こんにちは、D2(@gomubo_club)です
水冷式の船外機を使っていれば、いずれやってくるインペラ交換。
インペラはオーバーヒートを防ぐための重要なパーツですので検水口からの水量に違和感を感じたら早めに交換しましょう。
この記事ではトーハツ2馬力4ストのインペラ交換をする手順と、気をつけるべきことを記載しますので是非参考にしてみてください。
トーハツ2馬力/インペラ交換・ギヤケース分解
作業はシフトレバーがニュートラルの位置ではじめてください。
水色丸の中にあるシフトロッドを連結しているボルトを緩めて、2箇所の黄色丸にあるボルトを外すという作業になるわけですが、こでの注意点を説明します。
ちょっと画像が暗くて見辛いですが、シフトロッド連結部分のアップです。
ボルトを緩める前に、この画像のように連結部分のアップ写真を撮っておいたら組み付け時の連結調整がスムーズに進みます。
これは、連結部からどれだけロッド(矢印の部分)が上に突き出ていたかを把握するためです。
このボルトは緩めるだけでOKですので、外してしまわないようにしましょう。
連結部分の写真を撮りボルトを緩めて、黄色丸の2本を外してギヤケースを分離します。
ドライブシャフトハウジング内にはウォーターパイプとドライブシャフトが刺さっていますので、前後にガタガタとしゃくりながら引き抜きます。
ギヤケースが分離できたらチルトアップしないと抜けないのですが、この時船外機が後ろに倒れやすいですので十分に気をつけてください。
トーハツ2馬力/インペラ交換・インペラケースを固定している4本のボルトを外す
インペラケースを固定している画像の4本のボルトを外します。
トーハツ2馬力のインペラ交換では、この4本のボルトが最大の鬼門と言え高確率で塩噛みしており、ボルトが折れてしまう可能性があります。
折れてしまうと摘出するのに困難を極めるケースもあり、最悪ギヤケースアッシ交換という高額修理にもなり得ます。
ですので、この4本のボルトを外す作業は極力ボルトが折れないように最大限の手間暇を掛けてやる必要があります。
トーハツ2馬力/インペラ交換・塩噛みボルトの緩め方
硬く締まっているボルトの緩め方の基本として最初の1発目が重要で、
一気に大きな力を一瞬入力します。
まだ何もしていない時が最もボルトの強度がある状態なので最初の1発目が重要なのです。
塩噛みしている場合は、ラチェットでギュ~って緩めようとするのが最も折れやすいやり方なので注意しましょう。
このボルトを緩める時は力をダイレクトに伝えるためにメガネを使います。
塩噛みの程度が分からないため、1回チャレンジしてみます。
自分が叩き易いようにメガネの角度を合わせて、手のひら側を使って緩める方向に一気にショックを与えます。
ここで「パキン!」と音がしたら勝算アリです。
ヌメっとした感触だったらボルトが捻じれています。
いずれの場合であっても、ここでネジ山に潤滑油が入って行くように噴射します。
潤滑油はワコーズのラスペネがおすすめです。
ヌメっとした感触だった場合は、ラスペネを噴射し1日放置してください。
ボルトが長くネジ山が効いているところまで距離があり塩を噛んでますので、時間をおいて何回も噴射してください。
一日放置したあとは、以下に書く方法と同じです。
パキンと音がした場合
潤滑油を噴射したら、今度は締める方にボルトを回します。
ここでも、適度な力でショックを与えて回します。
1mm程度でも回ればOK。
そして、また動く範囲で緩めます。
そしてまた締めます。
潤滑油を噴射しながら、緩めて締めてを繰り返し徐々に可動域を増やしていきます。
これはボルトが捻じれる事なく緩んでいっている状態なのです。
少し緩んだからといって無理に緩め続けると折れますので必ず緩めて締めてを繰り返して下さい。
ワッシャーに隙間が開くぐらい緩んだらワッシャーを持ち上げてダイレクトに潤滑油を噴射します。
このようなやり方で塩噛みボルト4本を摘出しました。
勿論、このやり方をすれば全ての塩噛みボルトが無事外れるわけではなく、
無事摘出できるボルトも多いということです。
