ゴムボくらぶです
人気のシープロ系のエンジンは軽い・速いということでとても人気がある機種ですよね。
私も同機種の9.8馬力を愛用していますがとても気に入ってます。
海で使えば避けられないのが塩害。
シープロも例外ではなく使い込んだ個体は酷い状態になっているものが多いです。
今回は中古購入において失敗しないために注意喚起の意味も含め、先日あった事例を書いてみたいと思います。
シープロ9.8系の中古現状品はご注意あれ
平成13年製
先日、富山県からおまかせコースで送っていただいたシープロ9.8馬力です。
中古で入手されたようで前オーナーさんの話では2年前にオーバーホールを行っているとのことだそうです。
現状はエンジンは掛かるものの検水が出ないという状態。
一般的に思い浮かべる原因はインペラがダメなのかな?といったところだと思います。
オーナー様は年製が古い為、あまり費用が掛かるならば新品購入も考えているということです。
こういった場合は当然見てみないと分かりません。
送っていただいて各部を点検して費用が想定外に高額になりそうな場合にはお客様に状況をお伝えしメンテナンスを中止することも可能です。
メンテナンス中止の場合は分解点検費用をいただいて(分解状況によって料金は変わりますが〇千円程度です)船外機を送り返すか、こちらで引き取って良いならば分解費用は頂きません。
さてこのシープロですがヘッド周りの塗装がパリパリと剥がれています。
反対側も
エンジンを下ろして状態を確認します。
水路も含め塩が詰まりまくってます。
詰まった塩を取り除いていくと塩の下にあるアルミは腐食しており、砂のようにボロボロと崩れていきます。
赤丸の部分は崩れて隔壁が無くなった部分です。
水路完全に詰まってます。
検水が出なっかったのは塩が詰まっているためです。
シープロのもう一つ塩害を受ける箇所がドライブシャフトハウジングです。
かなり塩が蓄積しています。
塩を取り除いていくと穴は開かなかったもののアルミの厚みが薄くなっており表面は腐食しており強度は落ちています。
こうなるとシリンダーブロック交換は当然のことですが、ヘッドカバーは再利用可能かとか水路が詰まっているということはオーバーヒートでピストンも傷ついている可能性もあり費用は高額となります。
結論、修理は中止となり新品購入をされるとのことでした。
こちらは別個体ですが、19年製のシープロ8馬力
こちらもシリンダーブロック腐食でアウトです。
同機種であれば塩害を受けるのはほぼほぼ同じ部分です。
こういった状態は良くあることで使い込めば最終的にどれもこうなります。
こんな状態でもエンジンが掛かりますので中古の現状品購入の際には慎重に判断されてください。
オクやフリマでは現状品でも高額で取引きされてますが、中の状態が分からないというのはかなリスキーな買い物であり下手したら捨て金になることもあります。
新品を購入できる資金があるならば新品に越したことはないですが、初期グリスアップは必須です。
シープロ系は需要があるため当店ではこの機種には中古販売にわりと力を入れております。
当店で販売する中古機は現状販売ではなくきっちりオーバーホールを行って長く使っていける状態に仕上げています。
サーモスタット交換も当然行いますが、各部を耐久性の高いグリスでグリスアップ行い組んでいきます。
固着レスですのでポイント高いデス。
シリンダーブロックの状態によっては新品交換して仕上げることもあり、どれも上質に仕上げてます。
販売機の殆どは直接の問い合わせで売約になっているので、オクやフリマに出すことはほぼほぼありません。
きっちり仕上げている分、価格は現状販売品の相場とは違いますが購入者様にとってコスパの良い価格設定にしております。
中古現状品にはお気をつけあれという記事でした。
では!
シープロ9.8馬力・S足からL足に変更します【新潟県新潟市・Mさん】