ゴムボくらぶです。
京都府京都市のDさんからトーハツ2馬力のメンテナンスのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

型式:3BV(MFS2C)
製造年月: 令和6年3月
トーハツ2馬力・今のうちにオーバーホールしときましょ【京都府京都市・Dさん】

直近2回の釣行でロープが重いと感じたそうなので不具合箇所が無いか見ていきます。

シフトレバーが少し固くなり始めているので今のうちにオーバーホールしておきます。

ロープが固くなるような原因はあるかな?
エンジン単体にして各部をチェックしてみるも特に問題はありません。
新品からまだ新しい時は各機関の摺動抵抗が大きいので引き抵抗が少し固くなるのは仕方ないです。もう暫く使ってあたりが付いたら引きが軽くなります。

では、シフトレバ―を抜いていきましょう。

まだ固くなり始めたぐらいなので、このぐらいのステージだとそんなに苦労せずにシフトレバー抜けます。
グリスはしっかり入ってますがOリングは塩噛みしています。
当店では単にOリングを交換するだけでなく固着のメカニズムを分析し今後固着し難いよう対策をして組付けています。
トーハツ2馬力のシフトレバー固着は多いですが、正直どのメーカーも一長一短あります。
長く使っていく上で短所の内容が何なのかが重要です。
私は水路が塩詰まりし難いことが一番重要だと考えます。
トーハツ2馬力は過去170台ほどメンテナンスしていますが塩の蓄積による水路の塩詰まりは1台もありません。水路の構造ってメーカーによって違いますが詰まるとシフトレバーの修理どころではない高額修理になります。


綺麗になりました。

サーモスタットの動作確認&清掃。
OKです。

こちらもOKです。

令和6年製ですがこの機会にインペラも交換しときましょ。

ガッツリ固着してました。

ねじ山ケアをしてから組みます。

インペラ交換。
綺麗になりました。
インペラ関係に限らず各部のボルトは今後のメンテナンス性を考えてグリスアップして組み上げています。

ギヤオイルは白濁無しでした。

再始動時に掛かり難い時があると言っておられましたので、使い易いように再セッティングします。

若干ロープにささくれがありDさんも交換をご希望されてますので交換します。
エンジンの掛かりが良くなるとロープにも優しいです。

【ロープの引っ張り方のコツ】
ロープを引き易くするコツはまず抵抗が掛かる重い部分を引き始め付近に調整します。そして抵抗が掛かってからも気持ちゆっくり引きだし後半で勢いをつけて引っ張ります。
いきなり勢い良く引っ張るとガツンと引っ掛かって止まったりします。
そしてなるべく画像のようにロープに角度を付けずに真っすぐ引っ張ります。

【悪い例】
このようにロープに角度が付くと余計に引っ掛かり易いですし、ロープへの負担も大きいです。

バッチリいい感じになりました♪
ご利用ありがとうございました。