ゴムボくらぶです
福岡県北九州市のKさんからトーハツ2馬力の修理依頼を頂きました。
ありがとうございます。
中古でボートエースと船外機をセットで購入したそうなのですが、なんと初航行で半沈没して船外機が水没してしまったとのこと。
前オーナーさんが艤装のために中空部分に複数の穴を開けて補修をしている状態での購入だったらしい。
そして、その穴から中空部分へ浸水しボートが沈んでいったという結末です。
期待に夢を膨らませた初航行でこれほど恐ろしいことはありません。
中空構造のボートは基本的に穴開け厳禁であり、完璧な補修をするには難易度が高い素材です。
お仲間のボートで曳航してもらったとのことですが、ボートが海面まで沈んでしまい初航行で大変な思いをしたそうです。
ボートは買い替えたと聞いておりますが、そんな経緯で船外機の方は修理を承ることになりました。
船外機の中古購入も動くからと言ってそのまま海に出るのはリスキーであることが、この記事で分かります。
とにかく普通に安心して使いたいとのことで、水没修理以外も安心して使えるようおまかせコースで承りました。
型式:3BV(MFS2B)
製造年月:25年8月
トーハツ2馬力を中古購入して初航行で半沈没!【福岡県北九州市・Kさん】
エンジンが停止して必死でロープを引っ張ったのでしょうか。
ロープが切れてしまったそうです。
ロープがまともであれば連続で引っ張ったとしてもそう簡単には切れませんが、劣化していたのでしょうね。
船は沈んでいくし、ロープは切れるわでこれはダブルの恐怖です。
安心して使っていけるよう完璧に仕上げます!
水没から10日ぐらい経ってます。
カフェオレ状態。
エンジンを下ろす前にフラッシング目的で一度オイル交換をしてから内部を開けましたが特に気になる錆も無く大丈夫でした。
内部の白濁オイルを清掃します。
水没した時に注意深く見るべき部分はここ。
今回は大丈夫ですが、状況にってはクランクシャフトの交換が必要になります。
ドライブシャフトを抜くとオイルが駄々洩れだったのでシール交換しておきます。
こちらの鉄物も問題無し。
シフトレバーの動きが固かったのでオーバーホールしておきましょう。
立派な塩が。。。
グリスニップルが無い年製なので取り付け加工しました。
お次はキャブメンテです。
内部を見て驚きが。。。
まずフロートバルブにあるべきクリップがついてなく、フロートピンもこのキャブレタには合わない物が無理やりついておりました。
部品の寄せ合わせで組み立てて販売したといった感じでしょうか。
このあたりの部品は非常に重要なので適当なことをすると不調に繋がります。
もう一つキャブレターをもらっていたとのことで、こちらが使えるならば使ってくださいとのことでしたがこちらは内部は酷く腐敗しており、清掃してもちょっと安心できない状況でした。
安心して航行できるようキャブレターは新品を取り付けることにします。
燃料ホースや燃料コック交換
エアーインテークのカラーが片方ありません。
本来あるべき部品が無い場合は全てとりつけます。
サーモスタットの点検
問題無く開閉しております。
ちなみにサーモスタットの点検時はしっかりと温度管理をする必要があり、沸騰させてしまうとそれでサーモスタットがイカれます。
水温計必須!
サーモスタットもケース内部も清掃してから組みます。
インペラ交換
なかなかの塩w
これで安心です。
切れたロープ復活!
スロットルの中に砂が入っており回すとジャリジャリしてましたので、分解清掃しておきましょう。
その他、必要な作業を行って完成しました。
エンジンオイルも正常な状態になりました。
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
トーハツ2馬力のシフトレバー修理は初期症状の時点で修理するのが得策デス!【福岡県福岡市・Sさん】