ゴムボくらぶです!
山口県宇部市のAさんからトーハツ2馬力のメンテナンス依頼をいただきました。
製造年月:25年10月
型式:3BV(MFS2B)
では、見ていきましょう!
トーハツ2馬力のメンテナンス
シフトレバーの動きが固くなり始めているので今のうちに分解整備をしておきます。
シフトレバーは固くなり始めたら悪化の一途を辿りますので早めの修理が得策となります。
ギヤオイルが白濁してる
全体の状況を把握するためにギヤオイルは早い段階で抜いて白濁がないかを確認しております。
そして、今回白濁がありました。
完全に白濁状態です。
ロアケースを抜いてみるとポンプベース下に違和感を感じます。
ウォーターパイプが入る部分に付くはずべきのゴムパーツが無い。
ポンプベース下に液体ガスケットを塗っているようですね。
インペラボルトは正規ではないものが付いていました。
ポンプベースを外してみました。
正規ではないガスケットがついています。
ちょっと分かり辛いですが赤丸の所と黄色丸の所に深い傷が入ってしまっています。
この状況を推察すると自身でインペラ交換をしてみたところインペラボルトが折れてしまった。
そして折れボルトを取り外すためにポンプベースを外そうとするも簡単には外れなかった為にポンプベース下にマイナスドライバー等を差し込んでガチャガチャとやって深い傷が入ってしまったといったところか。。。
黄色丸の部分は右側も左側も水が通る部分なのでこの部分は多少流通があってもそこまで問題にはなりませんが、赤丸の部分は右側が水で左側はギヤオイルなのでここは貫通したらヤバイです。
この部分は非常に細い幅の隔壁なので絶対に深い傷を入れてしまってはダメです。
水分混入している原因はここじゃないかなぁ。
ロアケースを交換するというのが正規の方法ではありますがロアケースは高いですから、できることなら現物修正で何とかしたいもの。
このぐらいなら修正で何とかなりそうなので、ロアケースを修正しました。
あまり削り過ぎると他とのクリアランスの問題もありますのでそこそこに。。。
ついていた非正規のガスケットは非常に薄く頼りないものでしたので、純正ガスケット+液体ガスケットで組み上げます。
ポンプベースですが、腐食が酷く状態が悪いので交換します。
ネジ穴の周り等、だいぶ腐食しています。
塩害は恐ろしい。。。
新しいポンプベースにはオイルシールも組み込まれています。
インペラも交換
こちらポンプケース
先ほど書いたウォーターパイプ部分のゴムパーツですが、このように自作されたゴムがパイプの方についていました。
こちらが正規の状態です。
取り敢えず身近で手に入る物で何とか組み上げていたといった状態でしたが、この機会に全て正規の状態に戻しておくことにします。
インペラボルトも正規のものに交換して固着防止対策を施工して組み上げました。
シフトロッドのOリングも交換
そして、ペラ側のオイルシール・Oリングも交換します。
水分混入の原因となっている箇所が不明確なため混入の可能性がある部分は全て交換しておきます。
こういった塩も綺麗に清掃してから組み上げます。
シフトレバーの修理
動きが固くなり始めたぐらいの初期ステージですが、それでもなかなか抜けません。
シフトレバーを抜くのって様々なことを試してスキルを上げていき、良い方法を見つけ出します。
状況に応じて、段階に応じて臨機応変に抜いていきます。
ハイ、抜けました。
グリスニップルが無い年製でしたので追加加工で取り付けます。
そしていつものように内側からは超耐水グリースをモリモリ塗っておきます
超耐水グリース↓
ウォーターパイプ上部についているグロメットを交換します。
ここ最近多かったクランクケースヘッドが固着する症状。
エンジン下ろしたタイミングでこの部分のメンテナンスも作業メニューに入れました。
キャブレターの清掃
キャブレターも清掃しておきます。
内部は結構汚れていました。
このあたりの部品はヤマルーブで浸けおきします。
その他の作業
サーモスタット点検OK
●スターターロープ交換
●タペット調整
●諸々点検
●エンジンオイル交換
●ギヤオイル交換
●各部グリスアップ
試運転
【冷間始動】チョークを引いて2回で始動
【温間始動】1回で始動
【吹か上がり】良好
【検水】良好
交換した部品
ご利用ありがとうございました。
トーハツ2馬力・検水が出ない!?インペラはどうなってる?【福岡県北九州市・Kさん】