こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
福岡県福岡市・Eさんよりホンダ2馬力の修理依頼を頂きました。
製造年月:17年6月
型式:BZBF(BF2D4)
では、見ていきましょう
キャブレターのメンテナンス
燃料コックをONにすると暫くしたらキャブレターからガソリンがポタポタと漏れてきましたので、まずはこれからやっていきます。
ガスケット類は全て交換
チャンバー、外見はわりと綺麗ですが・・・
中は錆がでているので交換することにします。
そして・・・
ガソリン漏れの原因はズバリこのチャンバーです。
良く見ると真ん中の取り付けボルトの位置が変形しています。
正常な取り付け状態でも少し平らにへこんでいるのですが、これは過度に変形しています。
チャンバー取り付けの際にチャンバーの当たり面が綺麗に溝に乗っていない状態で締め込むと真ん中が変形してしまいます。
変形してしまうとネジを締めてもチャンバーの当たり面がガスケットにしっかりと当たらないためガソリンが漏れてしまうという状態になるのです。
チャンバーは交換するので漏れは解決です。
次は白煙について見ていきましょう。
フロートバルブです。
長期間キャブレター内にガソリンが入っていたようで汚れが溜まっています。
フロートバルブに汚れが溜まると弁となる構造がきっちりと機能しませんので、ガソリンがオーバーフローして過剰にガソリンが送り込まれます。
そうなると燃焼しきれないガソリンが未燃焼ガスとなり白煙を吐く状態になります。
いわゆる生ガスというやつですね。
白煙についてはオイルが要因であったり原因はケースバイケースですが今回はガソリンでした。
ついていたフロートバルブ
微妙にゴムが痩せているようにも見えます。
取り急ぎ清掃したらオーバーフローは止まりましたが年製から劣化を考えて交換しておきます。
新品のフロートバルブ
フロートバルブは交換します。
強力キャブクリーナーで全体をキッチリ清掃しておきます。
キャブレター上蓋のネジですが、たまにこのネジが固着しているものがありますので分解した際にはこういったところもグリスアップしてから組付けます。
燃料フィルターは少しゴミが溜まっていましたので清掃します。
燃料タンク内は綺麗でした。
ステンレスヘッドカバーへ交換
年製のわりに使用頻度が少ない船外機のようでこういった腐食しやすいボルトも錆程度です。
難なくエンジンを下ろすことが出来ました。
綺麗でしょ
ブローバイホースがちゃんと入ってなく折れ曲がった状態でした。
この機会に交換しておきます。
タペットのクリアランスを見てみたら規定値内でした。
液体ガスケットを塗ってステンレスヘッドカバーへ交換完了です。
エンジンから異音が
一旦組み上げてエンジンを掛けてみたところチリチリチリと金属音が鳴っています。
おっとー!
この異音は何だ〜
ガソリンが漏れていたので分解前にエンジンを始動していなかったためこれがはじめてのエンジン始動となります。
異音の発生源に耳を澄ますとクラッチ周辺から出ているようなので、もう一回エンジンを下ろして原因を探ります。
すると。。。
クラッチアウター
ケース内にあるお碗の真ん中が変色していまるの分かりますか?
通常こんな色ではありません。
ベアリングなどを再度点検すると微妙に波うって回転しています。
ベアリングを固定するスナップリングはちゃんと止まっているものの綺麗に真っ直ぐベアリングが入っていない状況です。
どうしてこんなことになっているのかは分かりませんが、過去に何らかの理由でベアリングを交換してミスっていると思われます。
ちょっと画像がぼやけてますが、真ん中のスプリングにお碗が当たった跡があります。
ズバリ、異音の原因はコレです。
元々スプリングとお碗とのクリアランスはかなり狭いためベアリングがキッチリ綺麗に入っていないと当たってしまうんです。
ベアリング自体は交換の必要は無かったので綺麗に入れ直して異音は解決しました。
その他の作業
エアーベントのパッキン&スポンジ交換
スターターロープ交換
外からは見えない部分が劣化していました。
ギヤオイル交換(白濁無し)
デザーコード交換
エンジンオイル交換
ペラ修正
イグナイター点検OK
プラグ点検OK
シャーピン点検OK
各部グリスアップ
キャブの取り付けボルトをステンレス化
綺麗ですね!
リコイルの取り付けナットや燃料タンクの取り付けナットもステンレス化
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2回始動
【温間始動】アクセルはアイドリング位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
スロー調整、アイドリング調整
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
購入から1年のホンダ2馬力が突然エンスト!【山口県下関市・Mさん】