ゴムボくらぶです
山口県熊毛郡のKさんからホンダ2馬力の修理依頼をいただきました。
所有されているホンダ2馬力の調子が良くなかったらしく、Kさん自身でキャブレターとイグナイターを交換されたそうで交換後は調子が良くなったとのこと。
しかし、その後にバケツ運転で調子を見ようと回転を上昇させていたところ当然エンジンが止まってしまい、以降スターターロープも引けない状態になってしまったとのことです。
一体何が起こってしまったのか!?
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製造年月:12年9月
型式:BZBF(BF2D4)
エンジンが掛からない原因は一体!?
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12年製のホンダ2馬力ですが程度が凄く良いです!
これからバラしていきますが、現状クランクプーリーは全く動きません。
クランクプーリーの上にあるリコイルの相手側であるお椀も交換したと言っておられました。
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定番のこのあたりのボルトはサビサビなので組付け時にはステンレスに変更します。
腐食はしていないので普通に緩めることができました。
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錆びは少なめなので使用頻度が少ないのでしょうね。
エンジン単体になりましたが変わらずクランクはロック状態です。
原因はエンジン内部にあるもよう。
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エンジンが停止した時の状況を聞いた時、おおよその察しはつきました。
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クランクシャフトに傷アリ。
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相手側も。
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エンジン停止の原因は油膜切れです。
なぜ油膜機切れを起こしたのか?
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エンジン内部に入っていたエンジンオイルの量です。
180mlぐらいでしょうか?
ホンダ2馬力のエンジンオイルは全容量で250mlぐらいで、通常のオイル交換で抜けるのは200ml程度です。
画像のオイルはクランクケースを開けて完全に抜いた量で180nl程度なので規定量よりおおむね70mlほど少ないことになります。
バケツ運転でどれくらい回転数を上げたのかは分かりませんが、油膜切れを起こしている現実があります。
ホンダ2馬力は、というかトーハツ2馬力もそうなのですが構造上オイルポンプが無く、簡単に言えばオイルをまき散らして潤滑させているという構造になります。
なので、オイルの量が少ないと非常に過酷な状況になります。
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これは修理完了後の画像になりますが船外機を水平にした状態でグラス窓の真ん中までの量を必ずシビアに維持した方がよいです。
グラス窓の外周に白線のラインがありますがこのラインだとちょっと心配な気がします。
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傷が深いとクランクシャフトやコンロッドを交換しないといけませんが、幸いにも傷は浅く軽症です。
現物修理で良さそうです。
コンロッドやクランクシャフトを交換するとなると修理費用もだいぶ変わってきますが、今回運が良かったようです。
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修正後の状態
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このお椀を交換したと言われておりましたが取り付け方をミスっていました。
赤丸の部分が変形しています。
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先ほどの赤丸の中にある出っ張りの部分はこの溝に合わせて取り付けないといけません。
矢印の部分に出っ張り部分が当たっていた跡がついています。
出っ張り部分を溝に合わせて取り付けてないとロープを引っ張った時にお椀が滑り
エンジンが掛からないということが起こり得ますので合わせ溝が切ってあります。
お椀の変形を修正して正規の位置で組付けします。
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ステンレスヘッドカバーに変更して錆びたネジも交換しました。
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クラッチ良好です。
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排気管
酷い結晶はついてはいないが。。。
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カバーの溶接が外れています。
この溶接が外れると異音が出たりするんですよね。
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溶接し直しておきました。
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キャブレターは新品なですが、一応内部チェックをして、その他の燃料系をメンテナンスしておきます。
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燃料フィルター清掃
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燃料キャップの内の消耗品は傷んでおりましたので交換しておきました。
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燃料タンク内部の汚れです。
内部に残った燃料はだいぶ劣化が進んでおりました。
その他の作業
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この年製のやつはグリップが細く、現行DHのグリップの方が太くて握り具合が良いので独断で太グリップに交換しました。
金額的には約1000円程度です。
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固着し易い排気管の固定ボルトもステンレスへと変更
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いつもやっていることではありますが、アンダーカウルは汚れている場合が多いため綺麗に清掃してリフレッシュ!
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エクステンションケースの首の部分は古いグリスをふき取って新しいグリスを入れました。
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リューションコードがデロンデロンになっていたので交換しておきました。
●ギヤオイル交換
●エンジンオイル交換
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試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2回で始動。
【温間始動】1回で始動
【吹け上がり】良好
交換した部品
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ご利用ありがとうございました。