福岡県福岡市・Hさんよりホンダ2馬力のメンテナンス依頼を頂きました。
製造年月:23年08月
型式:BZBF(BF2D6)
では、見ていきましょう
まずはエンジンを下ろしていく
前オーナーさんが何本かのネジをステンレスに交換しているようです。
リコイルのリングが錆びてますね。
リングが錆びているとロープの寿命が短くなるため、一緒に交換しておきましょう。
エアーダクト取り付け部分のカラーが入ってなく周りの穴が広がってしまってます。
これはエアーダクトを交換しないと修正不可なので交換することにします。
本来はこんな形です。
だいぶ錆びてますね。
黒いインナーカウルを止める3本のボルトは交換しましょう。
エンジン下りました
塩がカチカチに固まってます。
ヘッドカバーを開けたついでにタペット調整もやっときます。
IN/OUTともに基準値よりかなり広くなってました。
これだけ広くなっていると調整後は調子良くなったんじゃないかと思います。
フライホイルを塗装するためエアーガンで吹いたらこれだけ剥がれました。
再塗装しておきます。
ステンレスヘッドカバーに交換してバッチリ良くなりましたね!
ヘッドカバーのボルトが純正でステンレスでしたのでなるべく純正優先で使います。
ヘッドカバー交換時に使う液体ガスケットはドライブジョイがおすすめ。
ドライブシャフトのスプラインが摩耗している
ドライブシャフトを抜いてみると。。。
ん?
スプラインが摩耗して角が斜めになってしまってます。
まだ滑っていませんがこれは交換しておかないとヤバイなぁ
コレ、このまま使い続けて悪化すると最終的には滑ります。
どういったタイミングで滑り出すかというと負荷が掛かっている状態でアクセルを開けたタイミングになります。
なので海上で滑り出す可能性が高く危険です。
滑り出したらペラが回りませんので。。。
直接お椀に挿して回してみて確認してみるとやはり結構ガタがあります。
相手側のお椀も摩耗があるだろうからここは一緒に交換することにします。
ペラ側のオイルシールを見ると微妙に漏れてる感じがするので、ドライブシャフト側のオイルシールと共に交換しておきましょう。
圧入します
ドライブシャフト側
交換後のオイルシール
オイルシールを交換する時は外周に下記の液体ガスケットを薄く塗るとスムーズに入ります。
通常オイルシールは何も塗らずに入れますが、ギヤケースの場合は海中で使うため念には念をということと、滑りを良くし作業をスムーズにすために塗ります。
オイルが流れるスレーブが液体ガスケットで詰まらないように注意します。
この液体ガスケットはシリコン系なので滑りが良く、オイルシールの交換に最適です。
間違っても外周にグリスは塗らないように。。。
内側にはラバーグリスを塗ります
ヨシ、OK!
キャブレターの清掃
キャブレターの清掃です
ドレンがダメなのでチャンバーを交換します。
エアー抜きのホースがないのでこれもつけときましょう。
何故かパイロットジェットのOリングがついていませんでした。
以前に清掃して入れ忘れたのかな??
ガスケット類は全て交換します。
キャブクリーナーは信頼のヤマルーブを使用
リフレッシュ完了
チャンバーのドレンボルトはステンレスになりました。
燃料フィルターにゴミが溜まってますのでここも綺麗に清掃しておきます。
燃料タンクの内部も清掃もしておきました。
燃料キャップの周りについているパッキンがボロボロでしたので交換しておきましょう。
タンク足のゴムもこの通りですので交換
エアーベントのパッキン&スポンジ交換
イグナイターのメンテナンス
イグナイターですが今回は現物メンテナンスをすることにしました。
組付け
その他の作業
スターターロープ&リング交換
(過去にロープを交換しているのだろうと思いますが、ゼンマイの巻きが足りなかったため調整)
このプラカバーが付いていなかったため取り付け
グリスニプルが折れていたので交換しました。
各部グリスアップ
エンジンオイル交換
ギヤオイル交換
ブローバイホース交換
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて1~2回で始動
【温間始動】アイドリング位置にて1回
【吹か上がり】良好
スロー調整・アイドリング調整
綺麗になりましたね!
この辺りのネジは全部ステンレスになりました。
交換した部品
ご利用ありがとうございました。