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トーハツ/マーキュリー2馬力/3.5馬力(4st)

トーハツ2馬力が海上で突然不動に・・・まさかの原因だった!【福岡県宗像市・Tさん】

こんにちは、D2です

 

福岡県宗像市Tさんよりトーハツ2馬力の修理依頼を頂きました。

修理依頼内容

 

●エンジン不動修理

 

船外機の状況

海上で突然エンジンが停止して、以降全くエンジンが掛からないとのこと。

Tさん自身で出来る限りのことはやってみたものの、復帰には至らずで今回お持込み頂きました。

 

型式:3BV(MFS2B)

製造年月:27年4月

 

トーハツ2馬力・症状確認してみます

 

故障の原因を探るヒントを得るためにエンジン始動を試みてみます。

スターターロープを引っ張ると当然エンジンは掛かりませんでしたが、圧縮にどこか違和感を感じました。

圧縮はあるのはあるのですが、何か感触がおかしい。

原因を探っていってみることにします。

 

キャブレターの清掃

まずは、キャブを清掃しておきます。

基本的な部分はクリアにしておかないと思わぬところで引っ掛かったりします。

燃料フィルターも清掃します。

一旦キャブを組んでスターターロープを引っ張ってみるも状況変わらずで掛かりません。

 

プラグまでガソリンが来ているかをチェックする

 

プラグまでガソリンが来ているかを見てみます。

チョークを引いた状態で複数回ロープを引っ張りましたから、当然プラグはカブり電極部分がガソリンで濡れているはずなのですが、見てみると全く濡れていなく、ガソリンの臭いもしません。

これはおかしい。

プラグまでガソリンが来ていません。

どこまでガソリンが来ているか調べるために、キャブのドレンを開けてみると、ここまではガソリンきています。

エンジンの金属部分にプラグをアースさせロープを引っ張ると火は飛んでましたので、電気系はOK。

 

トーハツ2馬力・エンジンが掛からない原因を絞る

 

ここまでのエンジンの状況を整理します。

●キャブにはガソリンが来ているが、プラグまでは来ていない。

●圧縮に違和感がある。

この条件に合致する原因は?

プラグ(燃焼室)にガソリンを取り込むのは吸気バルブが開いたタイミングです。

吸気バルブに異常があれば、ロープを引っ張った時に違和感も出ますし、ガソリンが供給されないということも考えられます。

 

ヘッドカバーを開けて内部を確認する。

ヘッドカバーを開けると目の前に原因がありました。

なんと、吸気のロッカーアームが割れてます。

これではプラグにガソリンが供給されませんし、ロープを引っ張って圧縮に違和感を感じるのも納得。

ロッカーアームは簡単に言えばシーソーのような動きをする物です。

右側にあるバルブを適切なタイミングで押し下げて、プラグまでガソリンが届くという仕組み。

最も負荷が掛かる真ん中の軸となる部分から割れていました。

見事にパックリと割れています。

 

吸気のロッカーアームを外したところ。

右側の丸いところが吸気バルブで、奥側は排気のロッカーアームになります。

取り付けの軸となる部分、バルブ、プッシュロッド等、他の部分は大丈夫かを確認してみまますと、他の部分は大丈夫でした。

割れたロッカーアームを固定していたナット。

 

念のために、排気のロッカーアームも一緒に交換しておきます。

吸気・排気のロッカーアーム

ロッカーアームを固定しているナット。

を交換。

新品のロッカーアームと固定ナット

シックネスゲージを使い、クリアランスを調整して組み付けます。

0.01mm単位での調整が必要です。

 

吸気・排気ともに調整をして、組みあがりました。

馴染みが良いようにエンジンオイルを散布してからヘッドカバーを取り付けます。

 

ロッカーアームが割れた原因とは?

 

通常、ロッカーアームが割れることなど稀で、理由が無く割れることは、そうそうありません。

ではなぜ、割れてしまったのか?

ということを考えてみます。

こういった故障の時は、破損箇所を直して終わりではなく、破損の原因を究明することが重要です。

この写真は、入庫時のエンジンオイルの状態です。

Lowerのラインは切ってないものの量が少ないです。

このトーハツ2馬力には、というか2馬力船外機は全部そうだと思いますがオイルポンプというものがついていません。

通常、車のエンジンとかだとオイルポンプがついていて、エンジン始動と共にオイルポンプが動きオイルを吸い上げて、エンジン内部の各所にオイルを強制的に運びます。

 

トーハツ2馬力のオイル循環方式はどんなものなかと言うと、スリンガーという水車のような役目をする部品を回転させてオイルを飛び散らせています。

なので、オイルの量が少ないと飛散する量も減りますので、ダイレクトに潤滑性が悪化してしまいます。

更には、ロッカーアームの位置にはオイルが届きにくい作り。

オイルの量が少なかったことが原因だった可能性が高いと思います。

オイルの量はわりとギリな設定なので、常に上限レベルをキープするようシビアに管理する必要があります。

船外機は少し傾ければ、窓から見えるオイルの量がコロコロ変わりますので、船外機が垂直に立てて、量の確認をしましょう。

あまりにも上限を超えたオイルの入れすぎは良くないですが、上限レベルを1mm程度超えるぐらいならば問題ありませんのでご参考までに。

 

試運転

【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSATRT位置で2回で始動

【温間始動】アクセルはRESTART位置で1回で始動

【吹け上がり】良好

*1時間程エンジンを始動して良好な状態を確認しました。

 

交換した部品

ご利用ありがとうございました。

 

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