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トーハツ/マーキュリー2馬力(4st)

トーハツ2馬力・チョークを戻すとエンジンが止まる原因は?【山口県防府市・Nさん】

こんにちは、D2(@gomubo_club)です

 

先日、冷間時にチョークを戻すとエンジンが止まるという症状で、山口県のNさんからトーハツ2馬力のメンテナンス依頼がありました。

 

メンテナンスの様子をお伝えします。

トーハツ2馬力(MFS2B)29年式

【トーハツ2馬力・キャブ清掃】チョークを戻すとエンジンが止まる原因は?

 

【トーハツ2馬力・キャブ清掃】不調の原因を探る

チョークとはエンジン始動の際に空気の流通経路を大幅に遮断して、一時的にガソリンの濃度を濃くする仕組みで、エンジンが掛かりやすくするものです。

 

チョークを作動させている間はエンジンが掛かっていて、戻すとエンジンが止まるという事はアイドリングの状態でガソリンの流量が少なくなっていると予測が出来ます。

この症状の場合は、チャンバー内にはガソリンが入っているので、燃料フィルター詰まりの可能性は低く、キャブレター内に原因があると考えて良いです。

この場合のケースですと、考えられる原因は主に二つ

 

●スロー系統の燃料ラインの詰まり。

●スロー調整が微妙に合わなくなった。

 

スロー調整が微妙に合わなくなったというのは、寒くなるにつれて空気の密度が高くなる為、燃調が薄くなってしまっているという事です。

メーカーからの出荷状態はオールシーズン使えるように、濃いめにセッティングされているとは思いますが個体差もある為、清掃で改善されない場合はスロー調整をやり直す必要があります。

キャブレターを分解して、スロー系統以外も全て清掃していきます。

【トーハツ2馬力・キャブ清掃】キャブレターの分解清掃

 

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【トーハツ2馬力・キャブ清掃】スロー系統・ガソリン経路の構造

チャンバーを開けたところの画像です。

ちょっと見辛いですが、それぞれに経路に番号を表記して説明します。

③スロー系統(水色)

本来、ゴムキャップがついていますが外しています。

④メインジェットで奥にメインノズルが入っています(黄緑)

ガソリンの経路がどうなっているのかというと、メインジェットからガソリンを吸い込みスロー系統へ入る横穴から流入する仕組みになってします。

スロー系統に流れたガソリンはキャブレター上方に吸い上げられ、スローポートと呼ばれる小さな穴から噴射されます。

①も③もスローポートと呼びますが、ガソリン経路は③水色

③水色が始動時やアイドリング時の燃調に関係するガソリンの経路となります。

【トーハツ2馬力・キャブ清掃】スロー系統・エアー経路の構造

次は始動時やアイドリング時の燃調に関係するスロー系統のエアー流入経路についての説明をします。

エアー流入経路は画像の①ピンク丸の位置にあるエアージェットから吸い込みます。

マイナスドライバーで緩めると外れます。

エアージェットから吸い込んだ空気はスロースクリューを通って①のアイドルポートへ繋がります。

 

【エンジンが止まる・掛かりが悪い・アイドリングが不安定等】の症状の時は、まず上記に書いたスロー系統の清掃をする必要があります。

 

エアージェットは外しています。

⑤のエアー経路はメイン系統への流入ポートでメインノズルへ繋がります。

⑤のエアー経路はガソリンと空気を予め混合して吸い上げる事で効率良く霧状化させる効果があります。

 

①エアージェット

④メインジェット

⑤メインノズル

キャブレター内ガソリン経路

キャブレター内エアー経路

勿論スローポートも

キャブクリーナーやエアーガンを使って全ての経路を清掃します。

燃料フィルターも清掃しましたが殆ど汚れていませんでした。

全ての清掃が終わると順に組み付けてエンジンにキャブレターを戻します。

 

キャブレターの清掃には泡タイプがおすすめ!

