こんにちは、D2(@gomubo_club)です
福岡県・Mさんからホンダ2馬力船外機のメンテナンス依頼を頂きました。
おまかせでOKとのことなので、一通りのチェックを行いメンテナンスをすることにします。
Mさんからの話によると、たまに金属音のような音がすることがあるとのことですので、このあたりも探っていきたいと思います。
今回、ホンダ2馬力の定番作業であるステンレスボルト化&ステンレスヘッドカバー化も同時に行います。
ステンレスボルトはYES 安原エンジンサービス様がオリジナルで販売されているステンレスネジセットを使用します。
型式:BZBF
製造年月:2014年8月
ホンダ2馬力メンテナンス開始
まず、エンジンの掛かりやアイドリングの安定性を見るためにバラす前にエンジンを掛けてみます。
チョークを引いて2~3回でエンジン始動しましたが、始動直後にチョークを戻しアクセルを戻すとエンジン停止します。
少し温まってくると止まらなくなりますが、少しアイドリングが低いようです。
止まらなくなってからのアイドリングを計測すると900RPM
では、始めます!
カバーを開けてみると、スターターロープ固定の袋ナットが錆びています。
このナットは錆び易いのですよね。
この機会にリフレッシュしましょう。
こういったボルトも錆びていますが、ステンレス化をすることで錆びなくなり(厳密に言うと錆び難く)綺麗になります。
スターターロープの爪が引っ掛かる金物ですが、使っていくうちに錆びてしまう部分です。
この金物は錆止め塗装をすることにします。
ホンダ2馬力メンテナンス・燃料フィルター点検&清掃
燃料フィルターです。
若干ゴミの付着がありますが、4年使ってこのぐらいなら汚れていない方ですね。
清掃します。
ホンダ2馬力メンテナンス・キャブレター点検&清掃
いつも、マリンスプレーを掛けられているとのことでチャンバーの錆は無く状態は良いです。
ドレンボルトの頭に滑りが見られ、かなり固く締まっていました。
ドレンボルトは真鍮でできているため柔らかく頭が滑り易いのでご注意を。
滑りを回避するにはキッチリと合ったサイズのドライバーを使用する事が大事で、小さめのドライバーで無理に回そうとすると滑ります。
ドレンボルトは新しいものに交換して、今後緩められるようにしておきます。
キャブレターを分解して清掃します。
内部は綺麗な状態で、ゴミ等はありませんでした。
*ガスケット類は全て交換します。
キャブレターの清掃には泡タイプがおすすめ!
ホンダ2馬力メンテナンス・ステンレスヘッドカバーへ交換
ステンレスヘッドカバーに交換するためにエンジンを下ろします。
画像はエンジンを固定している4本のボルトなのですが、1本は錆びが進行していますね。
このボルトが腐食すると、工具が噛まなくなって普通には緩められなくなりますので、ホンダ2馬力ユーザーの方はそうなる前にステンレスボルト化をした方が良いです。
今回の作業でこの4本のボルトはステンレス化されます。
エンジンを下ろしました。
垂れたオイルと塩分が混ざって、茶色い塩の結晶になっています。
ブローバイホース周辺からのオイル漏れが多くありましたので、ホースは交換することにします。
ヘッドカバーも錆びています。
ステンレスヘッドカバーに交換して周辺を清掃しました。
綺麗になると気持ちが良いですね。
このタイミングでエンジンオイルも交換しておきます。
ドレンのOリングも劣化を考慮して交換。
ホンダ2馬力メンテナンス・遠心クラッチ点検
遠心クラッチのトラブルは過去に無いのですが、エンジン外したタイミングで点検します。
良好でした。
クラッチケース内のベアリングも問題無く良好でした。
アンダーカウル内やクラッチケース等、綺麗に清掃しました。
ホンダ2馬力メンテナンス・異音の原因を探る
冒頭に書いた異音の原因を探ってみます。
たまに金属音のような異音が出ていつの間にか消えているとのことで、Mさん自身はそんなに気にされている様子ではありませんでしたが、自身の研究のためにも原因を探ってみることにします。
エンジンまわりでは異音が出そうな箇所はなかったので、ドライブシャフトを抜いてみます。
表面だけですが黄色丸で囲った部分だけ何故か錆びている。
上も下も分解の図
ホンダ2馬力のエクステンションケース内はどうなっているのだろうか?
黄色丸の部分をバラしてみる事にする。
マフラーを固定する為のブッシュが入っています。
エクステンションケース内の様子。
【拡大】
遮熱版の部分に結構な量の塩の結晶がついています。
この部分は上の方なので海水に浸かっていなく、そして排熱もあるため塩分が結晶化し易い条件が揃っています。
先ほどのドライブシャフトの一部錆びていた黄色丸の部分はこの塩の結晶部分の横になりますので、塩の結晶がつき過ぎてドライブシャフトと干渉して錆びていたということです。
塩の結晶はカチカチに硬くなっているため、崩れ落ちた塩の結晶がドライブシャフトに当たって小さな金属音がしたりするのかなと思いました。
ドライブシャフトが回転しているので、崩れ落ちた塩の結晶は粉々になってなくなります。
この塩の結晶固着は海で使用していれば避けられないですね。
走行に問題無いと言えば問題無いのですが、せっかくここまでバラシしたので長い棒を使って塩の結晶を崩すことにします。
マフラーが抜ければ楽なのですが構造上抜けない。
棒の先を鉛筆のように削って、下からブスブス指すとカチカチに固まった塩の結晶が落ちてきました。
遮熱版との間は硬すぎて崩れなかったので、異音の原因となるであろうドライブシャフト側だけ崩しました。
これで異音は止まるでしょう。
錆びも落として綺麗になりました。
ホンダ2馬力メンテナンス・ギヤオイル交換
ギヤオイル、汚れてましたが水分の混入はありませんので問題無しです。
ホンダ2馬力メンテナンス・シャーピン交換
左が古いシャーピン・右が新品のシャーピン
少し曲がりがありましたので交換しました。
割ピンも交換。
ホンダ2馬力メンテナンス・スターターロープ交換
スターターロープは毛羽立ちが多く、劣化が見られましたので交換します。
新品ロープで安心釣行♪
余談ですが、ホンダ2馬力に乗っているボート仲間は3年で海上で切れました。
見た目はそんなに劣化していなかったようですが、見えない端の結びコブに劣化があったようで、その部分から切れたそうです。
ホンダ2馬力メンテナンス・可動部のグリスアップ
舵切り時の可動部の動きがちょっと重く感じましたのでグリスアップ。
黄色丸のグリスニップルからグリスアップしようとしたのですが、いまいちグリスの入り悪かったため、緑丸の部分を外して直接グリスアップしました。
その他のチェック項目
スパークプラグ・良好
アノード・良好
ホンダ2馬力メンテナンス・組み立て
YES (有)安原エンジンサービスさん、オリジナル販売のステンレスボルトセットを使って組み立てます。
キャブ取り付けボルトやエンジンカバーのボルトもステンレス化。
ヘッドカバーボルトやマフラーボルト等、錆び易いボルト16本がステンレス化されます。
エアークリーナーケース上側の2本のボルトもステンレス化。
錆びが無くなるとリフレッシュ感があるでしょ♪
ホンダ2馬力メンテナンス・始動性やアイドリングチェック
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて1~2回で始動
【温間始動】アクセル・アイドリング位置で1回始動
【吹け上がり】良好
スロー調整・アイドリング調整をしました。
ホンダ2馬力メンテナンス・交換部品
ご利用ありがとうございました。
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