こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
福岡県北九州市・Kさんよりホンダ2馬力の修理&メンテナンス依頼を頂きました。
製造年月:2014年1月
型式:BZBF(BF2DK2)
では、見ていきましょう。
かなり錆がでてますね。
リコイルのリングやスターターロープも交換しておきましょう。
ホンダアルアルなのですが、ここまで錆が酷いとスターターロープの固定ナットを外しても、その下にある鉄のカラーと固着しており外れないということが起こりがちです。
こういった場合は無理に外そうとするとリコイル側が割れますので、
6-66を掛けて。。。
時間も掛けて。。。
外します。
黒いカバーの中はこんな感じで交換部品が多くなりそうですが、この機会にきっちりやっときましょう。
錆びたネジ類は交換しなくとも、取り急ぎ直接の安全性には関わってきませんが、外せるうちに交換しておかないと今後修理などでその部分を分解する必要がある時に分解できなくなってしまったり、それに伴い多大な修理費用が必要になってきたりもします。
イグナイター、重度の錆です
ホンダ2馬力はイグナイターが要といっても過言ではありません。
安全を考え交換します。
こんなボルトでも交換できるうちに交換しておかないとナット側はシリンダーなので、折れてしまったらかなりやっかいなことになります。
最大限の注意を払って緩めます。
オイルの点検窓が見えない。
これは辛い。。。
交換します。
さて、エンジンを下ろさなければいけませんがこの通り一筋縄ではいきません。
ボルト4本ともアウトです。
10mmの頭が12mmぐらいになってますw
頭を削って外します。
この作業慣れましたがアンダーカウルを傷付けないようにとコントロールが重要。
神経使いますね。
ヘッドカバーはこんな感じでオイル漏れ間近か。。。
遮熱版のネジを外すのが手強そうです。
遮熱版のネジ、全く山が噛まないのでヤスリでシャコシャコ削って平行に2面を作ります。
そしてバイスプライヤーガチ締めで回す!!
無事外れました。
こちらクラッチシュー
表面がボロボロと崩れそうな感じになっていますので交換します。
タペット調整をしてからヘッドカバーを交換します。
INもEXもだいぶ広くなっていました。
ステンレスヘッドカバーに交換して、こんな感じで仕上がってきてます。
ヘッドカバーに塗る液体ガスケットはこれがおすすめ↓
クラッチシューも交換しました。
プレートは結構錆びていたので交換しようと思っていましたが、ネジが錆びついてて緩まない。
プラスドライバーしか使えないというのが何ともやり難い作りです。
ショックドライバーを使うというやり方もありますが、ナット側のシリンダーはアルミなので割れでもしたら大変。
幸いにもほとんど綺麗に錆は落とせましたので今回は錆びを落としで対応しました。
防錆処理をして組付け。
リコイルのお椀を交換して、イグナイターや錆びたパーツ類を交換して見違えるようになりました。
見え辛かったオイル窓も交換してリフレッシュ
お次はキャブレターの清掃です。
各ポートの通り具合を確認しつつ清掃します。
ガスケット類は全て交換
ドレンがダメでしたのでチャンバー交換しました。
ドレンはステンレスへ変更
燃料フィルターは鉄錆のようなものが付着していました。
燃料タンク内のガソリンを抜き内部を確認してみると汚れが溜まっており、水分も溜まっています。
燃料タンク内部から出てきた汚れ。
これも鉄錆のようです。
もし、スチール製の携行缶を使っているのならば、トラブル防止にポリ製の携行缶かステンレス製を使うことをおすすめします。
【参考記事】↓
エアーベントののパッキンが劣化していましたので交換しておきます。
スターターロープとリコイルのリングを交換しておきます。
周辺の錆も綺麗に落としてから交換します。
錆が錆を呼びますからね。
シャーピンが凄いことになっています。
ここまで曲がるとつっぱってペラも簡単には外れません。
割りピンを外してもペラが外れない!という方はシャーピンがこのようになっています。
マイナスドライバーで左右左右に少しづつ外していきます。
極端に言えばZのような形に曲がっていました。
このぐらい曲がったシャーピンは片側を叩いて真っ直ぐ伸ばさないと抜けません。
ここまで曲がって良く折れないですよね。
シャーピンとワリピンはKさんがお持ち頂いていましたのでそれを使って交換します。
その他の作業
このプラスチックのカバーがなかったので一緒に注文して取付けました。
あと左上のプラネジが完全固着してエクステンションケースを押しており、舵切りが非常に重くなっていました。
いろいろと手をつくしてみるもプラネジは復帰不可でした。
これを修理するとなるとブラケット側まで交換しなくてはならなくなり部品代も高いです。
取り敢えず舵が軽くなれば、この部分が固着していてもそんなに不便でもないかなと思い、中を少々いじって舵切りを軽くしました。
ネジが動かないと不便だぁ~!
という場合は言ってください。
修理はできます。
エンジンオイル交換
ギヤオイル交換
プラグ交換
アノード交換
ブローバイホース交換
各部グリスアップ
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2回始動
【温間始動】アクセルはアイドリング位置にて1回始動
【吹け上がり】良好
スロー調整・アイドリング調整
始動不良の原因は燃料タンク内の汚れや水分だと思います。
ガソリン漏れに関しては入庫後は症状は確認できていないのですが、予測ではエンジンが掛からないので何度もスターターロープを引きガソリンが多くキャブから噴射する。
そして、トリム調整をかなり上げておられたのでエアーダクト側に流れて下にポタポタと落ちる。
こういった状況だったんではないかなと思います。
現状、ガソリンがポタポタと落ちることもなく良好です。
ちなみにトリム調整を上げ過ぎるとガソリンの残量が少ない場合、構造上キャブへガソリンが行き辛くなりますので海上トラブル防止のためにも上げ過ぎない方が良いです。
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
AFTER
ホンダ2馬力が突然始動不良に!原因は?【福岡県行橋市・Cさん】