こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
京都府綾部市・Kさんより ホンダ2馬力の修理依頼を頂きました。
製造年月:2019年12月
型式:BAAC(BF2DH)
新品のように綺麗な船外機です。
キャブレターを調べてみる
アクセル7割でエンスト。。。
この情報からほぼ原因は燃料系・キャブレター系であることが推測されます。
では、キャブレターの中を見てみます。
ガソリンは抜いて送ってもらっていますがキャブレター内部に残ったガソリンの中に水分が混じっています。
丸く透明なところが水分ですね。
燃料タンク内部に少し残っていたガソリンとキャブレター内部のガソリンです。
赤丸が水分です
発送時にガソリンを抜く前はもっと水分があったのではないかと思われ、不調の直接的な原因はズバリこの水分ですね。
キャブレターを清掃します。
詰まりは無さそうですが一通りキッチリ清掃しておきます。
スローポートを洗浄するとインテーク全体にキャブクリーナーが溢れます。
スロースクリューも外して清掃しますが、後ほどの試運転でどんな状態だったかを確認するために清掃後は元の戻し回転数にします。
燃料フィルター、ゴミの付着もなく綺麗でした。
何故キャブレターに水分が混入するの?
キャブレターに水分が混入するとたちまち不調となります。
では、なぜ水分が混入するんでしょうか?
水分が混入する原因は携行缶内部の結露・走行中の飛沫・雨天時の給油などが考えられます。
特にホンダはキャブレターへの水分混入が多いように思います。
空冷という特性上アンンダーケースに多数のダクトが開いているので、飛沫による混入が結構あるのかなと思います。
船外機取り付け位置と海面が近い場合は特に注意が必要ですね。
水分混入による不調対策
携行缶に余ったガソリンを抜いて確認をする
携行缶は長期間使っていくうちに結露や湿度などで内部に少しづつ水分が溜まっていくことも考えられます。
なのでたまには余った内部のガソリンを全部抜いて確認するのも得策です。
キャブレター内部のガソリンを毎回抜く
釣行後、キャブレター内部のガソリンを毎回抜くのはトラブルを防ぐ上でかなり有効です。
内部に水分があった場合はドレンから抜くことで水分も一緒に排出されます。
もちろん、ドレンから抜く時は燃料コックをOFFにしてからですね。
その他の点検
その他の部分も一通り点検しましたが、ほぼ新品のような船外機ですので他に問題がある部分はありませんでした。
シャーピン曲がりもなくOKです。
オーバーホールをご希望されてましたが全体オーバーホールは必要ありません。
ギヤオイル交換
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて1~2回始動
【温間始動】1回始動
【吹け上がり】良好
キャブレター清掃後、スロー調整を元の位置に戻して始動してみると5~6回で始動して直ぐにエンスト。
新品時からスロー調整がベストでない個体がわりとあるように思えますね。
こちらで調整後は1~2回で始動しエンストもしなく快調になりました。
水分に関しては恐らく船外機を受け取った時から混入していたと思われます。
交換した部品
この年式は最初からステンレスヘッドカバー仕様で、ヘッドカバーのボルトもステンレス。
錆び易いエンジン固定ボルトやマフラーボルトもステンレスです。
リコイル固定ナットと燃料タンク固定ナットだけこちらでステンレス化しました。
ご利用ありがとうございました。
チャンバーからガソリン漏れ・中古購入のホンダ2馬力船外機をメンテナンスしましょう!【福岡県北九州市・Yさん】