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トーハツ/マーキュリー2馬力(2st)

ギヤを入れるとエンストする原因は?マーキュリー2馬力2st【福岡県田川郡・Hさん】

こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です

 

福岡県田川郡・Hさんよりマーキュリ2馬力2stの修理依頼を頂きました。

 

依頼内容

不調修理(ギヤを入れるとエンストする)

その他の部分もおまかせメンテナンス

 

ギヤを入れるとエンストするとのことで、Hさん自身で原因究明のためにギヤ関係を見てみたり、キャブレターの清掃などはやってみたものの直らずということでご入庫頂きました。

「水に浸けていない状態だとギヤを入れても止まらないが、水に浸けている状態だとエンストする」

このような状態とのことです。

 

さて、見ていきましょう。

 

製造年月:22年6月

型式:3AR

 

マーキュリー2馬力2st・ギヤを入れるとエンストする原因を探る

 

まず、症状を確認するためにエンジンを掛けてみます。

すると、エンジンの掛かりが悪くニュートラルの態でもアクセルを開けると止まってしまいます。

その止まり方からすると燃料が足りていません。

冷えてる時の掛け始めなので、まだキャブにしっかりガソリンがいってないのかな?

と少し様子を見るも状況が変わらないので、これは燃料系に異常があるということになります。

 

キャブレターを点検してみる

キャブレターは清掃したと聞いていましたが、原因となる可能性を潰していくために最初にクリアにしておく必要があるため点検しておきます。

内部は綺麗なものでこれといって問題はありませんでした。

 

次は燃料フィルターを点検してみるも詰まりもなく綺麗な状態でした。

 

燃料ホースの取り回しに問題アリ

燃料ホースが純正ではなく汎用品のホースが取り付けられています。

新しい状態ですのできっとホースを付け替えてから不調になったのではと予測します。

 

汎用品のホースなのは問題ないのですが、取り回しに問題があります。

純正の燃料ホースは左側の矢印のルートを通っており、正規ルートではない右側にホースを通してしまうと構造上ホースの高さが上がってしまいます。

 

正規の高さよりも随分と高くなっています。

 

燃料タンクには緑のラインまでガソリンが入っています。

 

燃料ポンプが付いていない2馬力エンジンはキャブレターまで燃料を送り込むのに自然落下方式となっています。

ホースの高さが正規の位置より高くなってしまうと勾配がきつくなり、燃料タンク内の残量によっては燃料が勾配を駆け上ることができなくなってしまいます。

*燃料タンク内の残量が少ないほど流れに勢いを無くします。

 

正規のルートに燃料ホースを通して余分な長さをカットします。

 

純正の燃料ホースと同じぐらいの高さになりました。

 

これで大丈夫です。

 

ギヤを入れるとエンストしていたのはどうゆうことか?

全てを組んで再度テスト運転をしてみるとアクセルを開けても無事エンストしなく、勿論水に浸けてギヤを入れてもエンストしません。

*水に浸けずにエンジン始動は絶対ダメです。

 

燃料コックをONにするとキャブにガソリンが少し行き何とかエンジンが掛かるも、ホースの勾配がきつかったことから十分な量が届いていません。

ガソリンの量が不十分な場合は負荷が掛かるエンジンが止まってしまいます。

Hさんが、水に浸けてなければエンストしないが水に浸けてギヤを入れるとエンストすると言っていたのがこの状態なのです。

この不具合についてははこれで解決です。

 

インペラ交換・水無しでエンジン始動していたようだが大丈夫か!?

 

インペラは大丈夫だろうか?

