ゴムボくらぶです
千葉県袖ケ浦市のHさんからホンダ2馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
2021年に新品購入したというホンダ2馬力
今まで特に不調もなく使えているとのことですが、このあたりで一度点検をということで遠い千葉県から送っていただきました。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)
型式:BAAC(BF2DH)
製造年月:2021年 月
ホンダ2馬力・オイル漏れとギヤオイル白濁がありました【千葉県袖ケ浦市・Hさん】
さてさて、細かくチェックしていいきます。
M5という細いボルトを多用しているホンダ2馬力はボルトが固着してしまうと、いざメンテナンスや修理などで緩めようとした時にあっと言う間に折れてしまいます。
そうなる前にこのぐらいのまだ新しい時に、一旦バラシてグリスアップする効果は非常に高いです。
オーバーホールを行う際、ボルトのグリスアップは勿論のこと独自の塩害対策やその他のオリジナルの対策なども行っています。
機種それぞれの特性や傾向って相当数扱ったスキルがないとなかなか分からないもので、マニュアル通りの作業では不十分であることも少なくないです。
話が脱線しましたので戻しましょう。
ん?
こんなとこにあるべきでないオイルがあります。
エンジンオイル漏れてます。
通常以上にクラッチ回りが錆色になっているのが気になりますが。。。
上側のオイルシールです。
窪みに溜まっていたオイルがエンジンを立てたことによって流れ出てきました。
写真じゃ分かり難いかもしれませんが、結構漏れてます。
クランクシャフトに漏れる原因となるような傷が無いかを厳しくチェックします。
問題は無いようです。
今回は単純にオイルシール自体の問題で漏れていたようですが、ここで参考までに経年劣化以外でオイルシールがやられる原因を書いてみたいと思います。
●エンジンオイルが極端に多い
●ブローバイホースが折れ曲がっている
●流し釣りなどで長時間の半クラ状態で使っている
●アイドリング回転数が高過ぎてクラッチが繋がるか繋がらないかの微妙な半クラ状態の回転数になっている。
このようなことが原因になりますのでどうそご参考に。
クラッチケースにも少し油分が流入しています。
エンジンとクラッチケースの接続部分は1mmぐらいの段差がありますが、ジワジワと上って入るんですよね。
清掃して組付けます。
マフラーの状態
そこそこ塩が溜まってます。
ドライブシャフトも錆を落として綺麗にしてから組付けます。
あ~、ギヤオイル白濁しております。
オーバーホールしときましょう。
ペラ側のオイルシールの状態
外周には結構塩が入り込んでます。
こちらドライブシャフト側
綺麗にオイルシール入りました。
こちらもOK
その他も交換です。
綺麗になりました。
各部のパーツをチェック&清掃します。
燃料フィルターには結構汚れが溜まってました。
主にはフィルター自体に付着した汚れではなくホースの中です。
クラッチケースも綺麗になりました。
いい感じ~
最後にキャブ調整をします。
アイドリング回転数が2500回転もあります。
以前に出したお店で高めの方が良いと言われて調整されたそうなのですが、2500回転は高過ぎます。
高めにすると冷間始動時直後の不安定さが無くなり調子が良くなったと思うかもしれませんが、暖気が終われば更に回転数が上がります。
特にホンダ2馬力などはこの回転数だと遠心クラッチが繋がってしまい、回転数が上がっていく段階においてクラッチシューの固定ボルトに負荷が掛かると思います。
クラッチ周りが通常以上に錆色だったのはこういった影響があると考えます。
規定の回転数だと冷間始動直後は不安定ですがキャブエンジンは仕方なく、アクセル操作で暖気をし暖気後は良好な回転数になるといった状態が良いと思います。
個体差にもよりますが、2000~2200回転がベストかなと思います。
Hさんからご要望をいただき、ゴムボステッカーを貼らせていただきました。
ありがとうございます。
ご利用ありがとうございました。
ホンダ2馬力の定期メンテナンス・少し海水の流入がありました【山口県下関市・Sさん】