ゴムボくらぶです
愛知県一宮市のOさんからシープロ9.8馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)
型式:3K9
製造年月:25年12月
シープロ9.8馬力・やはりヘッドボルトの固着はありまする【愛知県一宮市・Oさん】
私の得意なシープロが入ってきました。
25年製と結構新しい年製ですがヘッドボルトの固着はあるかな?
実際のところ平成の個体で過去外したことが無ければほぼほぼ固着があると思います。
プラグキャップに上から1・2と順番を記載していますがこれ上下逆です。
正規の位置に差し換えておきます。
見た感じ緩むかな?と思いましたが全く緩みません。
ガッチガチです!
11本全て固着してますがこれは想定内です。
これも折れたらやっかいなボルト
排気カバーのボルト7本も全て固着してます。
これ、普通に緩めていったら速攻ポッキン終了しますw
ステージ1で9本外しステージ2で1本外し、そして1本折れ
という結果でした。
ゴムボ必殺技でも太刀打ちできなかった折れボルト
これは修正しましょ
このようにかじり固着が多いんです。
中間あたりにアルミが溶着してる部分があるでしょ。
これがかじりです。
かじり固着は単純な錆の固着と違い最後まで固いです。
無理をするとにゅるっと嫌~な感触になってしまいそうなボルト
排気カバーも外しましたよ。
排気カバーのボルト
排気カバーは2~3本固着してるのはよくあるのですが、全部固着は珍しいです。
水路は塩の蓄積も無く綺麗です。
スバラシイ
サーモスタット、アウトな状態でした。
1箇所だけ水路腐食がありましたので補修します。
シープロは必ずと言って良いほど水路の何処かしらに腐食があります。
あまりにも酷い場合はシリンダーブロック交換をしないといけませんが、この程度なら補修で大丈夫です。
補修した箇所は元々以上の強度になります。
シープロは平均20~25箇所のタップ立て直しをしています。
ピストンリングの固着も無く良い状態です。
ギヤオイル白濁してます。
シャフトにグリスっ気が無くペラも固着気味でした。
ライン巻き込んでます。
オイルシールを交換するのにスラストホルダーを外す必要がありますが、これまた固着状態です。
これはもうカットして外します。
オイルシールを外したところ
オイルシールを外すとだいたい中は凄いことになってます。
ついてたインペラ
変形してます。
インペラ組みます
固着してたスラストホルダーはアルミ製ですが現在は真鍮製に変わってます。
電蝕による固着が多いことから真鍮製に変更されました。
見た目も豪華になりましたね。
こういった穴も粉が蓄積してボルト固着に拍車を掛けます。
元のサイズに拡大
キャブはしっかり清掃して最後にベスポジにセッティングします。
ようやくここまできましたが道のりはなかなかのもんですョw
これが
こう
まずは入庫時のセッティングで始動してみましたがイマイチな状態でした。
この状態だと冷間時アイドリングが安定するのに時間が掛かります。
ベスポジに合わせてアイドリング調整を行いOKデス。
シープロのはじけるような吹け上がりは気持ちいいい。
そうそう、入庫時はアクセルワイヤー調整も合っていませんでした。
上が2
下が1
これが正規の状態です。
快適に使ってください^^
ご利用ありがとうございました。
シープロ9.8馬力・使い始める前のグリスアップは非常に有効です!【福岡県糟屋郡・Tさん】