こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
福岡県直方市・Tさんより トーハツ2馬力の修理依頼を頂きました。
以前に私がメンテナンスをさせて頂いたマーキュリー2馬力のHさんからのご紹介です。
ありがとうございます。
製造年月:27年7月
型式:3BV(MFS2B)
では、見ていきましょう
キャブレターの清掃
まずは不調修理からやっていきます。
暫く掛けていなかったら不調になっていた。。。
こういった状況の場合、原因として最も疑わしいのはキャブレターです。
中を開けてみるとチャンバー内部に汚れが溜まっており、ガソリンの腐敗臭がしています。
腐敗臭がしたらアウト。
キャブレターをはじめ燃料系を清掃します。
キャブレタ内の細かい経路をキャブクリーナー・パーツクリーナー・エアーガンなどを使って徹底的に清掃します。
汚れが頑固そうな場合は暫く浸けおきします。
メインジェット掃除前
穴が小さくなっています。
メインジェット掃除後
穴が大きくなりこれが正規のサイズとなります。
燃料フィルターを外してみると大変なことになっていました。
接続される燃料ホースの内部なども一緒に清掃します。
燃料タンク内部は影響が無く綺麗でした。
ちなみにここまでなるとパーツクリーナーでは綺麗にできませんので、キャブクリーナーを使います。
不調の原因
今回の不調はキャブレター内部に残ったガソリンが腐敗したことによるものです。
エンストまでエンジンを掛けていてもキャブレター内部のガソリンは綺麗になくなりません。
暫く乗らない時はキャブのチャンバードレンからガソリンをすべて抜くことでこういったトラブルを回避できます。
では、その他の箇所も点検していきましょう。
インペラの点検
では、インペラを点検していきましょう。
分解するにあたり、まず気になったのがロアケースを固定している2本のボルトが正規のものではなくエンジンを固定しているボルトで止まってました。
エンジンに目をやるとロアケースの固定ボルトがそこについています。
そしてエンジンは通常7本のボルトで固定されているのですが、1本ついていなく6本で止まっています。
ロアケース固定に使われていた2本のエンジンボルトを正規に位置に戻しました。
シフトレバーの修理時にエンジンを下ろしロアケースも抜いているはずなので、その時にボルト間違えにくわえ、1本欠で組んでいるようです。
ロアケースの固定ボルトは普通のボルトと違い根元が一回り太くなっており、そのボルトで固定することで遊びがなくなりしっかりとセンターが出るようになっています。
なので他のボルトに変わってしまうと組付け精度が落ちてしまいますのでご注意を。
あと、ドライブシャフトスプラインが固着気味のようでなかなか抜けません。
分解時に再グリスアップしていないんでしょうね。
さて、何とかロアケースを抜いてインペラを確認してみるとまだ新しく交換しています。
全く問題ないのでインペラはこのまま使うとし、ボルトなどを綺麗にして組みなおします。
インペラケースの固定ボルト
何故か3本だけグリスアップされており、1本はワッシャー欠状態。
仕事が残念過ぎる。。。
タップを使ってネジ穴の塩を掃除しておきます
無くなっていたワッシャーを入れて、極圧有機モリブデングリース ウレアベースで再グリスアップしました。
もちろんスプラインもグリスアップして
*ロアケースのボルトは中古ですが正規のものを使用して組みました。
その他の点検作業
●サーモスタット動作OK
●プラグOK
●シャーピンOK
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2~3回で始動
【温間始動】RESTART位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
シフトレバーの修理を行ったショップさんの仕上げの雑さが非常に残念でした。どんな仕上げをされているかというのはお客様はなかなか把握し辛く、お店選びは信頼が全てですね。
交換した部品
今回、交換した部品はありません。
ご利用ありがとうございました。
シフトレバー固着!インペラボルト折れました!【静岡県静岡市・Oさん】