こんにちは、ゴムボくらぶ(@gomubo_club)です
福岡県北九州市・Sさんよりトーハツ2馬力の修理依頼を頂きました。
製造年月:25年8月
型式:3BV(MFS2B)
では、見ていきましょう。
バイク用の負圧ポンプを使って外部タンク化しています。
T型のジョイントで分岐して上部タンクも使えるようにしていますね。
そして外部タンクがこれです。
ん~・・・
Sさんの話によると最初外部タンクで使おうとしたものの不調だったので、次に上部タンクで使ってみたが状態変わらずだったということらしいです。
まずはキャブレターを見てみます。
預かった時から感じていたのですが、強烈なガソリンの腐敗臭がしています。
上部タンクも含めて燃料系統全てを清掃をする必要がありますね。
まずはキャブを徹底的に清掃します。
ちなみにこれ社外品のキャブです。
前オーナーさんがいろいろと手を入れているようなので、どこがどうなっているのかをよく観察します。
するとフロートバルブを純正品に交換しているようですので、油面の高さが変わっていないかを確認します。
*画像はキャブをひっくり返してます
フロート高が狂っており油面が低いですね。
油面調整をしました。
燃料タンクの中も腐敗臭がしますので綺麗に清掃します。
見ての通り底には汚れが溜まっています。
上部タンクは長期間ガソリンが入れっぱなしになっていたことが分かります。
燃料フィルターにも腐敗したものがこびりついていました。
燃料キャップの金具にも腐敗したガリリンがタールのようになってこびりつきベタベタしています。
このような腐敗状態は安値なキャブクリーナーやパーツクリーナーでは落とすことが出来ず、強力なキャブクリーナーが必要になります。
ヤマルーブを使って清掃します。
他に不具合が無いか主要の箇所もチェックします。
イグナイターのクリアランスやプラグなどなど。。。
タペットのクリアランスも見てみようかと思いましたが、1本ヘッドカバーのボルトが固着しております。
無理に外すと折れる可能性がありますので、タペットの確認はどうしても直らない時の最終手段とします。
ボルトが折れるとエンジンを下ろすこととなり費用も嵩みますから、極力無駄なことはしません。
プラグは単体でアースしてチェックすると火花が飛んでいるのですが、取り付けると不調が出てましたので交換します。
スロー調整・アイドリング調整を念入りにしてようやくエンジンの調子が良くなりました。
このキャブ、スロー調整とアイドリング調整がかなりシビアでした。
少しズレると途端に調子を崩します。
見れるかな?
エンジンの調子が良くなった動画です。
外部タンクについて
前オーナーさんには申し訳ないですが。。。
この外部タンク化はクォリティが低く安全面を損ないます。
Sさんにお話をして分岐ホースを取り外し元々の上部タンクのみにしました。
持ち込み当初、燃料ポンプに繋いでいる接続部分からガソリン漏れていました。
このピンクのホースは自然落下式の燃料供給ならばまだ使えないことはないものの、負圧ポンプでの圧送式に使うのは微妙です。
ホース自体が薄くフニャフニャなので月日が経つとのびて接続部の密着が甘くなります。
外部タンク化で使うにはリスキーです。
そして、スチールの携行缶を使っているというのも良くなく海で使えば当然錆が出て燃料フィルターを詰まらせます。
キャップを開けるとタンク内に錆が出ているのも確認できました。
外部タンク側の燃料フィルター
錆が溜まっています。
外部タンク化には、外部タンク用のPPタンクかステンレス携行缶を推奨します。
この作りだと外部タンク使用時には備え付けのエアーベントを開けて使うことになります。
携行缶の高さが低いのでガソリンがたくさん入っていると船の揺れでガソリンが漏るでしょう。
外部タンク化には信頼度の高いパーツを使い安全面に考慮した方が良いです。
試運転
【冷間始動】チョークを引いてアクセルはSTART位置にて2回〜3回で始動
【温間始動】キャブの特性でRESTATよりもSTART位置の方が良いです。1回始動。
【吹け上がり】良好
純正キャブではないのでちょっと勝手が違いますがコツを掴めば大丈夫です。
ご利用ありがとうございました。
トーハツ2馬力のシフトレバーの固着修理に悪戦苦闘!【大阪府泉佐野市・Kさん】