご紹介します。
スズキマリンの純正オイルでMOTUL製になります。
10W-40の部分合成油
このオイルはタペット音が小さくなりメカニカルノイズが軽減することから、潤滑性能・保護性能が高いことが分かります。
スズキマリン純正のオイルですが、トーハツ船外機にも使えますしその他のメーカーに使っても問題ありません。
少しコストは掛かりますがトーハツ2馬力だと1Lで3回オイル交換ができます。
ホンダなら4~5回使えますね。
おすすめなオイルです。
興味がある方は是非使ってみてください。
さて、エンジン内部の確認しておきたい部分があるので分解します。
エンジンのアンダーケースの錆びボルト。
こんな状態になっているボルトがあるのが船外機の怖いところです。
こんなとこのボルトが折れたら大変です。
ちなみに緩める前に6-66を掛けましたが全く内部までは浸透していないのが良く分かります
無事抜き取り成功。
勿論このボルトはもう使いませんよ。
各部をチェックチェック
各部問題無し
こちらクランクケースヘッドのメンテナンス
このオイルシールはだいたいこんな感じで塩まみれになってます。
当然シフトレバーも分解メンテナンスしておきます。
ロッカーアーム復活
インペラは前回交換から2年ぐらい経つので交換しておきましょう。
その他の主な作業
●サーモスタット点検OK!
●ギヤオイル交換
このギヤオイル交換アイテムは使いやすくておすすめです!
●キャブレター及び燃料系のメンテナンス
過去にガソリンがオーバーフローしたことがあったと言ってましたので、フロートバルブ交換しておきました。
試運転
【冷間始動】チョークを引いて2回で始動
【温間始動】1回で始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
トーハツ2馬力・スターターロープが引けません!【長崎県大村市・Sさん】