こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
山口県下関市・Fさんよりトーハツ2馬力のおまかせメンテナンス依頼を頂きました。
購入から1年使用の船外機です。
製造年月:31年3月
型式:MFS2B
一通り見ていきましょう。
固くなったシフトレバーのグリスアップ
お預かり時にシフトレバーの動きを確認してみると固くなっています。
1年で固くなるとは恐るべしトーハツシフトレバー
このようなグリースガンを使ってグリスアップします。
ウレア系のグリスでOKです。
グリスニップルがついているのでニップルからのグリスアップで何とかならないものかとやってみますが変化がありません。
果たしてグリスがシフトレバー軸まで届いているのだろうか??
グリスニップルを外して中を確認してみます。
グリスニップル奥の写真
拡大し過ぎて画質が悪いですが、シフト軸までの穴に塩の結晶が詰まっています。
これではグリスアップをしてもシフト軸までグリスが到達しませんね。
精密ドライバーで穴の内部をほじると塩の結晶がついてきました。
ホジホジしながらエアーガンで飛ばします。
おっ!
金属のシフトレバー軸が見えてきました。
完全にシフトレバー軸が露出しました。
既にシフトレバーの動きが固くなっている場合はいきなりグリスを注入するのではなくまずは6-66を注入して浸透させ動きを軽くしてからグリスを注入します。
これでだいぶ動きが柔らかくなりましたので、あとは使っているうちに徐々に馴染んでいきます。
キャブレターの清掃
キャブレターを清掃します。
内部はそこまで汚れていませんでしたが、細かな要所を中心に清掃しておきます。
スロー系統をつかさどる黒いゴムキャップの部分はインテーク内部にある小さな穴に繋がっておりゴムキャップ部分からキャブクリーナーを噴射してインテーク穴からちゃんと出るかを確認します。
こちらはエアー系統
この穴もしっかり清掃します。
メインジェットやメインノズルも綺麗に清掃。
燃料フィルター清掃
燃料フィルターは大物の汚れが付着していましたので清掃しておきます。
インペラボルトのグリスアップ
使用期間はまだ1年なのでインペラを交換するには早いのですが、塩嚙みで固着してしまう前にインペラボルトのグリスアップをしておきます。
1年使ったインペラボルトはどんな感じでしょうか。
少し塩嚙みしていますが軽い方ですね。
ネジ山に入り込んだ塩を取り除き、グリスアップして組み付けます。
インペラはこんな感じでゴムも柔らかく問題ありません。
ポンプベースや水路は使用期間のわりには結晶がついていました。
持ち帰り後に洗浄しているのかな?
水路や周囲の結晶を落としてメス側ネジ山内部も綺麗にします。
ドライブシャフトスプラインもグリスアップします。
下記のグリスは耐熱性、耐水性があるのでどちらでもOKです。
ペラ軸にPEラインが、、、
ペラ軸をチェックすると大量のPEラインが巻きついていました。
巻きついたPEラインが軸の隙間から中に入ってしまうと下手したらオイルシールがダメになってしまいます。
今回は大丈夫でしたが、PEライン巻きつきには注意が必要です。
耐水グリスを塗って組み付けます。
シャーピンの曲がりはありませんでした。
その他の作業
ギヤオイル交換
ギヤオイルを交換しました。
水分混入による白濁はありませんでした。
サーモスタッド 点検
動作確認OKです。
ケース内部は清掃
プラグ点検OK
スターターロープ点検OK
アノード磨き
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2回始動
【温間始動】アクセルはRESTART位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
【検査】良好
交換した部品
今回は交換した部品はありません。
状態を見て再利用可能かを判断し、必要に応じて液体ガスケットを使って整備しました。
お客さん負担になる送料のことなども考えて臨機応変に判断しています。
ご利用ありがとうございました。
アクセルを開けるとエンストするトーハツ2馬力の修理【山口県宇部市・Fさん】