ゴムボくらぶです
福岡県宮若市のSさんからトーハツ8馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
ボートとセットで中古購入したトーハツ8馬力がオイル漏れを起こしており買い替えを考えられていたとのこと。
修理すべきか？
買い替えるべきか？
全体的な状態も含めて私が見てみることになりお持ちいただきました。
＊当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております（技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます）
製造年月：平成15年05月
型式：3B2
トーハツ8馬力・修理すべきか？買い替えるべきか？【福岡県宮若市・Sさん】
オイル漏れしていると言われていたのはペラに付着している油分です。
例えオイル漏れしていたとしても、こういった不具合は修理すれば良いです。
修理するべきか買い替えるべきか？
という判断基準は違う所にあります。
最も重要なのは主にシリンダーブロックの塩害腐食の状態です。最悪のケースではシリンダーブロックのみならず、アンダーケースやドライブシャフトハウジングまで腐食によってボロボロな個体も存在します。
最も怖いのがそんなボロボロな状態でもタイミング次第では不具合が表に出ずに動いてるってことです。勿論そんな個体が永く使える訳もなくまともな状態にするには多額の修理費用が掛かります。
さて、各部を考察すると状態はかなり良さそうです。
確実に仕上げた方が良いです。
今回、マル秘な作業も行いますのでエンジンフルでバラします。
ホースが嵌り難いと言っておられましたが、エンジン側のコネクターが変形しています。
交換しましょ。
アクセルワイヤーのグロメットが無いので取り付けます。こういったゴムパーツは経年劣化で亀裂が入ってたりすることが多いので全部交換します。
下部水路の状態良好です。
OK!
ちなみに腐食する箇所は決まってます。
シリンダ―水路も腐食無く良好な状態です。
エンジン内部構成パーツ、ガタ・異音・摩耗、問題無く良好です。
古いグリスはカピカピになってますのでグリスアップし直しながら組んでいきます。
左：従来のサーモスタット
右：改良型サーモスタット
ヘッドガスケットは現行のメタルガスケットに変わります。
ステンレスヘッドボルトに変更。
5種類のグリスをを適材適所で使い分けてますがヘッドまわりには最も耐久性が高い銅グリスを使います。
クランクのオイルシールもリニューアル
水路綺麗になりました。
普段グリスアップ出来ないボルトもバラしたこの機会にグリスアップします。
綺麗に清掃してから最後にバッチリセッティングします。
インペラの写真を撮り忘れましたが前オーナーさんが交換してから殆ど使ってないんだと思います。ゴム質が新品時と変わらない状態でしたので今回このまま使います。
ギヤオイル白濁無し
ペラがニュートラルで回ると言っておられました。
これは後進ギヤが着いている機種でアルアルですが、後進の向きに軽くクルクル回るのは不具合ではありません。
ギヤオイルが硬くなる気温の低いシーズンになりがちでドライブシャフトの回転によってオイルの流れが発生し、後進ギヤが流れに引っ張られて回ってるだけです。
アクセルグリップ劣化が見られるので交換しておきます。
うん、気持ち良い！
エンジン側コネクター交換
アクセルワイヤーグロメットもついてビシっとなりました。
今回もバッチリ仕上がりました♪
永く使える状態になりましたョ。
あっ、ペラに付いていた油分は混合油の油分でオイル漏れではありませんでした。
ペラの奥に排気口がありますので。
久々にエンジンを掛けた場合や古い混合油を使うと油分が垂れやすいです。
ご利用ありがとうございました。
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