ゴムボくらぶです。
福岡県久留米市のWさんからトーハツ2馬力のメンテナンスのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

型式:3BV(MFS2B)
製造年月: 平成21年11月
トーハツ2馬力・シフトレバー固着にキャブもアウトでした【福岡県久留米市・Wさん】

シフトレバ―固着の修理です。
大半の個体は固着したシフトレバーを抜くことができますが50台に1台ぐらいかな?
固着が強烈で何をやっても抜けない個体もあります。
そういった場合はドライブシャフトハウジング交換となり高額修理になります。
もしそうなった場合は修理を中止するということで作業を始めています。
当店のシステムとしては分解してみて想定外に状態が悪くかなり高額修理になる場合はお客様に連絡してメンテナンスを続行するかどうかを確認します。
メンテナンスを継続することも中止することも可能です。

トーハツ2馬力で一番危惧することはドライブシャフトとクランクシャフト
が固着していないかどうか?ということ。
長年グリスアップしてないと固着している可能性があります。
ここがガッツリ固着していると高額修理になりますからね。
低年式で過去非分解だと起こり易い症状です。

ドライブシャフトとクランクシャフトの固着は無く大丈夫でした。
ホッ。。。

シフトレバーを抜く作業の前にスイベルのノブが固着していますので、これを先に解除しましょう。

シフトレバー、抜きます。

感触的にイケるかな?。

シフトレバー、抜けました。

B型の初期型なのでハウジングがA型と同じ形状になってます。
一部腐食しています。この形状は塩分が流れ込み易いんですよね。
これを対策された現行型と同様の形状に変更します。
今後は固着し難いようにいろいろと対策をします。

ちょっとだけお見せします。
形状変更完了♪

サーモスタットカバーのボルトがめちゃめちゃ塩噛みしてます。
若干、冷却水が漏れていた形跡がありました。

あ~、なんと片側折れました。
このボルトが塩噛みで折れたのは初めてですが、海水で使ってて長年非分解だとこうなるんです。
雌ねじを作らないといけません。

ねじ山再生完了。
サーモスタット動作OK。
サーモスタットケース内部も塩が凄かったです。
清掃完了。

エンジン側水路も綺麗になりました。

お次は燃料系の清掃です。
長期間ガソリンを入れっぱなしでガソリンが腐敗しています。
次の使用までに期間が2~3か月開く場合はキャブレターの中は勿論のこと、燃料タンクの中も全部抜きましょう。
船外機には常に新しいガソリンを!
燃料管理は一番大事です。

ジェット類もですがキャブレター本体のスロー系統が完全に詰まってます。
劣化したガソリンンが悪さしています。

フロートバルブが固着してますので交換です。
副数回洗浄してようやくスロー系統がまともになりました。

インペラ交換もしておきます。


インペラ、ヤバかったですね。

これで数年は安心デス。

ギヤオイルは白濁無しでしたョ。

この年製はグリスニップルが付いてないので取り付け加工しました。
いろいろ考えましたが少し前からこの位置に変更しました(この位置に変更するには複合的に他の作業も必要になります)

キャブセッティングをして完了♪
ご利用ありがとうございました。