ゴムボくらぶです
広島県安芸郡のHさんからホンダ2馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ホンダ2馬力を購入されたとのことで、これから使い始める前にメンテナンスをということで広島から送って頂きました。
*発送でのご依頼については返送可能な梱包状態に限りお受けいたしております
今回Hさんが梱包してくださった方法は非情に安定性が良い方法なのでご紹介させていただきます。
木でスノコを作って上からダンボールを被せてPPバンドで固定しています。
ダンボールを開けると毛布で巻かれた船外機が出てきました。
スノコと船外機をPPバンドでガッチリ固定しています。
底が抜ける心配が無く安心です。
直に当たるカウルの部分には発砲スチロールが敷かれています。
この梱包だともちろん返送可能であり、発送準備もそんなに難しくないかなと思いますので正規の箱が無い場合にはおすすめの梱包方法です。
発送でのメンテナンスをお考えの方は是非ご参考に!
ハイ、では船外機を見ていきましょう。
製造年月:2019年02月
型式:BAAC(BF2DH)
ホンダ2馬力メンテナンス
2019年製とまだ新しいので錆はそんなに多くないようです。
この年製になると最も錆びやすかったエンジン固定ボルトやその他一部のボルト、ヘッドカバーなどがステンレス(対策品)になっています。
とはいえ、それでも私の見解ではまだステンレスに変更しておいた方が良いと判断するネジ類もあり、そういったネジ類はステンレスへと変更します。
こういった遮熱版のネジなんかもその一つです。
クラッチ良好です
ホンダ2馬力のイグナイターは直ぐ錆びるので定期的なメンテナンスが必要です。
しっかりとプラグに火が送れるようメンテナンスしておきます。
イグナイターの取り付けボルトはちゃんと通電できるようにしておかなければいけません。
初期のころの年製が古いヤツなんかはこのボルトがガッチガチに固着して緩まないのもあり相手はシリンダー。折れたら・・・と思うとゾッとします。
さて、ロアケースを抜いて排気管の塩を確認してみるとだいぶ結晶がついているのが分かります。
これは今のうちに清掃しておかなければですね。
まだ塩が柔らかいのでボロボロと崩れながら抜けました。
崩れ落ちた塩の塊
綺麗になりました。
こちらの中もジャバジャバと洗っておきます。
次はキャブレターの清掃をします。
アラ、ドレンが割れてが半分無くなっております。
これではチャンバー内に残ったガソリンを抜くことができません。
この年製はギリギリまだドレンがまだ真鍮製だったようですね。
チャンバー交換します。
エンジン始動に関わる部分、パイロット経路を清掃しています。
汚れたジェット類もヤマルーブに浸け置きするだけで新品のように綺麗になります。
立派になりました。
キャブレターを組む時は経験からのグリスアップポイントがありまして、そういった箇所をグリスアップしながら組み立てています。
ドレンは真鍮製からステンレス製へとなりました。
これは燃料タンク内部から抜いたガソリンです。
汚れと水分が溜まっています。
拡大
砂?
燃料タンク内はいつの間にやら汚れや水分が溜まっていますので定期的な清掃が大事です。
燃料フィルターもこの通り
こちらも砂のようなものが溜まっていってますね。
全てを綺麗に清掃します。
ペラを外すとシャーピンが大変なことになっていました。
ラインもだいぶ巻いてますね。
ボートが流されている方向やキャストする方向によってラインがペラに巻かれ易くなります。
ちなみについていたペラはソラス製のペラです。
ソラスペラに曲がったシャーピンを入れてみました。
見てわかるように溝に対して太さや長さが足りません。
遊びが大きいぶん回転時の衝撃でシャーピンが曲がりやすいです。
こちらは新品のシャーピンを入れてみたものです。
シャーピンが端に寄ってしまった時、片側はほぼ掛かりません。
これはトラブルの元ですね。
ソラスは専用の長いシャーピンがあるようですが純正シャーピンと比べると入手がしにくいです。
純正ペラは5ピッチでソラスは6ピッチですがピッチを深くしても高回転まで回せなければ意味がないです。
個人的にはソラスをつけておくメリットは感じません。
この話はHさんにもお伝えし、ご自身で純正ペラに戻すとのお返事をいただきました。
ホンダ2馬力は純正ペラが一番良いと思いますョ。
その他の主な作業
●プラグ交換
●ギヤオイル交換
●各部グリスアップ&適所に液体ガスケット塗布
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて1回で始動
【温間始動】1回で始動
【吹け上がり】良好
パイロット調整・アイドリング調整
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
ホンダ2馬力・突然キンキンキンと異音がするようになった!【福岡県北九州市・Iさん】