ゴムボくらぶです
山口県山陽小野田市のUさんからトーハツ2馬力のメンテナンス依頼を頂きました。
ありがとうございます。
釣りを楽しんでいたところ、海上で不動になってしまったとのことです。
無我夢中でロープを引っ張り続けて切れてしまったスターターロープ
こうなると絶望的です。
幸いにもお友達も一緒に出てた為、曳航してもらい無事帰航したとのことです。
良かった。。。
その日の帰り道にお持ち込みのご連絡を頂きました。
型式:3BV(MFS2B)
製造年月 27年8月
トーハツ2馬力が海上で不動になりました!【山口県山陽小野田市・Uさん】
さて、何が原因なのか?
預かったままの状態でまずはエンジン始動を試みるも掛かりません。
疑わしきはキャブなので清掃してみます。
ん?
チャンバー底には何やら異物があります。
海水が結晶化したものです。
燃料フィルターの状態
メインノズルも汚れてます。
この汚れは過去、このラインまで海水があったということです。
キャブを清掃して再度エンジン始動を試みるもまだ掛かりません。
あれ?
キャブが原因ではないようです。
その掛からない状況からもヒントはあるもので、どれだけ燃調を濃くしても薄い状態です。
これはおかしい。。。
圧縮を計ってみると低い。
ロープを引っ張った感触でもやや圧縮が低いなとは感じていたものの、これは内部の状態が何かおかしいはず。
左:EX側
右:IN側
IN側バルブ
EX側バルブ
主にアクセル全開で走る2馬力船外機では珍しいケースではありますが圧縮漏れしてます。
特にEX側がダメです。
バルブ新品に交換します。
久々にタン!タン!タン!タン!ニシタンタン!な作業ですw
IN側
EX側
なかなか当たりが出ず苦労しましたがバッチリな状態になりました。
ピストンリングも交換しました。
新品と比べるとややヘタってました。
こうなってしまう要因として、燃料に混じる海水が考えられます。
燃料に混じった海水は少量ながらエンジン内部まで入ってしまいこれを繰り返すことで内部まで塩害を受けます。
実際、ピストン上部には表面に海水混入の形跡がありました。
シフトレバーの動きも固くなってました。
エンジンを下ろす機会にはやるべき作業は全てやっておきます。
インペラ交換
塩嚙みよ、サヨウナラ!
そうそう、シャーピン曲がってました。
その他、するべき作業は全て行いバッチリ絶好調になりました。
始動性もOKデス!
ご利用ありがとうございました。
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