ゴムボくらぶです!
福岡県糟屋郡・Nさんよりホンダ2馬力のメンテナンス依頼を頂きました。
新品で購入後、5年経過したというホンダ2馬力。
現状不具合はないものの表からは見えない中の方の状態が心配なので、そろそろ一度全体的なメンテナンスをということでお持ち込みいただきました。
製造年月:2015年1月
型式:BZBF(BF2DK2)
では、見ていきましょう
ホンダ2馬力(BF2DK2)メンテナンス
今から分解していくわけですが左右舵切りの動きが硬いため,まずはこの首の部分を分解清掃します。
動きが硬いと作業し辛いですから最初にやっておきましょう。
古いグリスや汚れなどを綺麗に清掃して新しいグリスを入れて再度組みなおします。
内部の錆はそんなに酷くはないようです。
新品エンジン購入時に各部をステンレスボルトに交換されており、ネジ頭の腐食も無くスムーズに作業が進みます。
ヘッドカバーはそんなに錆びていないですね。
ステンレス製のヘッドカバーに交換します。
タペットのクリアランスは使用頻度に応じて広くなっていきます。
カバーを開けた機会に再調整しておきましょう。
液体ガスケットを塗って付け替えました。
ヘッドカバー交換に使う液体ガスケットは下記の硬めのものがおすすめです↓
エンジンオイルのドレンボルトです。
元々は丸い頭のプラスネジのタイプがついていましたが六角タイプに変更しました。
*プラスネジから六角タイプへ変更したい場合は入庫時にお伝えください
クラッチ関係、良好です。
イグナイターまわりも整備しておきます。
お次はキャブレターのオーバーホールです。
チャンバーは交換ですね。
パイロットスクリューの中もしっかりと清掃します。
キャブクリーナーは強力洗浄性能でノズルが細いヤマルーブがおすすめ↓
パイロットスクリューからキャブクリーナーを噴射するとこちらのパイロットジェットから泡が噴き出します。
キャブレター清掃はこういった経路の流通をしっかりと確認しながらやっていきます。
ガスケット類・チャンバー交換しました。
燃料タンク内のガソリンを抜いたものです。
左側がタンク内に入っていたガソリンで右側は新しいガソリンです。
少し色が違うのは劣化が始まっているためです。
鮮度の良いガソリンはピンク色をしており、劣化が始まっているガソリンはオレンジ色に変わっていき臭いにも変化があります。
劣化したガソリンは不調や始動不良の原因となりますので、数か月(2~3か月)船外機を使わない場合は燃料タンクから抜いて使う時に新しいガソリンを入れるようにしましょう。そうすることでトラブルが防げます。
キャブのチャンバードレンを開け、耐油性のある容器で受けることで燃料タンク内のガソリンがほぼ抜けます。
燃料キャップの消耗品も交換しておきます。
ロアケース固定ボルトの固着が無く無事ロアケース抜けました。
ペラ周りです
恐らく購入時から塗られてたものだと思いますがオイルシールの外側はあまりグリスをベタベタ塗ると砂が付着して回転部分に噛んでしまい逆にオイルシールを痛めます。
ドライブシャフト側のオイルシール
経年劣化でひび割れています。
現状ギヤ内部に水分混入はありませんが、このような状態なのでペラ側のオイルシールと共に交換しておきます。
交換後のオイルシールです。
羽根の傷つき防止に内側にラバーグリスを塗っておきます。
海で使用後に毎回プラカバーの中にある穴から水を流しているとのことで、排気管には塩の固着が無く綺麗です。
ホンダユーザーの皆様、これやった方が良いですよ!
その他の作業
スターターロープ交換
シャーピン交換
ハンドルを下げたままうっかり海水に浸けてしまうことがよくあるらしく、内部の状態を心配されてましたのでバラしてみました。
グリスが乳化しておりましたので、拭き取って新しいグリスでグリスアップしておきました。
追加のステンレスネジ化
エンジンオイル交換
ギヤオイル交換
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて1~2回始動
【温間始動】アイドリング位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
ホンダ2馬力のエンジンが掛からない!【山口県山口市・Mさん】