「水に浸けていない状態だとエンストしない」

と言っていたのが気になります。

 

今回インペラも交換するというお話になっていました。

マーキュリー2馬力の検水は正常な状態でトーハツ2馬力ほどの勢いはないのですが、それでも更に勢いが少ない感じがします。

分解してみます。

 

ポンプケースの一部が何故か盛り上がっています。

 

樹脂が溶けて盛り上がっています。

これはヤバそうだな~

 

やはり。。。

水無しでエンジン始動したことでインペラが焼き付いています。

 

 

ライナー内部にも溶けたインペラがこびりついています。

 

水冷エンジンは水無しでは絶対にエンジンを掛けてはいけません。

ゴムと金属が擦れている状態で回転しますので、水無しだとエンジン掛けた瞬間から温度上昇し1分もすれば焼き付きます。

水無しでは絶対エンジンを掛けないということを徹底しましょう。

 

インペラ・ライナー・ケース・シフトロッドのOリング(大・小)

を交換します。

 

インペラボルト・ドライブシャフトスプラインをグリスアップして組みます。

 

シフトレバーのグリスアップ

シフトレバーの動きが固いのでグリスアップしておきます。

 

たんまりグリスを入れておきます。

ワコーズのラバーグリスがおすすめ。

ブレーキ用グリスですがゴムに優しく粘度もちょうど良く汎用性が高いです。

 

その他の作業及び点検

 

シャーピンOK(シャフトグリスアップ)

プラグOK

ギヤオイルOK

アクセルワイヤーの遊び調整

アイドリング調整

 

試運転

【冷間始動】チョークをCLOOSEにして2~3回で始動

【温間始動】1回で始動

【吹け上がり】良好

【検水】良好

 

交換した部品

ご利用ありがとうございました。

 

マーキュリー2馬力2st・メンテナンス/インペラ交換【福岡県北九州市・Sさん】

ゴムボくらぶが使ってる船外機メンテナンスの必須アイテムのご紹介!

 

●おすすめの耐水グリース

一般的な耐水グリースより粘度が高く持ちが良いです。

 

●80g用のグリースガン

エンジン下の首周りなど、グリースニップルからの注油に使用します。

ジャバラの状態で入れて使えるので綺麗に使えて便利です。

上記の80gグリースで使えるのでグリースガンとセットで持っておくと便利です。

 

●液体ガスケット

自己メンテナンスをする人には必須アイテムである液体ガスケット。

乾くのに1日程度掛かりますが硬化後の密着力が強く1215がお勧めです。

オイルシールの外周塗布にも使えます。

 

●シリコングリース

ゴム製品には攻撃性が低いシリコングリースを使うのが基本です。

オイルシールの内側やOリングなどゴム製品に塗布して使います。

 

●言わずと知れたマリンスプレーの定番です!

CRE 6-66

釣行後は錆び易い箇所にシュッっと

 

●キャブレタークリーナー

キャブクリーナーは安物が洗浄能力が低くてダメです!

私が使ってみておすすめするのはYAMAHAのヤマルーブです。

洗浄効果は勿論高く、汚れで変色したジェット類など浸け置きしておくだけで綺麗な金色に戻ります。

 

●パーツクリーナー

キャブクリーナーで洗浄したあとはパーツクリーナーでキャブクリーナーを洗い流してください。

キャブクリーナーで洗浄したのみだとべたつきますので。

 

●ピンポンチ

抜けにくいシャーピンを外す時にピンポンチがあると作業がスムーズにいきます。

釣行時の携行アイテムとして小型ハンマーとピンポンチがあれば便利ですよ!

 

●小型ハンマー

小型のハンマーですがヘッドの重さがそこそこあるので打撃力も強くコンパクトでなかなか良いですよ。

 

●ギヤオイルの交換におすすめなドライバー。

軸が四角形なのがポイント!

スパナをかけて緩めたり締めたりできます。

スパナをかけると固かったネジが嘘のように回ります。

 

●ギヤオイル交換アイテム

1Lのペットボトルに取り付けて使用します。

ホースの先端に付属のアダプター(M8×1.25)を取り付けることで、ホンダ・トーハツ・マーキュリー・スズキなど、ほぼ全メーカーのドレンボルトに適合します。

チューブタイプと比べるとドレンを閉める時に落ち着いて作業ができるのでおすすめです!

 

 

今後もおすすめアイテムがあれば追記していきます!

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