ゴムボくらぶです。
秋田県由利本荘市のSさんからトーハツ9.8馬力のメンテナンスのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)
型式:3K9
製造年月:平成22年11月
トーハツ9.8馬力・これは酷い、シリンダーブロックOUTでした!【秋田県由利本荘市・Sさん】
1年ほど前に中古購入したというトーハツ9.8馬力。
ギヤオイルが白濁していたらしく、その他もおまかせコースで送っていただきました。
以前にヘッドボルトは運良く緩めることが出来たらしく11本全部グリスアップしているとのこと。ヘッドボルトの固着が無いと思うとちょっと気が楽です。
では、エンジンを下ろしましょう。
あ~!!
塩がてんこ盛りになっています!
この型で一番塩害を危惧する部分ってココなんです。
鍾乳洞みたいになってます。
この状態だと下のアルミは腐食でアウトですね。
シリンダーブロック側も塩てんこ盛りでした。
重度な腐食状態です。
画像はある程度塩を除去した後です。
塩を除去していくと、このようにアルミがボロボロに腐食しています。
ドライブシャフトハウジング上部。
このレベルの塩害になると表面の塩を除去しても、アルミの中まで塩が入り込んでおりますので強度が無くボロボロ状態なんです。
シリンダーブロックとドライブシャフトハウジングは交換確定。
この2点でパーツ代は約6万円です。
当然購入してからの1年間でこのような状態になった訳ではありません。
オクやフリマなどの現状購入は動いていても、検水が出ていても、ヘッドボルトが緩んでも、中の状態が分からないとリスクが高いということを伝えたいです。
ここまでのレベルになるとこのようにアンダーケースも腐食します。
上下にガスケットが乗る部分で約5mm程度しか幅が無いところ。
アンダーケースは何とか修正して使いたいところです。
歯医者さんの虫歯治療のように患部を埋めて形成しましょう。
末期症状だとシリンダーブロック・アンダーケース・ドライブシャフトハウジングと高額パーツ3点セットの交換コースとなりますことをお見知りおきを。
こちらエキゾースト部分。
これもアウト、塩を除去していくと穴開くだろうなと思いましたがやはり穴が開きました。
交換です。
エンジンの心臓部まわりのチェック&メンテナンス。
ベアリングアウトですね。
新品のシリンダーブロック。
ピストンリングの合口摩耗チェック。
合口の隙間、0.35mm。
既定の範囲を超えてますので交換です。
ピストン、気になる傷無く問題無く良好な状態です。
ローラーベアリングもOK。
ヘッドカバー上部のウェルチプラグ。
噴き出していた塩を除去するとやはり穴が開きました。
ウェルチプラグはパーツが出るので交換完了。
エンジンが生まれ変わります。
お持ちになっていたキャブレターリペアキッドを一緒に送って下さっていますので、全部交換します。
各部、固着の解除作業。
お次は足廻りいきましょう。
ロアケースのオーバーホールです。
ポンプベースが穴開いてボロボロ状態。
ペラ側のオイルシール交換。
消耗品はフル交換です。
シフトのオーリングは現行のダブルタイプに変更しました。
いい感じに仕上がってますョ。
アンダーケケースの腐食修正完了。
綺麗になったでしょ。
ボロボロでしたがバッチリ復活しました。
これから10年は使えるでしょう。
慣らし運転からお願いします!
ご利用ありがとうございました。

