こんにちは、D2(@gomubo_club)です
山口県のOさんよりトーハツ2馬力のメンテナンス依頼がありました。
エンジンオイル交換
ギアオイル交換
サーモスタット点検
上記3項はOさんご自身でメンテナンス済みとのことでインペラ交換及び、それ以外の箇所を私がおまかせでメンテナンスを行います。
型式:3BV(MFS2B)
製造年月:28年9月
トーハツ2馬力・メンテナンス開始
まず、エンジンの掛かりやアイドリングの安定性を見るためにバラす前にエンジンを掛けてみます。
検水は出ていますが、今回インペラは交換項目ですので交換します。
始動性は良いですがアイドリングが若干低いようです。
しばらくアイドリング状態で様子を見ていると、何故かエンジンストップしました。
これは、何か原因がありそうです。
トーハツ2馬力メンテナンス・燃料フィルター点検&清掃
燃料フィルターを外してみると携行缶から出たと思われる錆が蓄積していました。
清掃作業ですね。
スチールの携行缶は海で使うと錆びるのが早いのでステンレス缶やプラ缶ですがゴリッタを使うとトラブル防止になります。
トーハツ2馬力メンテナンス・燃料タンク点検&清掃
燃料フィルターに錆が多く付着していたので燃料タンクやホースも点検します。
燃料タンク内を覗いてみると、ん?中に何か異物が入っています。
輪ゴムが入っていました。
何かのタイミングで入ってしまったのでしょうね。
燃料タンク内&ホース内も清掃します。
トーハツ2馬力メンテナンス・キャブレター点検&清掃
キャブレターをバラしました。
画像はインマニ側になりますが、矢印の位置に水分があるのが確認できます。
普通はこのような水分は付着しないので調べてみます。
チャンバー内の画像です。
中央、丸い部分の真ん中あたりに線が出来ているのが分かりますか?
この線から下は水分です。
先程、アイドリングで止まってしまったのはこの水分を吸い上げてしまったのですね。
このキャブレターはメインジェットからガソリンを吸って横穴からスロー系統に流れる仕組みですので、この中央の丸いところに水分が溜まるとストップしてしまうのも頷けます。
ガソリン系統やエアー系統を徹底的に清掃します。
スロー系統のゴムキャップが緩くなっていたので交換することにしました。
このB型キャブについているゴムキャップは外れていたり緩かったりと不具合が多いので、そんな時は交換したほうが無難です。
チャンバーガスケットも交換
キャブレターの清掃には泡タイプがおすすめ!
トーハツ2馬力キャブレターの詳しい清掃方法は【トーハツ2馬力メンテナンス】山口・Nさん。チョークを戻すとエンジンが止まる原因を解明するをどうぞ。
チャンバードレンについて
キャブレター内に水分が溜まる理由として、携行缶内の結露や空気中の水分などが考えられます。
上記画像の指さしている部分に残留ガソリンを抜くためのドレンがありますので、マイナスドライバーでドレンを緩めて残留ガソリンを抜きます。
(緩めると横の穴からガソリンが少量出てきますのでウェス等で受けるようにします)
このとき、チャンバー内に水分があれば一緒に流れ出てきます。
船外機にキャブレターがついた状態でドレンを緩めることができるので、定期的にドレンから抜いてやりましょう。
トーハツ2馬力メンテナンス・インペラ交換
インペラを交換するためにギアケースを分離しました。
インペラケースを固定している4本のボルト、28年製でも塩噛みしている可能性がわりと高いです。
一度もインペラを分解していないトーハツ2馬力はこの4本のボルトがほんと鬼門ですので、慎重にいきます!
塩噛みしている可能性があるボルトはやり方を間違えると、折らずに摘出できるボルトが折れてしまいます。
塩噛みボルトの緩め方は【トーハツ2馬力】インペラ交換のやり方。塩噛みによるボルト折れに気をつけましょう。でインペラ交換のやり方も含めて詳しく書いています。
既に3本外していますが、4本全て塩噛みしていました。
普通に緩めたら折れてた可能性が高いですが何とか折らずに摘出成功!
一番左のボルトは、タップ立て後の確認に使うため掃除したので綺麗になっていますが、他の3本と同じような感じでした。
ドライブシャフトの一部に平坦な部分があり、小さなインペラピンがあるので無くさないように注意します。
見ての通り、左が古いインペラで右が新しいインペラです。
古いインペラはくせがついてしまって変形もあります。
ちょうど良い替え時だったかなという印象です。
水を吸い上げなくなってからの交換ではエンジンへのダメージが出ますから。。。
インペラケースのこの○の部分も劣化具合も見る必要があります。
黄色○はウォーターパイプが刺さるところで緩くなっていないかを確認します。
水色○は内部にOリングが入っておりOリングが劣化しているとギアケース内に水分が混入します。
両方ともまだ大丈夫でしたので今回はインペラのみを交換します。
ネジ山が塩噛みしているのでタップの立て直しをします。
*タップの立て直しには専用のオイルを使用します。
ギアボックスへの水分混入が無ければ交換はインペラのみとし、ウォーターポンプベースは外さない方が無難です。
インペラケース固定ボルトはダメージを考え4本とも交換します。
この4本はグリスアップ必須!
インペラ固定ボルトに限らずですが、船外機各部のボルトは再組みつけ時には殆どのボルトをグリスアップして再組みつけしています。
海で使う船外機はそうしておいた方が無難です。
では、インペラまわりを完成させてギアボックスを組みつけます。
注)チルトアップしてギアボックスを外している時は、エンジンの重みで船外機が後ろに倒れ易いので気をつけましょう。
シャーピンチェック問題無し。
シャフトにグリスを塗ってペラを付けます。
トーハツ2馬力メンテナンス・スターターロープ交換
左か古いスターターロープで右が新しいスターターロープです。
安心して使えるように消耗品と割り切り交換します。
スターターロープが海上で切れたら。。。
と思うと怖いですよね。
スターターロープの交換方法を知りたい方はトーハツ2馬力のスターターロープを誰でも簡単に交換する方法で説明しています。
トーハツ2馬力メンテナンス・始動性やアイドリングをチェック
*プラグは状態が良かったので交換しませんでした。
【冷間始動】チョークを引いて1〜2回で始動
【温間始動】RESTART位置で1回始動
【吹け上がり】良好
【ギアシフトチェンジ】良好・グリスアップ済み
【検水】良好・インペラ交換後は水量が増えました
トーハツ2馬力メンテナンス・交換部品
ご利用ありがとうございました。
Amazonで注文できるトーハツ2馬力/3.5馬力消耗パーツ一覧表