ゴムボくらぶです
福岡県直方市のTさんからスズキDT9.9馬力のメンテナンス依頼を頂きました。
ありがとうございます。
型式:00993(DT9.9)
製造年月:14年06月
スズキDT9.9馬力・ギ、ギヤオイルが大変なことになってます!【福岡県直方市・Tさん】
DT9.9馬力、始めて触る機種なので楽しみなところです!
ほうほう、キャブはこんなんなのね。
アクセル開度に伴い進角テーブルに取り付けれているプレートがスロットルを押して開閉する仕組みとなってます。
平成14年製、細かなところまでチェックしていきます。
まずスロットルを回してみて違和感を感じました。
スロットルが重く回すとブチブチブチという感触。。。
これアクセルワイヤーが切れ掛かっています。
アクセルワイヤー交換します。
ハンドル軸に付いていたスペーサーが割れ落ちたらしく、ハンドルを立てた状態で固定することができません。
組付け時にはスペーサーを入れます。
アクセルワイヤー単体での検査
アクセルワイヤーを円形にして抵抗を掛けつつスロットルを回してみたら、やはりブチブチという感触が伝わってきます。
やはり切れ掛かっています。
沖でワイヤーが切れたらと思うと恐ろしいですね。
塩で固着しており、なかなか抜けませんでしたがようやく抜けました。
アクセル周りのこのパーツもガタが多いので交換します。
左側、付いていた物
右側、新品
【悲報】ギヤオイルが重度の白濁してる!!
ギヤオイルを抜いてみると、ナンジャコリャー!状態です。
ペースト状の白濁したギヤオイルが出てきました。
こんなドロドロになったギヤオイルは初めて見ました。
去年の8月に他所でインペラ交換をしたそうなのです。
その時にインペラボルトが1本折れてしまったらしく、その部分は貫通ボルトで取り付けしているとのことです。
原因はそこなのか!?
これですね。
下からボルトを入れてダブルナットで固定しています。
こういうことですね。
しかし、これってネジ山がケースの外に出ているので構造上、白濁とは関係ありません。
白濁の原因は別の部分にあるようです。
ちなみにTさんはロアケースの交換も視野に入れておりましたので、価格を調べてみるとなんと5万円オーバー!
白濁の原因はボルト貫通とは関係ないことを伝えると、現物メンテでお願いしますとのことでした。
流石に5万円オーバーだと私もそうします。。。
ということで交換した方が良い部品や消耗品は全て交換していきます。
ポンプベースを抜きます。
ポンプベースは穴が拡大しており状態が良くないので交換することにします。
ペラ側、オイルシール
当たりが緩くて白濁したギヤオイルが滲み出てきてます。
ペラ側オイルシールを外したところ。
海中に浸かる部分のオイルシールは外周に塩が入り込みます。
なので、密着性の高い1215液体ガスケットを外周に塗ってから取り付けます。
オイル流通の穴を塞いでしまわないように薄く塗ります。
内側にはシリコングリスを。
内部はドロドロ状態。
全てパーツクリーナーで綺麗に清掃します。
冷却水吸い上げ部分のグロメット
こういった部分も硬化しているので交換します。
シフトロッド周りのOリングなども全て交換。
ボルトはしっかりと固定はしているもの、見た感じちょっと心もとないのでもう少し強化することにします。
これでヨカでしょう。
ポンプベース下はキッチリと平面になりました。
これでOK!
ボルトの頭は完全に埋めました。
お次は燃料系のメンテナンスです。
キャブレターを清掃
パイロットジェットもだいぶ汚れてます。
燃料フィルターの清掃
リードバルブ
その他の主な作業
●サーモスタットの点検
動作OK!
●スターターロープの交換
アノードが3箇所あるのですが、全部このような状態でしたので全て交換しました。
アノードの状態がよろしくなかった影響で塗装が浮いてしまっています。
●エアーで吹いたらこれだけ剥がれました。
ざっと塗装しておきました。
●燃料ホースコネクターからのガソリン漏れがありました。
スズキのコネクターは種類があって適合が分かり辛いので、トーハツ用のコネクターに変更しました。
●ギヤイル交換
試運転
【冷間始動】チョークを引いてSTART位置にて2~3回で始動
【温間始動】1回で始動
【吹け上がり】良好
【検水】良好
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
スズキDT9.9馬力のメンテナンス・燃料が漏れている??【福岡県直方市・Tさん】