ゴムボくらぶです。
福岡県古賀市のIさんからホンダ2馬力のメンテナンスのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。
*当ゴムボくらぶでは依頼者様との信頼関係を第一に考えており、業務の透明性や入庫時の状態・作業内容の報告を目的として一部を一般公開しております(技術の漏洩防止として公開していない内容も多数ございます)

型式:BZBF(BF2D6)
製造年月: 平成18年3月
ホンダ2馬力・上も下も漏れてましたよ~【福岡県古賀市・Iさん】

3年ほど前にメンテナンスさせていただいたIさんのホンダ2馬力。
今まで非常に調子良く使えていたらしいのですが、最近になってエンジンオイル漏れでクラッチが滑り出したとのこと。
たまたま中古のエンジン単体を購入する機会があったらしく現在はその中古購入したエンジンを載せている状態。しかしこのエンジンを載せて海で走らせてみたところ高回転が吹け上がらない不具合があったという。
本来載っていたオイル漏れのエンジン単体もお持ち頂いており、こちらのエンジンを修理して載せることになりました。

ロアケースを抜いてみると何やら油分で湿っています。
これはギヤオイルではありません。

ドライブシャフトを抜くとドロドロとエンジンオイルがドロドロと流れ出てきました。
クラッチケースに溜まっていたオイルです。

載っていた不調の中古エンジン。
これは使いませんので本来載っていた方のエンジンを仕上げます。

こちはら仕上げる方のオイル漏れしているエンジン。

オイルシールから漏れてます。
これ3年前にも交換してるんですよね。
現在は純正のオイルシールを使わずに耐久性の高いオイルシールを使ってます。

上側のオイルシールからも漏れてます。
こちらもオイルシール交換します。

上も下も開けるのでついでにピストンも抜いてチェックしときましょう。
ピストンに縦傷が入ってます。
気温が高い時期の連続走行によって起こる熱ダレでこうなります。
熱ダレと言えば緩い印象ですがオーバーヒートなので時に致命的なダメージを与えることもあります。
エンジンがいつもより熱いな、パワーが無いな、と感じたらエンジンを休ませましょう。
表面的な薄傷で支障が出るほどではなくシリンダーも大丈夫でしたので、ペーパーで慣らしときましょう。

クランクシャフトOK。

リングの溝も綺麗に綺麗に。
いい感じになりました。

クラッチケースの中が大変なことになってます。
載ってた中古エンジンの方もオイル漏れてますね。
ベアリング交換します。


マフラー、塩の付着はほぼありませんでしたが錆を落として綺麗になりました。

エンジン組み上がりました。

クラッチまわりも完了。

ハウジングの中ですがこういった部分の塩の蓄積はアルミを腐食させますのでしっかり清掃しておきます。

ギヤオイル白濁無しでOKです。

キャブレターは上蓋のネジが固着してました。
これわりと多いんですよね。
固着解除完了。

ロープ交換。

そうそう、シャーピンが折れて片側の突起のみでペラが回ってました。
危ない危ない。

めちゃくちゃ安定してます。
絶好調になりましたよ~
【おまけ】

調子が悪いという中古購入のエンジンをバラしてみました(入庫時に載ってた方のエンジン)
やはりこちらもオイルシールからオイルが漏れてます。
過去にオイルパンを開けた形跡があります。

あ~、クランクシャフト腐食でアウトです。
こういった場合はオイルシールだけ交換してもダメです。
こうなる原因はだいたい水没で、キッチリ修理しておかないと後々こうなるんです。

驚きだったのがエンジン内部のあるべきはずのパーツが無く、しかもタイミングが2コマズレてました。
本来、画像中央にあるピンの部分に押さえのカラーがありますが入ってない。
恐らく水没して見よう見まねでオイルパンを開けてカムまわりがバラバラになってしまい、適当に組んだのでしょう。
これでは調子が悪いのは当然で、エンジン内部がバラバラになる可能性がありました。
怖い怖い!
これでまた安心して使って下さいませ^^
ご利用ありがとうございました。