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船外機メンテナンス

【船外機トラブル】ガソリンがオーバーフローする時の対処法

こんにちは、D2(@gomubo_club)です

 

船外機トラブルの中のひとつに、「キャブレターから出ているホースからガソリンが漏れる」

といったケースがあります。

これは、キャブレター内にあるフロートに何らかのトラブルが起きている状態であり、また現場で復帰できるケースもあります。

 

この記事ではフロートの仕組みを解説したうえで、現場で行ってみるべき適切な対処法を説明します。

*モデルはトーハツ2馬力での説明になりますが、どのメーカーの船外機であってもキャブレターがついていればフロートの仕組みは同じです。

 

先日、2馬力ボートファミリーフィッシングでおなじみの第五海遊丸さんが海上でキャブレターがオーバーフローしてしまいエンジン不動になりました。

その時、キャブレターは一体どのような状態だったのか!?

海上からの電話でのアドバイスにて無事エンジン復活することが出来ましたので、その時の内容も合わせてご説明致します。

 

船外機キャブレター・ガソリンの供給量を調節するフロートの仕組み

 

キャブレターの内部にはフロートと呼ばれるパーツがあり、キャブレター内へのガソリン供給量を調節する役目をしています。

図:フロートの仕組み

ピンク色の部分はガソリンとなります。

 

各部の名称

①フロート

②フロートバルブ(ニードルバルブとも呼ばれます)

③バルブシート

 

①フロートは②フロートバルブと連動しています。

キャブレター内にガソリンが入っていない状態の時はフロートが下がっています。

燃料コックをONにすると上部からガソリンが流れてきて②フロートバルブと③バルブシートの隙間を通りキャブレター内に溜まっていきます。

そして、ガソリンが溜まっていくとウキの役目をするフロートが浮き上がり、連動しているフロートバルブも上昇します。

規定量に到達するとフロートバルブはバルブシートに密着して蓋をし、完全にガソリン供給がストップされます。

エンジンが掛かっている間はこの動きを繰り返しており、浮力を利用した機械的な仕組みであることが分かります。

 

【実物】トーハツ2馬力キャブレターのフロート

 

実物のトーハツ2馬力 A型のフロート

 

下部の黒い部分がフロートとなります。

ガソリンが入ってない時はこのようにフロートが下がっています。

 

フロートとフロートバルブ

このように連動しています。

 

フロートバルブのアップ

先端の三角部分はゴム製になっており、バルブシートとの機密性を高めています。

 

キャブレター・オーバーフローが起こる原因とは?

 

フロートの仕組みについての説明しましたが、何故フロートに不具合が起きてオーバーフローが起こるのか?

という事について説明したいと思います。

 

原因は主に以下の三つです。

フロートバルブとバルブシートの間に一時的にゴミ等の異物が挟まった、もしくは何かの拍子でフロートが引っかかった。

フロートバルブの先端が摩耗したことによってバルブシートとの機密性が失われた。

フロートが割れて浮力を失った。

 

順に説明します

 

①フロートバルブとバルブシートの間に一時的にゴミ等の異物が挟まった、もしくは何かの拍子でたまたまフロートが引っかかった。

【説明】

前回使用時は何ら問題無く始動していたのに、燃料コックをONにしたら突然ガソリンがホースから出てきた。

こんな場合はまず原因①を疑います。

フロートバルブとバルブシートの間にゴミ等の異物が挟まるとフロートバルブが蓋をできないため、ずっとガソリンを供給し続けます。

次に、何らかの拍子でフロートが引っ掛かったというケース。

フロートバルブ側面やフロートの取り付け部分は金属同士が接触して動いているため、たまたま少し引っ掛かってしまったというケースです。

この場合は、正しい対処法を行うことで現場で復帰することができるケースです。

復帰方法は後ほど詳しく記述します。

 

