ゴムボくらぶです。
福岡県大野城市のKさんからトーハツ2馬力・ホンダ2馬力・ヤマハ2馬力のと3台のメンテナンスのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
トーハツ2馬力の次はヤマハ2馬力の記事です。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

型式:6S7(F2)
製造年月:2006年07月
整備済みのヤマハ2馬力はどんな状態!?【福岡県大野城市・Kさん】

こちらも整備済みとのことで購入されたそうですが、アクセルワイヤーが固着してるようで動かないとのこと。
この情報でまず思ったのはオーバーヒートしてないだろうか?ということです。
ヤマハ2馬力は取り回しの関係上、アクセルワイヤーとエンジンが接触しているためオーバーヒートするとアクセルワイヤーの外皮が溶けて固着してしまいます。
では、各部のチェックをしてみましょう。

サーモスタットのチェック。

動作チェックOKです。
清掃して綺麗になりました。

インペラをチェックしてみると、なんと羽根が無くなり丸坊主になってます。
やはり思った通りオーバーヒートしてアクセルワイヤーが溶けて固着しているという状態ですした。
ちなみに購入の受け渡し後にKさんは水無しでエンジンを掛けたりはしていませんので、整備済みだと販売していて全く整備なんてしてないということです。
あるあるだけど、酷い話だ。

切れたインペラの残骸は取れるだけ取りましたがエンジン内部にもありそうです。

時系列が前後しますがインペラを交換してエンジンを始動してみると検水が頻繁に詰まってしまい出なくなります。
やはりインペラの残骸がエンジン内部に回ってて検水口を塞いてしまっているようです。

検水口を塞いでいる犯人を見てみましょう。

あ~、犯人居ました。
右側の穴が検水口で左側に見える黒い物体がインペラの切れた残骸です。
検水口のホースから針金などで突いて一時的に勢い良く出るようになっても、残骸が隣に移動するだけなのでまた直ぐに吸い込まれて蓋をしてしまっていたという状況です。
こうなってしまうと分解して取り除くしかなないです。
だから、インペラは劣化して切れてしまう前に交換する必要があるんです。

さて、一か所ねじ山がダメになっている箇所がありましたのでヘリサート加工をしておきます。

イグナイターが良く錆びてるのでメンテナンスしておきましょう。

お次は燃料系の清掃です。

ジェット類、劣化したガソリンで良く汚れてます。

綺麗になりました。
ヤマハ2馬力のキャブはなかなかデリケートで、実は大半の個体においてオリジナルでしている加工があります。
この作業をすることでより正確なキャブ調整が可能となります。

燃料フィルターは網が破れてたので交換です。

ロープも交換しときましょ。

新品はだいぶ太い。

チョークワイヤーが変形してますので修正しておきます。

ギヤオイル白濁無しでOK。

スロットル開度のインジケーターが付てないですねぇ。

付けときました。

これでOKです!

始動性・再始動性、吹け上がり、バッチリ良好です!
またまた驚きの整備済みでしたw
ご利用ありがとうございました。