重度の塩噛みボルトの場合は、ダメージを考えて交換しておいたほうが良いです。
トーハツ2馬力/インペラを交換する
インペラケースを持ち上げるとインペラピンがありますので落とさないように注意します。
古いインペラを取りだしてみると羽根の向きが不揃いですね。
水の吸い揚げ量は減っていましたからね。
トーハツ/2馬力インペラ交換・タップの立て直し
塩噛みボルトを外したらタップの立て直しをしましょう。
タップ立て専用のオイルを使うことで綺麗なネジ山が再生されます。
タップ立てが終わったらエアーガンで中を吹かしましょう。
トーハツ2馬力/インペラ交換・組み付け
インペラピンにグリスを塗って落ちにくくします。
溝をインペラピンに合わせてインペラを入れます。
水色丸同士を合わせてライナーをはめます。
そして、ライナーの内側にグリスを塗り、インペラとの初期馴染みを良くします。
インペラケースを乗せたら、ギアを入れてペラとドライブシャフトが連動するようにします。
そして、ギヤを入れてペラを右周りで回しながら
インペラの羽根に角度をつけつつケース内に収めていきます。
きっちり入りました。
無事入ったらギヤはニュートラルの位置に戻しておいてください。
トーハツ2馬力/インペラ交換・ボルトをグリスアップする
塩噛みが酷かったボルトは新品に交換しておいた方が無難です。
組み付けの際には必ずボルトをグリスアップしておきましょう。
でないと、次回分解する時にまた苦労しますから。。。
液体ガスケットではなくグリスを推奨しているのは、ナット側内部は潤滑油やタップの立て直し時に使ったオイルの油分がある為、液体ガスケットでは密着度が悪いからなのです。
2年に一度ペースでインペラ交換をするようにすればグリスアップで、事足ります。
上記画像はインペラケース固定ボルトではないですが、参考画像です。
画像記載の通りグリスの塗り過ぎに注意しましょう。
グリスを過度に塗り過ぎると締め込んでいく段階でグリスが行き場を失いナット側にクラックが入ってしま恐れがあるからなのです。
インペラケース固定ボルトは対角線に均等に締めつけてください。
ただしケースはプラスチックなので締め過ぎには注意しください。
トーハツ2馬力/インペラ交換・ギヤケース組み付け作業
ドライブシャフト先端のスプラインとウォーターパイプが刺さるゴム部分に薄くグリスを塗りスムーズに入り易くしておきます。
シフトロッドの連結部分は後からでも入るので、ドライブシャフトとウォーターパイプのみ入れる事を優先してください。
ドライブシャフトを刺す部分は筒のようになっているため、ドライブシャフトをハウジング内にある程度入れたら真ん中を目指しその筒の中に乗せておかないといけません。
ラジオペンチやマイナスドライバーを使ってウォーターパイプを上手に誘導します。
ウォーターパイプがちゃんと刺さっているか確認します。
ウォーターパイプも刺さり、ドライブシャフトも入ったら、ギヤボックス固定ボルトを完全に締めます。
丸穴からマイナスドライバ等を使って、シフトロッド連結部パーツを誘導して連結させます。
ここで、最初に撮った写真を見ながらロッド先端の出具合を合わせて締めます。
組み付ける順番
1:ドライブシャフトを真ん中の筒の中に乗せておく
2:ウォーターパイプを刺す
3:ドライブシャフトを完全に入れる
4:ギヤボックス固定ボルトを締める
5:シフトロッドを連結させる
トーハツ2馬力/インペラ交換・シフトレバーの確認をする
無事組み上げたらギヤをニュートラルとドライブにしてみて、ペラを手で回し動きに問題が無いかを確認します。
問題無いようであれば、バケツに入れてエンジンを掛けてみて検水が出るかを確認して終了です。
Amazonで注文できるトーハツ2馬力/3.5馬力消耗パーツ一覧表
トーハツ2馬力/インペラ交換・まとめ
インペラ交換の最大の鬼門はボルトの塩噛みですのでここさえクリアすれば、機械いじりが得意な人なら出来ると思います。
インペラは2年に一度ペースで交換すれば、まずインペラでのトラブルは無く快適に乗れるでしょう。
トーハツ2馬力のインペラ交換手順動画を作ってみましたので是非参考にしてみてください。