【トーハツ2馬力・キャブ清掃】エンジンを始動してみる

 

チョークを引っ張ってエンジンを掛けてみると2~3回で掛かり、チョークを戻しても止まらなかったので一安心だったのですが、気温が低い時間帯に更に確認する必要があります。

翌日の朝一の気温が低い状態にテストしてみると、チョークを戻すと止まりました。

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【トーハツ2馬力・キャブ清掃】スロー調整が必要

少し燃調が薄いと判断

スロー調製をする必要があるようです。

アイドリング調整ネジの反対面に金色のめくら蓋が被っているところがあるのですが、めくら蓋の奥にスロースクリューがあります。

めくら蓋をドリルで開けるのですが、この蓋は非常にぶ厚く10mm近く厚さがあります。

ドリルの角度に気をつけて、周りを傷つけないように慎重に穴を開けていき蓋を開けます。

この作業はかなり神経を使います。

蓋がとれるとスロースクリューが奥にありますので、全閉の状態から緩めていきます

概ね1.5回転~2回転緩めた範囲でセッティングが出ますので、2回転でテストしてみました。

翌日の朝一にエンジン始動、確認してみるとチョークを戻しても止まらなくなり良好。

これにて、整備完了となりました。

 

【トーハツ2馬力・キャブ清掃】まとめ

キャブレターの構造を知る事で、トラブル時でもある程度は原因となっている部分の予測は立て易くなりますので、機械いじりに興味がある方は是非ご参考に。

*スロースクリューのめくら蓋開けは技術を必要とし、また破損というリスクも伴いますのでご注意を。

 

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ゴムボくらぶが使ってる船外機メンテナンスの必須アイテムのご紹介!

 

●おすすめの耐水グリース

一般的な耐水グリースより粘度が高く持ちが良いです。

 

●80g用のグリースガン

エンジン下の首周りなど、グリースニップルからの注油に使用します。

ジャバラの状態で入れて使えるので綺麗に使えて便利です。

上記の80gグリースで使えるのでグリースガンとセットで持っておくと便利です。

 

●液体ガスケット

自己メンテナンスをする人には必須アイテムである液体ガスケット。

乾くのに1日程度掛かりますが硬化後の密着力が強く1215がお勧めです。

オイルシールの外周塗布にも使えます。

 

●シリコングリース

ゴム製品には攻撃性が低いシリコングリースを使うのが基本です。

オイルシールの内側やOリングなどゴム製品に塗布して使います。

 

●言わずと知れたマリンスプレーの定番です!

CRE 6-66

釣行後は錆び易い箇所にシュッっと

 

●キャブレタークリーナー

キャブクリーナーは安物が洗浄能力が低くてダメです!

私が使ってみておすすめするのはYAMAHAのヤマルーブです。

洗浄効果は勿論高く、汚れで変色したジェット類など浸け置きしておくだけで綺麗な金色に戻ります。

 

●パーツクリーナー

キャブクリーナーで洗浄したあとはパーツクリーナーでキャブクリーナーを洗い流してください。

キャブクリーナーで洗浄したのみだとべたつきますので。

 

●ピンポンチ

抜けにくいシャーピンを外す時にピンポンチがあると作業がスムーズにいきます。

釣行時の携行アイテムとして小型ハンマーとピンポンチがあれば便利ですよ!

 

●小型ハンマー

小型のハンマーですがヘッドの重さがそこそこあるので打撃力も強くコンパクトでなかなか良いですよ。

 

●ギヤオイルの交換におすすめなドライバー。

軸が四角形なのがポイント!

スパナをかけて緩めたり締めたりできます。

スパナをかけると固かったネジが嘘のように回ります。

 

●ギヤオイル交換アイテム

1Lのペットボトルに取り付けて使用します。

ホースの先端に付属のアダプター(M8×1.25)を取り付けることで、ホンダ・トーハツ・マーキュリー・スズキなど、ほぼ全メーカーのドレンボルトに適合します。

チューブタイプと比べるとドレンを閉める時に落ち着いて作業ができるのでおすすめです!

 

 

今後もおすすめアイテムがあれば追記していきます!

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