ゴムボくらぶです
福岡県北九州市のSさんからスズキ25馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
ありがとうございます。
DT-25は当店初入庫の機種となります。
最近入手され、これから使い始めるという状況ですがアクセルワイヤーが切れてしまったとのことでお持ちいただきました。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)
型式:02503(DT-25)
製造年月:平成15年02月
スズキ25馬力・塩浸け状態のDT-25をどうメンテナンスするか?【福岡県北九州市・Sさん】
塩害が酷く塗装も全体的に浮いております。
可動部はほぼほぼ固着。
ボルトの7~8割が固着しており簡単にはバラせないといった状況です。
全体的に状態が悪くエンジン内部の水路の状態も腐食や塩の蓄積があることが予測できる為、こういった状況ではメンテナンスをするより変え換えを推奨します。
ただこのクラスの船外機は新品で30~40万円しますから簡単に買い換えという訳にもいかないため、変え換えるまでの延命メンテナンスとして臨機応変にやっていきます。
まずはアクセルワイヤーの交換をします。
切れたのは2本中1本ですが2本とも交換します。
外に出ているボルトの大半は固着していますので作業は簡単にはいきません。
キャブの清掃もするためバラしてます。
いろいろ外さないとキャブが外れません。
アクセルワイヤー交換完了。
アクセルワイヤーと連動している各可動部が固着しているため、そういった部分の固着も解除していきます。
組み上げて一旦エンジンを掛けてみると2気筒中1気筒がミスをしており綺麗に吹け上がりません。
そして、サーモスタットのパイロットウォーターは始動直後から出ているが検水が出ていない。
合計で2箇所水が出ないといけないんです。
インペラは去年交換しているらしいので問題が無いかの確認だけしておきました。
問題ありませんでした。
サーモスタットがアウトなので交換します。
サーモスタットカバーは3本中2本が固着しておりました。
塩害が酷くボルトを外してもびくともせずで割れました。
カバーも交換です。
この年代のDT系はパーツがどんどん終売になっているので部品が出るだろうか?
と思いましたが幸いにもまだありました。
検水が出なかった原因は検水口の詰まりでしたが、清掃をするにも表からではどうにも改善出来ず、ホースを外して根本を露出する必要がありました。
プラのアンダーカバーを外さないといけませんがこれがまた6本中5本が固着状態。
しかし、外さないことには進まない。
これはネジ切ってビス止めするようにしました。
各可動部はグリスアップを行います。
ようやく検水が出るようになりました。
真下と斜め、このように2箇所水るが出るのが正常な状態です。
船外機は非グリスアップで使い続けるとメンテナンスが出来ない状態になります。
ボルトや可動部のグリスアップは大事なんです。
ようやく正常に使える状態になりました。
次壊れた時は買い換えかな。
ご利用ありがとうございました。