こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
福岡県福岡市・Yさんからトーハツ2馬力の修理依頼を頂きました。
型式:3BV(MFS2B)
製造年月:令和1年7月
トーハツ2馬力・不調の原因を探る
通常エンジン不調といえば真っ先にキャブを疑いますが、今回はどうもキャブではなさそうです。
まだ慣らし運転中ということで、稼働時間を管理するためにタコメーター兼アワーメーターが取り付けられています。
まず、症状を確認するために暫くアイドリングで様子をみていると10分ほど経過したところから不調の症状が出始めました。
ガッ・・ガッ・・ガッ・・
と止まりそうになり最後にはエンジンが止まりました。
エンジンが正常に動くための3本柱
良い圧縮・良い混合気・良い点火
この3つが揃って初めてエンジンは調子良く動きます。
スターターロープを引っ張るとしっかり圧縮があります。
不調の状況を確認するとキャブの可能性は低いと感じました。
残るは点火系です。
プラグコードがリークしている
エンジンの状態を観察するとプラグコードがリークしています。
黄色丸内のゴムキャップの端ところからリークしています。
動画:リークの様子
ファイル形式:MOV・デバイスによっては見れない可能性があります。
リークしている部分からは小さな火花が出るので目視で分かります。
本来プラグの電極から出るべき火花なので、リークしたタイミングで失火を起こし、エンジンが止まりそうになったり止まってしまうというわけです。
初期不良なのか!?
状態を考察するとこれは初期不良ではないようです。
プラグコードを固定している黄色丸のホルダーの角度が変わってしまっているのが原因です。
本来、黄色丸のホルダーは通常もう少しナナメ下を向いているはずなのですが、真っすぐになっています。
このホルダーが上がってしまうとプラグコードの取り回しが変わってしまい
このようにプラグコードとヘッドカバーがかなり近づいてしまいます。
現状ではほぼ接触しているといっても良いぐらいの状態。
アワーメーターを取り付けるには写真のようにプラグコードに配線を巻き付けるのですが、作業時、気づかぬうちに曲がってしまったのかなと思います。
何とかリークしない程度に隙間があった状態でクーラーから転げ落ちて、その衝撃でプラグキャップの向きがかわって更にヘッドカバー側に近づき、接触してリークするようになったという流れかと思います。
ホルダー角度修正
ホルダーの角度を正規の角度に下げてやると隙間が開きました。
正規の状態でこのぐらいの隙間しかないので、少しホルダーの角度が変わってしまうとヘッドカバーと接触しやすい状況となります。
これでリークは直った?
エンジンを掛けた状態でゴムキャップの部分を触ってみるとビリビリきますので、まだリークしています。
正常なプラグコードはビリビリきません。
プラグコードは非常にデリケートですので、僅かな隙間や傷や亀裂等からリークし火が飛びやすい場所から飛んでしまいます。
プラグコード自体に問題を抱えてしまったようです。
くまなく観察してみると亀裂や傷は無く、修理できそうだったので修理してみる事にしました。
修理方法は非公開となりますが、無事修理で直りました。
動画:修理後の様子
ファイル形式:MOV・デバイスによっては見れない可能性があります。
キャブを交換して、30分のエンジン始動でアイドリング及び、アクセルも煽ってテストしてみるとリークする事なくビリビリも無くなり絶好調です。
無事正常な状態に戻りました。
インペラのグリスアップ
さて、次はグリスアップをします。
使用3回のインペラボルト
少し塩で白くなっているところもありますが、まぁ綺麗です。
ワイヤーブラシで掃除して耐水グリスを塗ります。
ドライブシャフトのスプラインもグリスアップ。
アノード本体&アノードボルトもグリスアップ。
最終チェック
一旦、エンジンを冷やして翌日に再確認してみます。
状態は変わらずで絶好調です。
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて3回始動。チョークを引かずにRESTART位置にて2回でも始動しました。
【温間始動】アクセルはRESTAT位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
ありがとうございました。
トーハツ2馬力・ギヤオイルに海水混入してオイルシール交換に!【福岡県北九州市・第五海遊丸さん】