②フロートバルブ先端が摩耗したことによってバルブシートとの機密性が失われた。

【説明】

フロートバルブ先端の三角になっている部分はゴム製だと書きましたが、この部分は船外機使用年数の経過と共に摩耗し、段がつき始め次第にバルブシートとの機密性が失われていきます。

 

③フロートが割れて浮力を失った

【説明】

強い衝撃や劣化によりフロートが割れてしまうというケース。

フロートが浮力を失ってしまうと、当然フロートバルブが上がらないので、ずっとガソリンが供給され続けます。

これは極めて稀なケースですね。

 

【必読】キャブレターがオーバーフローしてしまった場合に現場でするべき対処法

 

燃料コックをONにしたらキャブレターへと繋がるホースからガソリンが出てきてしまったという場合は、まずは原因①を疑い次の事を試してみましょう。

最初に燃料コックをOFFにしてガソリンの流れを止めます。

キャブレターに軽くショックを与える

次に工具等、硬い材質の物でキャブレターにコンコンと軽くショックを与えます。

注)あくまでも軽くです

フロートが軽く引っかかっているだけの場合は数回軽くコンコンとショックを与えるだけでフロートが動き出します。

そして、燃料コックをONにしてガソリンが出ないかを確認します。

ホースからの漏れが止まっていればOK!

 

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キャブレターのガソリンを抜く

一旦オーバーフローしてしまうと、キャブレター内には規定量以上のガソリンが入ってしまっているため、このままでは燃料が濃過ぎてエンジンが掛かりません。

そこで燃料コックをOFFにして、キャブレターのドレンから一旦ガソリンを全て抜きます。

マイナスドライバーを使って黄色丸の部分のドレンを緩めます。

緩めるだけでOK

 

すると横の横の穴からガソリンが出てきます。

 

燃料コックONでエンジン始動

 

キャブレター内のガソリンが全て抜けたら、ドレンを閉めて燃料コックをONにします。

そして、エンジンを始動してみます。

始動方法は通常の冷間始動時と同じく、チョークを引っ張ってアクセルはSTART位置で。

 

①の原因だったならば、これでエンジン掛かります。

 

もしもオーバーフローが起こってしまった場合は上記の対処法を試してみましょう。

 

第五海遊丸さんがオーバーフローした時の状況

 

こちらは、第五海遊丸さんがオーバーフローしてしまった時の状況の動画です。

まずは見てみてください。

 

情報から原因を考察する

 

電話で第五海遊丸さんから状況を聞いてみると、前回の出航時には何ら問題無く使うことができていたが今回エンジンを掛けようとしたら掛からないとのこと。

そして、キャブレターから出ているホースからガソリンが漏れていたものの、現在はガソリンの漏れは止まっている。

しかし、エンジンは掛からないという状況。

 

これはどういった状況なのかというと、出航時はオーバーフローしたものの、その後に揺れやスターターロープを引っ張る振動等によって、フロートが動き出したがキャブレター内には規定量以上のガソリンが入ってしまっているため、エンジンが掛からないということが推測できます。

ですので、一旦キャブレター内のガソリンを抜くことを電話で伝えました。

とりあえずその場は復帰できたのでほんと良かったです!

 

1度でもオーバーフローしたら修理は必要か?

 

一時的にゴミ等の異物が挟まったりすることもありますので、とりあえず一旦自宅にてバケツテストをしてみましょう。

 

再度オーバーフローするようであれば当然修理が必要です。

 

トーハツ2馬力(B型)で、自分でキャブレター内パーツ交換ができるという方はコチラ

のパーツを購入すればOKです!

 

突然のオーバーフロー時に現場で行う対処法の要約

 

海上でもしオーバーフローしてしまった場合は下記の手順で試してみてください。

 

オーバーフロー時の対処法の要約

キャブレターに軽くショックを与える

燃料漏れが止まったかを確認する

燃料コックOFFでキャブレター内のガソリンを全て抜く

燃料コックONでエンジン始動

 

上記の対処法をすることで岸まで帰ってこれる場合があります。

 

では、安全なフィッシングライフを!

 

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