こんにちは、D2(@gomubo_club)です
トーハツ2馬力4ストのサーモスタットの点検及び交換方法を説明します。
*サーモスタットの単体点検のやり方は他のメーカーの船外機であっても同じですので、参考にしてください。
マーキュリー2馬力2スト・トーハツ2馬力2ストにはサーモスタットはありません。
サーモスタットの点検は必ずガスケットが破れますので予めガスケットの準備と、サーモスタットに異常があった場合に備え、新品サーモスタットも用意してから始めましょう。
それぞれの部品はこちら
サーモスタットについて
サーモスタットとは水温によって開閉する弁で、エンジンの温度を適正に保つ役目をしています。
冷間時に弁を閉じておく事で水の経路を一部遮断し、早めにエンジンを温めます。
エンジンが温まるとピストンが膨張しシリンダーとの適正なクリアランスを保ちます。
サーモスタットは検水とは無関係
インペラが正常に機能していれば検水口から勢い良く水が出ますが、これはサーモスタットの動きとは関係していません。
ですので、検水口から水がちゃんと出ていてもサーモスタットが正常に機能していなければオーバーヒートという事にもなり得るという事です。
トーハツ2馬力4スト・サーモスタットの分解方法
画像はトーハツ2馬力4ストのエンジンです。
黄色丸のところに頭10mmのボルトがあるので3本外します。
サーモスタットケースにはボッチがついておりボルトを外しても張り付いている為、当て木などをあてて軽くショックを与えながらケースを外します。
トーハツ2馬力4スト・サーモスタットの状態確認
新品から1年海水で使用したサーモスタットケースの内部画像
海水で使っていたら使用後に水通しをしていても1年で塩の結晶が固着してこのような状態になります。
トーハツ2馬力のサーモスタットが開く温度は52℃。
短時間のバケツ運転では水温が上がらずサーモスタットが開きませんので、どうしても内部までは綺麗に塩が抜けません。
定期的な掃除で塩の結晶を除去するしかないです。
新品から1年海水使用で使用したサーモスタット本体です。
交換が必要かどうかは
●サーモスタットの塩の結晶固着の状態
●正常に動いているかどうか
●使用年数
このあたりで判断したら良いかなと思います。
海水使用で4~5年交換していないという状態であればトラブル防止の為に交換した方が無難です。
ちなみにこの画像のサーモスタットは使用1年で正常に動いていたのでまだ大丈夫だと判断し清掃のみにしました。
トーハツ2馬力4スト・サーモスタットの単体点検
サーモスタットの単体点検方法は、鍋などに水を張りその中にサーモスタットを入れて加熱します。
気をつけるべきことは真水の状態からサーモスタットを入れる事。
熱湯になった状態でいきなりサーモスタットを入れるのはダメですのでご注意ください。
サーモスタットが正常に機能していれば、画像のように黄色矢印の位置が開いています。
そして、暫くするとジワジワと弁が下がって閉じてきます。
このように弁が開けばサーモスタットは正常に動いています。
不良な状態のサーモスタットの状態
この画像は、車用のサーモスタットなのですがセンターの軸が曲がってしまい弁が固着してしまっています。
センターがずれているので一部隙間が開いています。
これ以上弁が開かない為、冷却水の流量が大きく減ってしまっています。
サーモスタットが異常な状態というのは、センターがずれてしまっているというケースや固着して開かない、もしくは開きっぱなしという状態です。
サーモスタット本体には外周にゴムのパッキンがついています。
このゴムパッキンの変形が酷い場合にはサーモスタットを交換しましょう。
トーハツ2馬力4スト・サーモスタットの清掃
サーモスタットケース内、及びサーモスタット本体を清掃します。
サーモスタットを交換する場合はケース内のみ清掃してください。
サーモスタット本体の清掃
ワイヤーブラシや細かなそことは精密ドライバーを使って塩の結晶を落としていきます。
だいたい綺麗になるとこんな感じになります。
サーモスタットケース内の清掃
マイナストライバー等を使いケース内部にこびりついた塩の結晶をこさぎ取りながら掃除機で吸い出します。
奥の水路に塩の結晶が入って行かないように気を付けて作業します。
綺麗になるとこんな感じです。
サーモスタットケース合わせ面のガスケットを取り除き組み上げ
スクレーパーを使って古いガスケットを綺麗に取り除きます。
注意すべき事は、合わせ面に深い傷を入れないようにする事。
アルミなので傷が入り易い為、ご注意を。
サーモスタットを取り付け、新しいガスケットを入れ組み上げたら完成です。
サーモスタットケースの固定は2本のボルトを均に締め付けてください。
まとめ
溜まった塩の結晶を除去する為にも年に一度は点検をした方が良いです。
オーバーヒートをすれば下手すれば船外機買い替えにもなり得るので定期的な点検を心掛けましょう。
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